【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「プッシーキャッツ!」
「元気そうね!キティ達!」
ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ。
一年が夏休み期間の林間合宿でお世話になった、山岳地帯の救助を主に活動内容とするヒーローユニット。
マンダレイ、ピクシーボブ、ラグドール、そして虎の四人からなるチームで、猫耳メイド服をヒーローコスチュームとする大ベテランヒーローだ。
しかし、林間合宿はヴィラン連合の襲撃により中止、ピクシーボブは負傷してラグドールは誘拐され、AFOに個性を奪われて活動休止となっていた。
そして……そこにもう一人。
「久しいな出久くん、また一段といい男になったじゃあないの?」
「ご無沙汰してます、タカカズさん」
ナイスガイヒーロー、タカカズ。自らバイセクシャルを公言する、雄英体育祭以降から緑谷を職場体験やヒーローインターンへ指名しているヒーロー。ヒーロービルボードチャートJP上半期では20位の、トップ陣営と言ってもいいだろう。
死穢八斎會事件にて会合し、それまでは緑谷自身警戒していたが、精神面で追い詰められていた所を介抱されて人となりに触れて警戒は解け、作戦当日では治崎とカーチェイスを演じ活躍した。
緑谷はタカカズに一礼する中、虎はお土産を芦戸に渡し、爆豪の方に向いた。
「あん時は守り切ってやれず、すまんかった」
「ほじくり返すんじゃあねぇ……」
虎は、神野のヴィラン連合捕縛、爆豪救助作戦にも参加していたが、結局助けられ無かったことを謝罪し、爆豪はむしろ思い出すから謝罪はいいと目を逸らした。
お土産を貰った芦戸や麗日、葉隠がやいのやいの叫ぶ中、緑谷はふと気づく。合宿で出会ったマンダレイが預かっている少年、出水洸汰もついて来ていた事に。
「久しぶりだね、洸汰くん、元気してた?」
屈んで久しぶりと挨拶する緑谷だったが、洸汰は心配そうな表情で近づいて緑谷の右腕を触り出した。
「怪我……大丈夫?あんな風になってたし」
ああ、と緑谷は懐かしくなりつつある当時を思い出す。洸汰くんを守る為、当時ヴィラン連合メンバーだった血狂いマスキュラーと戦ったのだ。その際防御して両腕を骨折し、右前腕は尺骨が飛び出る大怪我を負って、その尺骨を武器にしてマスキュラーの身体中の腱や血管を切り裂いて勝利した事を。
「大丈夫、ちゃんと動くし奇跡的に後遺症無しだからさ」
右腕の袖を捲って見せて、大事には至らなかったと言う緑谷に、マンダレイがクスクス笑いながら緑谷に声をかけた。
「この子ったら、緑谷くんの必殺技を真似して足を挫いたんだよ?」
「わーー!言わないでよ!!」
真似たのか、大切断……元々あれはアドリブ込みの新必殺技だったのだが……。緑谷は少し恥ずかしくなりながら洸汰に進言した。
「その、あれだ……怪我しないように、ヒーローの技を真似して怪我した事は僕にもあったから」
誰もが通る道だよねと、洸汰の話に自身もやらかしたなぁと思い出した。
「しかし、なんでまた雄英に?」
さて、そう言えば何故プッシーキャッツ達は、そしてタカカズは雄英に訪ねて来たのかと砂藤がお茶を持ってきながら尋ねる。
「復帰のご挨拶に来たのよ」
「復帰!?」
「それはおめでとうございます!」
まさかの復帰宣言に、飯田と八百万が驚きの声を上げた。
「ラグドール復帰したんですか?個性を奪われて活動を見合わせたんじゃ……」
つまり、ラグドールはAFOから個性を取り戻したのかと思いつく緑谷に、ラグドールは手を挙げて答えた。
「戻ってないよ!アチキは事務仕事で皆をサポートする事にしたんだ」
成る程、落とし所としてはそうなるかとなった中で……緑谷はタカカズに目を向けた。
「じゃあ……新しい四人目にタカカズさんが?」
まさかまさか、ガチに新メンバー入りしたのかと尋ねる緑谷に、タカカズはいい笑顔で答えた。
「いや?俺は別件で訪ねに来たんだが、ちょうどプッシーキャッツと鉢合わせてな?せっかくだからポージングに混ぜてもらった」
そうだったのか、マジに追加戦士枠かと思ったと緑谷は理解した。
「タルタロスから報告はいただくんだけどね……今は何もさせない事がAFOを拘束する唯一の手段だから……」
個性を取り戻すにしても、AFOが返さねばならないからその隙に何かすれば逃げられてもおかしくないと、今は何もさせない他無いとピクシーボブは語った。
「では……何故このタイミングで復帰を?」
ラグドールの個性も戻らないのに、何故今復帰へ踏み切ったのか?その理由をマンダレイは語った。
「今度発表されるヒーロービルボードチャートJP下半期、私たち411位だったんだ」
『ヒーロービルボードチャートJP』
上半期と下半期、年二度行われる日本のヒーロー番付。事件解決数、社会貢献度、国民の支持率などを集計してランキングとして発表される。即ち、この順位が高いほど、日本に平和と笑顔をもたらしたヒーローという事になる。
「確か……プッシーキャッツの上半期は32位だったかな?」
「成る程急落したからか!ファイトっす!」
順位の急落で復帰を急いだ、そうみて取れた切島が応援したがーー。
「違うにゃ!全く活動してなかったのにも関わらず3桁順位ってどういう事!?ってこと!!」
そんな焦りからでは無いとラグドールが否定した。
「支持率の項目が……今回我々突出していた」
「待ってくれている人たちが居る……」
「立ち止まってなんかいられにゃい!」
ファンが復活を待ち望んでいるならば、ヒーローとしてそれに答えたいとプッシーキャッツの面々は立ち上がると決めたらしい。
「そういう事か……漢だ!ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!」
「切島くん?女性だからね、失礼だよ?虎さんも性転換した元女性だからね?」
一応、全員女性だから失礼だぞと緑谷は切島に注意した。
「そう言えば、下半期まだ発表されてなかったよね?」
「色々あったからなぁ……」
「オールマイトの居ないビルボードチャートかぁ……」
そのビルボードチャート下半期、彼女らの口から順位が報されたならばいよいよ発表が近いのかと、A組の面々が気にする中、タカカズはそろそろ用事を済ませるかと緑谷に近寄った。
「で、だ、俺の用事というのは出久、こいつだ」
そう言って緑谷に、タカカズは封筒を手渡したのであった。
「あの、これは?」
「今度福岡で開かれるヒーロービルボードチャートJPの招待状だ、何しろ俺、10位に入ったからな?良かったら一緒に行かないか?」
「へぇー、ビルボードチャートで10位に……って、えぇえええええ!?」
まさかの話に、緑谷は本日二度目の絶叫を上げるのだった。