【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
左右の男に取り押さえられながらも、身を捩り緑谷は与一にくってかかった、その眼は怒りに染め上がってしまっている。
『ふざけるなよ!ああ!?じゃあ何か!僕の母さんがあの金玉野郎の!お前の兄に股開いて僕ができたとか吐かすのか!!僕の母さんは緑谷引子!父さんは緑谷久だ!!』
お前それは侮辱も侮辱だろうがと、ライン超えの事実が頭によぎり、そんなわけあるか、あってくれと緑谷は願いも込めて怒った。それに対して与一は、首を横に振った。
『ごめん、ちゃんと話す……まずそれはあり得ない、断言できる……けどね、何故か分からないけど、キミの個性因子には僕の兄さんの因子が混ざってるんだ』
血縁は無い、それは断言する。浅はかな話をして申し訳ないと、与一は三度目の謝罪をした。だが……なぜ緑谷出久にAFOの因子が混ざっているのか?それまでは自分も分からないと困り顔で告げた。
『これは外的要因だと思う……けど、そのAFOの因子が……キミの本来の個性を変質させ、そして肉体も作り変えているのは確かだよ?』
『何……!?』
緑谷は、怒りから引き戻されて、左右の席に座って緑谷を制した男達も力が抜けたのを感じるや、カウンターに押さえつける力を緩めた。
『キミの個性は、元々……物体を引き寄せるだけだった……けど、どこかで兄さんの因子がキミに入って、個性が変異したんだ……そして、兄さんの因子に耐えうる肉体になるように細胞も変わっている……結果君の体は、OFAを欠片であれ宿せる肉体になっていた……としか……』
緑谷は、自らの手を見た。自身の本来の個性は、引き寄せるだけ……それが、それが、あのAFOの因子で捻じ曲げられて……こんな個性にされたのかと拳に力が入る。
『ふざけるな……どうしてこんな、なんで僕に……あいつは何故、いつ!?』
こんな個性でなかったら、父も母も苦しまなかった!自分もまだまともな道を歩めた!それを全部全部、AFOによって悪戯に捻じ曲げられていた事実に緑谷は悲壮な声色で叫ぶ。
『分からない……けど、調べられるかもしれない……キミの個性が変質した時、何か起きなかったかい?』
『そんな、変質なんてしてない!発現した時からこの個性だったんだ!』
変質したタイミングを尋ねられたが、個性が発現してからずっとこれだったんだと与一に緑谷は言う。それを聞いた与一は、顎に手を当ててならばと語る。
『なら、発現の前だ……キミの身に何か起きたかもしれない、両親に尋ねるのが一番だ……それと、そろそろ時間みたい』
『なーー!?』
与一は言う、ならば個性が現れる前に何かがなかったかと。両親に尋ねてみるのがいいと語り、時間だと宣った瞬間……喫茶どんぶらの壁に亀裂が入り始めた。
『キミはやがて、僕の兄さんと対峙する事になる……兄さんが育てた巨悪とも……けど大丈夫、僕たちがついている……たとえ変質した個性でも、僕たちがキミと共に戦うからーー』
『待て!まだ話はーー』
『また会えるよ、緑谷くん』
床が崩れ落ち、景色が落下していく……掴みかかって落ちるのを拒もうとしても無理だった。真っ逆さまから落下した緑谷の意識は、暗闇に溶けてやがて光の景色へ飛び出した。
「緑谷くん!緑谷くん!」
「しっかりしろ緑谷ぁ!おい!」
「緑谷!大丈夫か!?」
「はっ!?」
3人の呼びかけに、緑谷は目を覚まし飛び起きた。気づけばもう、太陽の光がカーテンから差し込んでいて……開かれたドアと、青山、峰田、常闇の同じ階の部屋に住むクラスメイト達が、焦った表情で緑谷を見ていた。
「え、あ、え?」
何があったんだ、何故3人が部屋に居るんだと理解できない状況に、峰田が心配そうにしながら語った。
「お前、朝食に姿が見えなかったから呼びに行ったら、凄いうなされてて合鍵もらって開けたんだよ……」
「ひどい汗だ、とりあえず水、飲まないとね?」
「余程昨日の疲労があったと見える……知らぬ間に蓄積されていたのか……兎も角異常だ、病院に行くべきだ」
あれから眠ってうなされて、寝巻きのシャツやジャージが汗でびたびた、シーツや布団もまるでインフルエンザの発熱並みに汗で染まっていた。
青山はペットボトルの水を差し出して、兎も角水をと緑谷は呆けながら受け取り飲み下す。
「立てるか?同胞よ」
「う、うん……」
力は入る、緑谷は立とうとするも膝の力が抜けて前のめりに倒れかけ、常闇が支え、即座に手のひらで緑谷の額を触るや戦慄した。
「いかん!!なんて熱だ!?峰田、リカバリーガールを呼んで来てくれ!青山は冷やすものを!」
「マジかよぉ!?死ぬなよ緑谷ぁ!!」
「ウィ!すぐ持ってくる!!」
異常な熱だと、常闇はすぐベッドに緑谷を戻し、峰田と青山が即座に部屋から出ていった。熱があるのか?立ちくらみは確かにあったが、倦怠感は無いのに……緑谷は呆けた顔で天井を見上げて……ふと思い出した。
ああ、そう言えば……まだ4歳の時に、死にかけるくらいの熱を出したなと。何日寝込んで、入院したとか、記憶が曖昧ながら緑谷は思い出した。
その時と同じだなと、緑谷は呆けたまま天井を見つめ続けた。