※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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R-17.999話 この気持ちをしまっちゃわなかった結果

「ん……あれ……」

 

 緑谷は重たい瞼を上げて、ふわふわな感触にまだ眠気を誘われた。なんだか煌びやかな天井が見えた、眠ってしまっていたらしいが何故と思い出そうとする。

 

 ああ、確か……あと少しでダンス隊全員の衣装が完成するからと根を詰めて、そうしたら麗日さんと八百万さんが紅茶とガトーショコラを持って来て。

 

 紅茶があまりに美味しくてホッとしたから、リラックスできて気が抜けて寝てしまった…‥と言うわけか。

 

 しかし……このベッド自分のじゃあないよな、誰の部屋だと身体を起こした緑谷は……血の気が引いた。

 

 このデカすぎるベッドと部屋には見覚えがあったのだ……ここは……八百万さんの部屋である。その大きなベッドに、自分が寝転んでいたのであった。

 

「え?あ、え?何で……?」

 

 何故、八百万さんの部屋に自分が?確かに柔らかそうで大きいからダイブしたいとは言ったけど、何でちゃっかり寝てるの?夢遊病になったか自分はとこの事態に焦る緑谷。

 

 そしてー一緑谷出久は1つの結論に至った。

 

「夢かーー」

 

 夢だな、欲求不満と疲労と徹夜から、今自分は夢の世界に居るんだなと、緑谷は夢で寝直したらまた起きれるだろうと布団を被ろうとして……。

 

「…………」

 

 布団の中に……居た。二人居た、多分下着姿で……んでもって目が合った。

 

 え……やらかした?僕まさか、手ぇ出した?あの紅茶に何か入ってた!?緑谷は脂汗をダラダラ垂らしながら……そーっと布団をかけて、倒れて、目を瞑る事にした。

 

 そうだ夢だ、これは夢だと言い聞かせる。寝て覚めたら自分はあの工房で、電池切れのように倒れて寝ているに違いないと緑谷は目を閉じて寝息を立てる。

 

 そうしたら……布団が迫り上がって来た。まるで頭まで包み込むようにして、薄暗闇の空間が出来上がる。

 

「出久くん……」

 

「緑谷さん……」

 

 二人の声が聞こえた、そのまま二人が左右から緑谷のそれぞれの腕に自らの腕を絡めて、身体を押し付けてくる。

 

 二人の柔肌は、全く違う。麗日が沈み込んで離さないならば、八百万はハリと弾力があった。

 

 夢にしてはリアルな……いや、夢だ、リアル過ぎる夢であると断じつつも……緑谷は一応嗜めようと声を上げた。

 

「ふ、二人とも……僕らはその、高校生ですし……これは流石に……あと、こんな事は……好きな人にするべきで……」

 

 何言ってんだ緑谷出久よ…‥お前、経験しといて今更純情童貞を演じるのか?大した裏切りだよと罪悪感に塗れながらも嗜めた。

 

「そうやね……好きだからしとるんよ……」

 

 その嗜めが、簡単に乗り越えられた。

 

「好きでも無い殿方に……斯様な事はしませんわ……」

 

 二人から…‥明らかな好意の矢印が明確に向けられた。中学時代から考えられないくらいに……布団の下で熱の籠った視線がまだこちらを射抜いて……緑谷は心の中で頷いた。

 

 ちゃんと話を聞こう、話を聞いて貰おうと。

 

「お話聞くから、とりあえず服着ようね、逃げないから」

 

 逃げも隠れもしないから、とりあえず服を着てくれないか、一旦落ち着いてお話しようと提案した緑谷に、二人は頷いてくれた。

 

 

 

 二人してパジャマに改めて身を通し、八百万のベッドの上で緑谷は二人と相対する。赤くなっているがやはり恥ずかしかったらしい、しなければよかろうにと思ったが、覚悟もあったのだろうとそれを緑谷は言わない事にした。

 

「まず……だけど……えーと……二人が何故僕にそこまで、好意を抱いてくれたのか……聞いていい?」

 

 緑谷出久は恋を知らない、唯一……ミッドナイトと肉体関係こそ結んだがあれは情欲のぶつけ合い、一夜の火遊びであるとお互い理解している。あれだ、一度身体を重ねた程度で、と言うやつだ、それに高校教師と生徒、あってはならない事とも十分理解している。

 

 過去の事もあり、緑谷は自身に好意を向ける女性は居ないだろうと思っていたし、今後生きていく上で一生そうだろうと断じていた……まさかクラスメイトから好意を向けられるなぞ思っても見なかったのだ。

