※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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221話 A組の文句は僕に言え

「おい!?緑谷が尋ねて来たみてぇだぞ!!」

 

 雄英高校1年C組普通科に戦慄走る!

 

 あの『ヴィラン殺し』であり雄英ヒーロー科の問題児、緑谷出久が普通科へ尋ねに来たのだと生徒の一人が叫び騒ついたのだった。

 

 彼らは出し物の『お化け屋敷』の準備に勤しんでいた中での来訪……一体何の用がと騒がしくなる中……二人の男女が震えていた。

 

「ま、まさか聞いてたのか!?報復に来たのか!!」

 

「私たち殺されるの!?」

 

 一人は、立派なリーゼントの大男『顎大和筒隆』

 

 もう一人は棘の髪飾りをつけた女子生徒『棘池築稚』

 

 この二人、A組が出し物を決める際にその会話を校内で聞いて陰口を漏らしていたのだ。まさか……それを聞かれて報復に来たのかと二人は緑谷が普通科に訪れた事を聞いて恐怖していた。

 

「心操たのむ!対応してくれ!なんだったら操って追い返してくれ!」

 

「な!?お、俺が!?」

 

「お前しか居ないんだよ!この教室が血に染まってお化け屋敷がスプラッターハウスにされちまう!」

 

 頼られたのは、かつて体育祭のガチバトルで0秒58という最速記録で、脊髄をぶっこ抜かれた心操人使。皆に頼られたが最早これは人柱、生贄である。

 

 廊下を歩く足音が近くなり、入り口の前で冷や汗を流す心操……そして対面した緑谷を見て目を見開いた。

 

「あ、どうも心操くん、お久しぶり」

 

「緑谷……なんだお前その、姿?」

 

 現れた緑谷の出立ちに心操は、気を抜かれた。不意打ちだった、安全ヘルムにオリーブカラーのツナギを着た緑谷は、近場のコンビニのレジ袋を下げて現れたのだ。

 

「いやいや、色々搬入やら道具の作業あるからね、安全第一の格好だよ、現場監督だから」

 

「は、はぁ……」

 

 そうして緑谷は、ビニール袋を心操に渡したのだった。

 

「で、寒くなって来たしあったかい缶コーヒーの差し入れをね、一年の全クラスに挨拶しながら配ってるんだ、とりあえずカフェオレで揃えたから、苦手だったら飲まなくても」

 

「お、おお……ありがとう」

 

 まさかまさかの差し入れであった、しかも一年のクラス全科に挨拶回りをしているのだと。思わず受け取りながら感謝を述べた心操に、緑谷は深々頭を下げる。

 

「うちも体育館を借りてライブをやらせて頂きますので、お時間ございましたら是非に足を運んでください……今年は何かと、ヴィランの襲撃に林間合宿の沙汰とご迷惑をおかけしておりますが、文化祭を楽しみたい、成功させたいと、どの立場でとは皆さま思っているかもしれませんが……よろしくお願いします」

 

 自分達が、色々と今年は迷惑をかけていると理解している。しかしヒーロー科だろうが普通科だろうが雄英の生徒で、同じ行事に参加して成功させたいと思っている、共に歩ませて欲しいと頭を下げた緑谷に……心操以下普通科生徒は黙るしかなかった。

 

「では、失礼致します」

 

 そう言って、緑谷は普通科教室を後にした。つまりはドサ周り、円滑な文化祭の進行の為、挨拶をしに来ただけだったらしい。さらには今年の騒動の謝罪まで。

 

 顎大和と棘池は……陰口の報復ではなかったかと息を吐いた、助かった、殺されずに済んだとーー。

 

「指摘されなくてほっとしたかなー?顎大和くんに棘池さん?」

 

「「!?」」

 

 が、緑谷はまだ教室を去ってなかった。その吐息を聞いたのか、元々詰めるための前準備だったのか……苗字を呼ばれた二人は一気に緊張が走った。

 

 緑谷は戻って来て、二人が座す席の前にゆっくりと歩いて行く。クラスメイト達は止められない、止めれるわけがない!

 

 俯く二人の席を前にして、緑谷は二人を見下ろした。

 

「かっちゃん……あー爆豪くんがね、君たちの陰口聞いたんだよね?」

 

 これなら爆豪の方がマシだった、まだ言い合いになってまたヒーロー科がと反撃ができた……しかし、今目の前に居る『雄英一怖い生徒』とまで呼ばれるようになった緑谷を前に、二人は脂汗を垂らして話を聞くしかなかった。

 

「自意識過剰、振り回した張本人……うん!その通りだ、ぐうの音も出ない!正論だよ!けどさぁ……」

 

 しかしその陰口は正論で言い返せない、言われて仕方ないとニコニコ笑顔で二人を見下ろす緑谷は、一瞬で真顔になるや左右の手で、二人の頭を鷲掴みした。

 

「陰口はやめようよ……気分が悪い、A組の文句は……僕に言ってくれる?」

 

「お、おい緑谷!待て!!」

 

 流石に心操が止めに入ったが、鷲掴みにした手はゆっくり離し、二人を見下ろしてため息を吐いた。

 

「僕たちだって、好き好んで騒動起こしてるわけじゃあない、何故か、まるで内通者でも居るかのようにヴィランが現れてる……被害者だ、僕たちだって……それだけは理解して欲しい」

 

 二人にはそれだけ分かって欲しいと忠告して、改めて緑谷は普通科に頭を下げて去っていった。

 

「お、おっかねぇ……息できんかった」

 

「ありがとう心操くん、止めてくれて……」

 

「お前居なかったらマジで何があったか……」

 

「い、いや、俺は何もできなかった……」

 

 本当に、恐ろしい奴だと普通科C組が緊張から解き放たれた。穏便に返してくれた心操は、皆に感謝された。自身は何もしちゃいない、精々やめろと声をかけただけで、緑谷自身は陰口の注意に来ただけだ。

 

 が……当の2名は……。

 

「ひ、ひ……ひっ……」

 

「た、立てねぇよ、うう」

 

 完璧に心を砕かれていて、緊張から解放されて生還を得た実感に、涙を流していた。

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