【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
『ようこそ、喫茶どんぶらへ……あ、五色田介人じゃなくてごめんね?でも、キミの精神の中はまるでおもちゃ箱みたいで楽しくてさ、こうしたら喜ぶかなって』
白髪の長髪の優男は、そう笑ってから緑谷にカウンター席へと手を差し伸べた。座って、という事だろうか。左右の人物の圧が凄いが、兎も角緑谷はそこに座った。
『何か飲むかい?精神世界だからなんでもあるよ』
『じゃあカラフルサンデー』
『いきなり裏メニューとはね』
カラフルサンデー……青いゼリーにバニラアイスとさくらんぼのサンデーは、緑谷の好きな戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』の駄菓子屋カフェカラフルのメニューだが、その次の作品である『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の、同じセットを再利用した『喫茶どんぶら』の裏メニューとなっている。
優男はキッチンに入り、しばらくして……本当にカラフルサンデーを運んできたのだった。なんでもありだなぁと、緑谷はそのバニラアイスとゼリーのサンデーを、一口掬って食べてみれば……うん、スーパー戦隊レストランで食べた時と同じ味だった。
『突然ごめんね?けど、キミの精神が安定して疲労もないとここに引き込めなくて……リラックスできてる証拠だ』
『貴方は誰ですか、ここにいる人達は……』
まず、聞くべき質問はそれだろう。緑谷は尋ね、白髪の青年は言った。
『僕は与一……キミとオールマイトが一度退治した、オールフォーワンの双子の弟、ワンフォーオールの始まりにあたる人物かな?』
それを聞いた緑谷は思い出した、オールマイトの個性ワン・フォー・オール……その個性は、代々受け継がれ継承されていった個性だと。その始まりはAFOから始まった事をオールマイトから聞いた事を。
『あの金玉の弟ですか』
『そ、あの金玉顔のね?つまり兄さんが右の金玉なら僕は左の金玉になるかな?』
『ぶふぉおあ!?』
不意を突かれた下ネタに緑谷はゼリーを吹き出した。というか、左右の男達も身体を震わせて笑いを堪えていた。
後ろのテーブル席やらソファの客達も机を叩いたり笑わないように堪えていた。
『あの……一応双子の兄なんですから、怒ったりとか……』
『僕は兄さんを止めるために抗って来たから……今更ってやつだよ』
結構ドライなのかな……気を取り直してと、与一……初代OFAは語り出した。
『まず、謝らせてほしい……あの神野で僕たちOFAに宿った歴代の意思は、キミと8代目のオールマイト、二人に個性を分けないと大変な事になっていたんだ』
出て来たのは謝罪だった、自分の身体に宿った、分たれたOFAの欠片……それは意思ある自分達が判断してそのように動いたのだと与一は語る。
『大変な事にって……一体何が……』
『結論から言えば……キミがオールマイトから作り上げたベルトによって、擬似的な継承が起きた事で、因子が強力になり過ぎて……君たち二人のどちらかに全て受け継がれた瞬間、爆発して神野が吹き飛んでいた』
『ば!?』
神野が吹き飛んでいた!?その事実に緑谷は驚くが、与一は続けた。
『そうしないといけなかったのさ、だから僕たちの意識とOFAの欠片と、そしてオールマイトに大半のOFAを分けて残し、僕達はキミに移った……だからこうしてキミと話す事ができるんだ』
『爆発だなんて……何故そんな事に』
理由はまぁわかった、だが唐突に自分やオールマイトが爆発して神野が吹き飛ぶその原因は何だと与一に緑谷は尋ねた。
それに対して与一は、二つのグラスとそれより大きいグラスを一つ用意して説明した。
『OFAは受け継いでいくと、その個性の所有者の経験も蓄積して力になっていく……オールマイトという器にOFAが入っているとして』
二つのグラスの片方に水差しから水を注いだ、満タンとまで言わないがなみなみと。
『キミ自身にも個性を持ち、蓄積した経験がキミの肉体にも宿っている、あ、量に関しては例えだから気にしないで?』
もう一つ同じグラスにも水を注いだ、半分くらい注いで止めたがあくまで話の中だから量は気にするなと前置きをする。
『で、キミが変身した姿がこの大きいグラス』
一回り大きいグラスに、オールマイトと自分のグラスに入った水を、与一は合わせて注いでいった。グラスなみなみに合わさっても余裕は少しあるくらいに。
『これが擬似的な継承になって、OFAにはキミの個性因子や経験が合わさって一つになった、さて……じゃあこれを、キミ達の片方に全て注いだら?』
『溢れます……』
『そ、その溢れた個性因子が……肉体を破壊しエネルギーが爆発し、どっちであってもOFAも肉体も砕け散っていた』
だから、と与一は合わさった水のグラスを、それぞれの小さなグラスに注ぎ直した。
『こうするしかなかった……そして幸運だったのは、キミはそれが出来るくらいに個性因子の耐久容量も、OFAと相性が良かったからだ……』
こうしなければならなかったと、与一は言う。さらに言えば、キミだからこそできた事でもあるのだと彼は言った。
『それはまたな……』
何故、そんな事が自分で都合よくと聞こうとした緑谷出久は、最初与一が歓待した時の台詞を思い出した。
"やぁ、来たね……緑谷出久くん、僕の兄と同じ因子を持つ男よ"
その台詞を思い出した瞬間、緑谷はカウンター席から腕を伸ばして与一の襟首を掴み掛かろうとして、左右に座っていた男から制されてカウンターに押さえつけられた。