 

 それどころか……遥か海に浮かぶ移動する科学の島には、許婚までいてその気があるなんて、この後悲劇が続かねば釣り合いが取れないくらいに女性からアプローチを受けているのである。

 

 故に…‥気の迷いとか無いよねと、尋ねてしまった。どうして自分を好きになったのかと。まだ情緒がクラスメイトより幼いが故の質問だった。

 

「私は……入試の時助けてもらって、なんよね……」

 

「あ、ああ……うん、あの時」

 

 それを、忘れただの覚えてないだの言えようか。あれがなければ、雄英合格なぞなかったあの一幕……緑谷からすればただ身体が動いただけ、ヒーローを目指す者として当たり前の事であった。

 

「出久くんは……やって当たり前思うとるかもしれんけどね……女の子ってやっぱり、助けられた男の子やその時の事は忘れられんのよ」

 

 そのあたり前でも、女性はやはり助けられてしまえばときめくのだと、手をもじもじさせながら麗日は赤くなりながら言った。

 

「私は……神野の時にです」

 

「神野って……何かした?僕?」

 

 神野の爆豪奪還の時?あの時別段八百万へ何かしただろうかと首を傾げた緑谷だったが……彼女はパジャマの裾を握りながら語り出した。

 

「怪我と心がまだ傷ついていたのに……無理を押して役まで羽織って来た緑谷さんに……放って置けないと……それよりも前にも、あの……いい人だとは思いましたけど、さらに自覚をしたのがそこで……」

 

 二人から、自らの好意の始まりや理由を聞いた緑谷は……。

 

「うぇえ!?ちょっ!どうしたん出久くん!?」

 

「な、何で涙を流しますの!?」

 

 ポロポロと、両目から涙を流してしまった。何故今泣いた!?泣く程嫌だったのか!?慌てる二人に緑谷は涙を拭いながら答えた。

 

「その……生まれてこの方……女性から好意を向けられた事が高校まで無かったので……自分の原因もあるけど……整理がつかないと言うか……明日あたり僕死ぬのかなってくらい幸せで……」

 

 嬉し泣きであった、それはそれでと二人は泣く緑谷にそうまで言うのかと返されてよりもじついてしまうのだった。

 

 しばらくして……緑谷はここまで二人に言わせてしまったならばと、こちらも真摯に、自分の出来る中で応えなければならないと、二人を見つめた。

 

「麗日さん、八百万さん……ありがとう、けど……ごめんなさい、今さっき言ったけど……あまりに色々な女性から好意が向けられて、ちょっと整理ができないんだ」

 

「メリッサさんやね、分かってるよ」

 

「十分存じております……」

 

 他に1人居るけど、あの人は互いに火遊びと線引きをしている。だから緑谷は話に出さなかった、2人もメリッサの事は知っていると頷いた。

 

「それに……真面目な話、僕らまだ仮免のヒーローで、学生だし……何か間違いがあって道が閉じたらいけないと思う」

 

「そ、そうやね……確かに」

 

「反省しますわ……」

 

 それと同時に自分たちはヒーロー科の生徒で責任も取れない学生、間違えて夢が閉ざされては意味が無いと真面目な今後を考えた意見も出して、2人も此度の行動は危ういと恥じた。

 

「だからその……ちゃんとお互い、責任を果たせるようになってから、改めて話をするのはダメですか?」

 

 今の緑谷ができる精一杯だった、じゃあ今から片方の好意を受け取るのはできない、何より熱にあてられ取り返しがつかない事になってはいけない……だから、三人とも分別と責任を果たせるようになってから改めて話をと提案した。

 

「その時になったら……選んでくれますの?」

 

「私か、八百万さんか、メリッサさんか……」

 

「うぐ……」

 

 が、この二人は提案に対してさらに詰め寄って来た。その時になったら、誰かを出久は選んでくれるのかと二人はずいいと近づいて来た。言葉に詰まった緑谷は、二人の目を見れなくなりそっぽを向いてしまった。

 

「選べない…‥かもしれない……だって……卑怯だよ、二人とも同時に告白するのは……普通1人だよ、2人とも悲しませたく無いし、メリッサさんの気持ちも蔑ろにしたく無い……欲張りで最低だよね」

 

 今の今まで……親からしか愛情を与えられ無かった少年が、唐突に多人数の異性から愛情を向けられてしまった。2人から同時のアプローチに、片方を捨ておけないと最低だと緑谷は項垂れた。

 

