※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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241話 長旅の男と速すぎた男

ヒーロービルボードチャートJPは、その翌週に生中継で福岡の会場で行われた。緑谷、轟、そして常闇もそれぞれのヒーロー達の招待で控え室側にて待機して、招待席にてその式典を見守る事となった。

 

「おや?色を変えたのかい、真っ黒じゃないか」

 

「あ、はい……ナイトアイ事務所インターンから元に戻しつつデザインも変えたんです」

 

 緑谷は、インターン以降ヒーロースーツをまた変えていた。というのも、死穢八斎會のインターンは、OFAの欠片の監視体制の意味を兼ねたインターンだった為、解放された結果緑谷はナイトアイのインターンから放逐されたのだ。

 

 ナイトアイ事務所で変えた白色から、また黒色のコートに変えて帽子も被りなおした。やはりこれだな、しっくり来ると緑谷は安心した。

 

「そっちが本来のってやつかい、いいじゃないの、ダークヒーロー系の衣装で」

 

「あ……ありがとうございます」

 

 この時緑谷、初めてヒーロースーツを褒められたのであった。今まで先生には変えろと言われ、ヒーローに見えないとクラスメイトに言われたが、初めて言われたと緑谷は感激したのだった。ナイスガイヒーローは度量が深い。

 

「まぁでも、うちでヒーローやる時はツナギを着てもらうぜ?何せヒーロー活動以外は車にバイク、ヒーローモービル修理が大半だからな?」

 

 そう言うタカカズのヒーロースーツは、シンプルな青いツナギ一丁だった。

 

「いや、就職すると決めてないのですが?」

 

「そうかい?うちはこれでもヒーロー活動以外で修理工の給料も出すから、安定して食ってけるぜ?駆け出しの時は何かと貧乏するからさ」

 

 ヒーローの給料問題は中々にシビアである、今や全国各地に様々なヒーローが事務所を持ち、犯罪解決を誰が活躍して解決するか取り合いに成る程。それでもまだ、ヴィラン犯罪はさらに増えているのだからヒーローの需要がまだまだあるのだ。

 

「うし、じゃあ早速行こうじゃあないの、とは言っても出久は座って見てるだけだがな」

 

 招待されたとは言え、此度はタカカズの付き人の意味合いもあると考えた緑谷は、控え室のドアを開けてあげた。そこまでしなくていいぜ?とタカカズは笑って言ったが、その行動を受け取り緑谷が開けたドアを先に出た。

 

「おっとぉ……」

 

「む……」

 

 ばったりと、出会ってしまった。エンデヴァーもちょうど控え室から出てきた様で、背に焦凍を連れていた。

 

「No.1おめでとうエンデヴァーさん、長い旅路だったじゃないの」

 

「貴様かタカカズ……あいも変わらずまだ時代遅れのモービル弄りをしているみたいだな」

 

「あんたも一台どうだい?いい性能とデザインで安くしとくぜ」

 

 ふんと、鼻を鳴らしタカカズの前を通り過ぎるエンデヴァーに、緑谷は相変わらずだなこの男はと、その背中を見続けた。

 

「時代遅れか……まぁたしかに、今や自らの個性でモービルより早く現場に行けるヒーローばかりだからな」

 

 ヒーローモービルは時代遅れ、事実ではあるがと苦笑いするタカカズ。しかし、緑谷の様に移動スピードに難がある個性のヒーローからすれば、まだまだ需要があると思う様な……と、エンデヴァーの言葉には首を傾げた。

 

「俺はカッコよくていいと思いますけどね?ヒーローモービル、まだ需要あると思いますよ」

 

 そんな意気消沈したタカカズに声をかけたのは……赤い翼を背中に生やした男……。

 

 今日、No.2へとビルボードチャートを上げた、若き英雄。ウィングヒーロー、ホークスであった。

 

「タカカズ先輩、ご無沙汰してます」

 

「よぉ、ホークス、そっちは早すぎるな、生き急いじゃいないか?」

 

「本当は20位くらいで、好きにやりたいんですけどねぇ」

 

 ホークス……22歳、今年の上半期にトップ3入りしたこの男は、ヒーロー科卒業すぐの18歳で事務所を立ち上げ、その上半期にはトップ10に入った。10代でのトップ10入りは史上初の最速最年少である。

 

 人は彼を『速すぎる男』と呼ぶ。

 

「やぁやぁ、緑谷出久くんじゃない、常闇くんから話は聞いてるよ」

 

 そんな速すぎる男は、タカカズの背後に立つ緑谷を見て飄々としながら右手を差し出してきたので、緑谷は緊張しつつも自ずと手を握り返して握手に応じた。

 

「は、初めましてホークスさん、緑谷出久と申します……」

 

「常闇くんが話してたよ、雄英一年生最強なんだって?」

 

 握手しながら自己紹介する緑谷に、ホークスは笑って答えると、その話に驚き違うと否定した。

 

「え!?いや……体育祭準拠ならかっちゃ……爆豪くんじゃあないかな?」

 

 しかし、その否定はホークスの背後で付き添う常闇によりさらに否定される。

 

「いや、俺はお前が最強だと疑ってないぞ同胞よ、BIG3と対等に戦ったのはお前だけだからな?」

 

「もー常闇くん……恥ずかしいよ」

 

 あれは……かっちゃんが冷静だったらまた違うと思うけどなと、通形先輩に金玉を頭突きされた際の爆豪を緑谷は思い出す。

 

「キミの活躍は色々と聞いてるよ、またこの後じっくり話を聞きたいね、じゃあ……行きましょうか、タカカズ先輩」

 

「だな、まさか俺もトップ10まで来ちまうとは、流石に緊張しちまうぜ」

 

 そろそろ式典が始まる、ホークスとタカカズが並んで会場に行くのを見て、緑谷と常闇も、その後ろについていった。




セキアカ設定話

・タカカズの年齢はセキアカでは35歳としている。

・タカカズとホークスは、同じヒーロー科の学校出身で一回り先輩と後輩の関係。

・ヒーローモービルは、今の時代個性で現場に急行できる個性持ちのヒーローや、サポートアイテムが増えた為『時代遅れ』となっている。
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