【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
右を見ても、左を見ても、緑谷の知るヒーローばかり。ここはなんだ、天国かよ、全員からサイン貰いたい。そんな事は言えない雰囲気で、左右に常闇と轟が座り、そわそわを耐えるように緑谷はステージに目を向けた。
『ヒーロービルボードチャートJP下半期、まずはナンバー10!前回9位からワンランクダウン、ドラグーンヒーロー、リューキュウ!』
アナウンスと共に、トップ10がいよいよ壇上へ上がる。麗日と蛙吹が、インターンで呼んでくれたヒーローのリューキュウが、歓声に応え手を振るがその表情は浮かない顔だった。
『同じく同率ナンバー10!青いツナギとモービルのナイスガイなヒーロー!18位から大躍進、ナイスガイヒーロー、タカカズ!』
対して同率10位で壇上に上がるタカカズは、にっこりナイスなスマイルを向けて観客に応える、心なしか男の歓声が多かった。
『ナンバー9!こちらもダウン、しかし衰え知らず、具足ヒーロー、ヨロイムシャ!』
下手したら、ヒーロー最年長かもしれないヨロイムシャ。緑谷がヒーローを知った幼少の時には大ベテランだったヒーローは、順位は下がれど未だに衰えは無しと壇上へ向かう。
『ナンバー8!綺麗にツルツル、CMでお馴染み洗濯ヒーロー、ウォッシュ!』
洗濯ヒーロー、洗濯機そのものな異形なのか、ヒーロースーツなのか?実は謎が多いヒーローウォッシュが8位、大人から子どもまでCMソングを歌えない人を探すのが難しい、家庭に寄り添うヒーローは今でも人気だ。
『ナンバー7!大躍進、成長止まらぬ期待の男、シンリンカムイ!』
緑谷がオールマイトと出会った年には活躍していたシンリンカムイが、ついにここへ来た。新時代を代表するヒーローは彼やもしれない……。
『ナンバー6!正統派の男は堅実に順位をキープ!シールドヒーロー、クラスト!』
まさしく正統派、現実、ヒーローとは彼と言ってもいいだろうクラスト。涙を流す理由は一体……。
『ナンバー5!勝気なバニーはランクアップ!ラビットヒーロー、ミルコ!』
「……やっぱりいいな、鼠蹊部」
「「緑谷?」」
やはりあのコスチュームは魅力的だ、緑谷の呟きに左右の常闇と轟が注意した。緑谷出久、レオタード好きな鼠径部フェチである。
『ナンバー4!ミステリアスな忍びは解決数も支持率も鰻登り!忍者ヒーローエッジショット!』
やっぱり忍者はかっこいい、男の子の好きを詰め込んだヒーローエッジショットがこの順位に上がった。
『活動休止中にも関わらずナンバー3!支持率は今季ナンバー1!ファイバーヒーロー、ベストジーニスト!一刻も早い復帰を皆が待っています!』
この壇上には上がれなかったが、支持率ナンバー1、爆豪が職場体験でむかったベストジーニストは3位に名を連ねた。復帰を皆が待っていると拍手が観客から送られた。
『ナンバー2!マイペースに、しかし猛々しく!破竹の勢いで今二番手へ!ウィングヒーロー、ホークス!』
いよいよ呼ばれた、常闇くんのインターン先のヒーロー、先程にこやかに握手を交わした男は打って変わって何やら物憂げだったがどうしたのだろうかと緑谷は心配した。
『そして……』
壇上のライトが消え、カーペットを歩む男にスポットライトが当たる。今日の主役はこの男だとにくい演出を考えるなと、そのスポットライトの先を緑谷は轟に示したが、轟はやはり直視はしたく無いとそっぽを向いた。
『暫定の一位から今日、改めて正真正銘、ナンバー1の座へ!長かった!フレイムヒーロー、エンデヴァー!!』
タカカズさんは、あまりに長い旅路だと言っていた。緑谷が生まれる前から、そしてデビューしてからずっとこの男はナンバー2だった。
『万年二位』なんて蔑称を体育祭の時には吐いてしまったが、それでも二十数年間この男は、他のヒーローに二番手を譲らなかった。それだけの実力と実績を持つからこそその座に立ち続け、今日彼は日本ナンバー1のヒーローの座に辿り着いた。
緑谷は、隣の轟には申し訳ないが、この時ばかりはエンデヴァーに拍手を送ったのであった。