「あの、出久くん……」

 

 悩みに悩む緑谷に、麗日が声をかけた。

 

「はい……」

 

「二人ともとか……駄目なん?」

 

「え?」

 

 そして、出て来たその選択肢に緑谷は目を丸くした。

 

「メリッサさんとも、お話はしてまして……緑谷さんがよろしければ、全員娶ってもらえたらと」

 

「めと!?え、え!?」

 

 八百万からも同じ意見が、さらにはメリッサすら話を通していると聞いて緑谷は驚くしかできなかった。そんな一昔前のギャルゲー原作アニメで、ルート描けないからハーレムエンドにしたみたいな話、あっていいのかと緑谷は困惑した。

 

「えーと……日本国は……一夫一妻ですから……それはできないと言うか」

 

「法はともかく、ですわ、緑谷さんは嫌ですか?一人しか愛せませんか?」

 

 ヒーロー候補が法を投げ捨てた!?兎も角どうなんだと八百万に迫られた緑谷は……まさかの選択肢を提案して来た二人に……。

 

「できれば……最低だけど……そうしたいです」

 

 緑谷出久は、ついに白旗を振ったのだった。それを聞いた麗日と八百万は目を光らせて、聞いたね?聞きましたわとアイコンタクトをしてからさらに緑谷に身体を近づけた。

 

「決まりですわ緑谷さん、これから恋人としてよろしくお願いしますわね」

 

「モテモテやね出久くん、そしてありがとうね、受けとめてくれて」

 

 それぞれから手を握られて、これからはお付き合いする恋人同士だと、間違っていて歪な関係が出来上がってしまった緑谷だが……その事実をしっかり受け止めて二人の手の温もりに堕ちていく。

 

 が、しかし……緑谷からしたらやられっぱなしだった一時だったので、少し仕返しをする事にした。

 

「え、出久くん?あ、え?」

 

「まぁ……」

 

 左手を握っていた麗日の手首を、優しく握った。そして無理矢理引っ張らないように、引っ張る力を伝えて嫌なら抵抗できるとゆっくり引き寄せながら右手を腰に回し、緑谷は目を閉じて麗日と唇を重ねた。

 

 麗日は何が起きたのか理解するまで数秒目を見開き、事態を理解して顔を赤くしてまさか反撃にワタワタして、そのまま慣れないながらも目を閉じた。八百万もまさかいきなり緑谷が、麗日とキスをし始めた事にびっくりして赤面したーー瞬間。

 

「んふぅ!?ん!!んーー!んうぅう!?」

 

「あわわわ……」

 

 麗日が悶え始めた、緑谷が舌を入れて来たのだ、深く深く絡み合わせるように水の音が聞こえてくるキスに、八百万は手で目を隠したが指の間からその様を覗き見する。悶える麗日が身体を震わせ、なす術なく、やがて一際大きな震えと共に唇が離れて糸を引き、麗日はキャパオーバーでベッドに倒れた。

 

「八百万さん……」

 

「え、あ、待って緑谷さーーんんっ!」

 

 こちらに向き直った緑谷に、手首を優しく掴まれる、振り払ってしまえる、怖いなら嫌と言える力。ああ、だめだ、そんな力ですら振り払えないと八百万も抱き寄せられ、潤った唇が重ねられた。

 

 少し重ね合った矢先に、緑谷の舌が八百万の唇をなぞる。嗚呼、無理矢理じゃ無い嫌ならここまでにするとちゃんと予告していたと八百万は心音を高鳴らせて唇を動かして口を開けば……蹂躙に身を委ねた。

 

 舌を絡ませ合いながら、唇を啄んだり吸い上げたりと理解する水音をダイレクトに聞かされながら、たっぷりと口内をかき混ぜられて……背筋から登って来た電流のような感覚に八百万も強く震えてバタリと力なくベッドに倒れた。

 

「あう……んぅう……」

 

「はぁあ……はぁ……」

 

 ベッドに倒れ息を切らす麗日と八百万、緑谷は唇を拭いながら二人に宣言した。

 

「い、今はここまでで……色々準備ができたら……お互い責任が取れるようになったら、この後もするから……二人とも僕の恋人だから……」

 

 今の精一杯をぶつけた緑谷は立ち上がり、スタスタとそのまま八百万の部屋から出ていったのであった。

 

 二人は…‥しばらく余韻に当てられ呆けていたが……いざまた思い出すと赤くなってまた悶えをしばらく繰り返して、その一晩は眠れない夜を過ごしたのだった。

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