※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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229話 文化祭前夜

 そうして……練習に訓練と時間は過ぎて行った。カレンダーに刻まれたバツ印と『文化祭当日!』と刻まれた日が近づいていく。

 

 緑谷出久は、その準備期間すらも楽しくてしかたがなかった。中学時代の行事は参加を教師から許されなかった中で、皆と協力して初めての行事に熱も引かないままに日々を刻む。

 

 その文化祭当日の隣にバツ印が刻まれた、文化祭前日の夜ーー。

 

 

 

「じゃあ最後!ダンス隊通しいくよー!」

 

 芦戸の号令に、ダンス隊が並び一曲目のダンスパート最後の通しが始まる。立ち位置、移動、パフォーマンスの確認と残りの時間本気の確認に皆が勤しんだ。

 

「はい、とんとんつー……青山中央に行って、緑谷はけて……」

 

「はけるときは舞台裏?飛んで行くのは?」

 

「青山が飛ぶインパクトが薄れるから裏から天井に!」

 

 緑谷は言われるがまま舞台裏から天井への階段を駆け上り、そして天井廊下に出ると、青山にアイコンタクトを送った。

 

「はい!吊り上げて!」

 

 芦戸の号令で個性を使い、青山を引っ張った緑谷。青山はまるで大ジャンプしたかの様にステージから飛び上がり、ポージングを決めれば、緑谷はそのまま青山を体育館天井を引き寄せて彼方此方に移動させる。

 

「いいよ緑谷くん!最高に今、僕輝いてる!!」

 

「背骨大丈夫!?痛く無い!?」

 

「ちょっと痛いかな!本番は優しめに!」

 

 動かし方はランダムである為、あまり急に動かしては引き寄せのイメージに脊髄、背骨を引っ張る意識がやはり青山に負担が掛かるなと、とりあえず天井廊下に青山を下ろしたーー。

 

「じゃあ、後は本番の演出班と息を合わせて、アドリブはしないように!」

 

 ここからは本番の演出班と息を合わせて、目立とうとしてアドリブに走るのは駄目と芦戸から注意が下った。

 

 これでもう、あとは本番の明日を待つのみとなった。体育館の時計を見た緑谷が、終了の21:00の五分前になっているのに気付いて芦戸に声を上げた。

 

「芦戸さん、そろそろ終わろう!ハウンドドッグ先生がそろそろ……」

 

「残り5分前だ!撤収しないかA組ぃ!!」

 

 来てしまった、さすが生徒指導時間に厳しいと、ハウンドドッグ先生の怒声により、全員片付けと消灯に掛かった。

 

 

 

 後はもう……翌朝の本番を待つのみである。

 

 

 

ーーPM11:35ーー 1ーAアライアンス談話スペース。

 

 

 

「うっはー!眠れねぇ!」

 

「興奮マックスぅ!」

 

 上鳴と峰田、興奮により寝れねえ!と走り回る。

 

「静かに!もう寝てる人も居るんだから……」

 

 流石にうるさいと芦戸が二人を嗜めるが、まだその熱は眠気を阻んでいるようだ。

 

「皆……盛り上がってくれるだろうか……」

 

 珍しく眠れないと、飯田もソファでガチガチになってそんな事を呟いていた。委員長として、この企画を取りまとめた責任もあろう、緊張してしまうのも仕方がない。

 

「そういうのはもう、考えない方がいいよ……恥ずかしがったり、おっかなびっくりやんのが、一番良く無い……舞台に上がったらもう、後は楽しむ……」

 

 飯田の緊張に耳郎は、もうここまで来てしまった以上、後は楽しんで舞台をやり切るだけだと、自身にも言い聞かせるように飯田へ言った。

 

「お前めっちゃテレッテレだったじゃねぇか!」

 

「あれはまた、違う話でしょ!」

 

 上鳴から1番に照れていたのは耳郎だろうと弄られ、耳郎はそれとこれとは違うとツッコミを入れた。

 

「耳郎さんの話は…‥いろんな事に通じるね」

 

「ウィ、他が為を考えると結局己が為に行き着くのさ……」

 

 そして緑谷も眠れない組として、青山とテーブルで談笑し、眠気が現れるのを待っていた。達観した物言いをするなと、青山の言葉に成る程と緑谷はおおと唸る。ダンスも覚え、ギターのセッティングも完了して、緑谷自身も気合が入る。

 

「ダンス良し、ギター良し……何か用意し忘れは無かったかな」

 

「リストを見たけど、万全だよ緑谷くん」

 

 青山から、リストは確認済みだと忘れ物も無いと聞いた緑谷は背伸びして

 

「なら、明日はちょっと気分転換に散歩でもしてこようかな?10:00の本番まで時間もあるし……」

 

「服飾に買い出しにダンスにギター、ボーカルからドサ周りまでやってたからね、緑谷くん」

 

 役職を掛け持ちしたから自由時間は無かった、本番前にリラックスする権利くらいあるさと緑谷の呟きに青山は文句も無いし権利すらあると擁護した。幸い、この文化祭準備期間、生徒の出入りは警備に反して緩かったりする、少しばかり外に出ても買い出しやらで咎めたりされない。

 

 ああそう言えば、と緑谷は思い出した。

 

「そう言えば……この近くで本格的なイングリッシュブレックファーストを出してる店があるんだったな、老人がやってて紅茶も美味しい店とか……どう青山くん?僕と一緒に悪さしない?」

 

 寮生活になり外に出るのも難しくなって、一学期にはやっていた買い食いやらできなくなっていた最中、行きたかった近場の喫茶店を思い出した緑谷は、話をしていた青山に、本当は駄目だが一緒に行かないかと誘った。

 

「紅茶は興味あるけど……僕朝食はフランス式って決めてるから遠慮しておくよ」

 

「イングリッシュは苦手なんだ?」

 

「脂っこいじゃないか、朝は甘い物で頭を起こしたいのさ」

 

 振られてしまったか、紅茶好きでも彼はフランスかぶれ、朝はパンかクロワッサンに甘いジャムを塗り紅茶をいただく、英式は好みでないらしい。

 

「残念、じゃあ僕一人行ってくるよ」

 

「気をつけて行っておいで」

 

 そうして、語り明かせば日を跨ぐ間際になっており、皆もそろそろ寝ようと解散し始めた。緑谷もやっと眠気が来て、皆と共に解散して部屋に戻ったのだった。

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