※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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243話 都市伝説、ヴィランが最も恐れる男 

ベスト・ジーニストを除く、此度のトップ10が壇上に出揃ってから、ヒーロー公安委員会会長の女性が、いかにもな話を始めた。オールマイトが引退して、再びヴィラン犯罪が活発になっている。象徴不在が取り沙汰されているが、次を担うヒーローは今ここに居るのだと、普段ならテレビ発表のみのこの行事にヒーローを呼んだのは、節目として、新たな時代のヒーロー達の活躍を願っての事であると話す。

 

 オールマイトはもう居ない……改めて緑谷、そして轟に常闇もその事実が突きつけられる。今はあの鶏ガラの様に痩せた体で、自分たちを未来のヒーローにする為教鞭をとって居るのが信じられない。

 

 こう『私が!休みで治した体で遅れて来た!』と、今から入口のドアなり天井突き破って復帰宣言して皆を驚かせたりしないかと緑谷は見回したが、そんな事は決して起きやしないと理解している。

 

 公安委員長の話は終わり、司会のお姉さんが壇上のヒーローにそれぞれコメントをとマイクを向ける、まずはリューキュウだった。

 

「ありがとうございます、しかし……辞退できるものならばしたかった、というのが本音です……救えたはずの命がありました、頂いたナンバーに相応しいヒーローになれるよう、邁進して参ります」

 

 今年はこの順位に居られる活躍ではなかった、まだ自分にはやれた事があって辞退できるならばしたかったと、謙虚に彼女は受け止めていた。

 

「分かるぞリューキュウ!お前の心の苦しみが!自責の念が!我ら立たねばならぬ!がんばれリューキュウ!がんばろーー!!」

 

「クラスト、順番……」

 

 そんなリューキュウに、この正統派ヒーロークラストは、順番を超え暑苦しく彼女にエールを送った。

 

「で、では続いて、タカカズさん……」

 

 クラストの熱に押されながら、同率10位のタカカズにマイクが向けられた。

 

「オールマイトが引退して3ヵ月、まるでそれを狙ってだらしねぇヴィラン達の犯罪はさらに多くなっている、こうして皆様に選んでもらった以上、現状にしかたないなどと甘えず、歪みねぇ地道な活動で気と括約筋をさらに締めて頑張っていきたい……猛れヒーロー、猛れナイスな男女達!」

 

 この順位に選ばれた責任は果たす、ここがヒーローの踏ん張り所だと鼓舞するコメントに、会場にの太い歓声が上がった。

 

「これからもやるべき事は変わらん……」

 

「ウォッシュ!(うぬらの洗濯物の白さと平和は、これからもこの俺が守ってみせる!!)」(緑谷によるウォッシュ語訳)

 

「チームに加えてくれたエッジショットをはじめ、諸先輩方に恥じぬ働きをしていく所存」

 

 ヨロイムシャ、ウォッシュ、そしてシンリンカムイは当たり障りないコメントを残していく。ふと、緑谷は壇上のホークスが何やら退屈な表情をしているのに気付いた。

 

「ねえ常闇くん……ホークスが何だか、表情がおかしいんだけど」

 

「確かに……一体どうしたんだ?」

 

 それを指摘して確かにと常闇も気づいた中、コメントが次々あがっていく。

 

「うぉおおー!なぜあの日私は神野に居なかったぁあーー!ヴィジランテとは言え、スコーピオンのようにオールマイトを助けてやれなかったーー!!」

 

「ぶふぉお!?」

 

 まさかの人物、クラストから怨霊忍者スコーピオンの名前が出て来て緑谷は吹き出した。轟は目を見開き緑谷を見つめ、常闇は何故吹き出したのかと緑谷を不思議そうに見るのだった。

 

「今悪い事企んでるやつ!私にぶっ飛ばされる覚悟しとけよ!」

 

 この人は本当に、勝気で強気な女性だなと緑谷はその溌剌とした声から感じる覇気にピリついた。もし可能なら、サインをもらいに行こうと緑谷はそう決めたのであった。

 

「数字に頓着は無い、結果として多くの支持を頂いたことは感謝しているが、名声の為に活動しているのではない……安寧をもたらすのが本質と考えている……」

 

 エッジショットも、あくまで数字は数字、ヒーローの本質は平和のためにその身を捧げる事とコメントした……が、遂にこの男は我慢の限界だと口を開いた。

 

「それ聞いて、だれが喜びます?ステインくらい?」

 

 この一言が、会場の空気を一気に冷たくした。その挑発的な発言、逆にミルコはワクついたらしく、応えた。

 

「いいぞ、生意気だ!」

 

「相変わらず、和を乱すのが好きだな……」

 

「我慢が苦手なだけですよ……」

 

 エッジショットはその発言にあまりいい気持ちは無いと険しい表情を見せる中、司会からホークスはマイクを自ら取り上げた。

 

「えーと……支持率だけで言うと?ベストジーニストさん、応援ブーストが掛かって一位、二位が俺、三位エッジショットさん、で……四位がエンデヴァーさん以下略……」

 

 その翼をはためかせて浮き上がり、観客や出席していたヒーローの視線を誘導する。話を聞け、俺を見ろと言わんばかりに。

 

「支持率って、俺一番大事な数字だと思ってるんですけど……過ぎた事を引きずってる場合ですかー?やる事変えなくていいんですかー?象徴はもう居ない……節目のこの日に、俺より成果の出てない人達が、なぁにを安牌切ってんですかぁ……もっとヒーローらしい事、言ってくださいよ」

 

 ホークスってこんな不遜なヒーローだったの?緑谷がさっき先輩後輩呼びして和かだったタカカズとの雰囲気や、握手してくれた時と全く違うと常闇に顔を向けて、常闇もあの人はよく分からないと顔を沈めていた。

 

「このままいくと、ヴィランが今最も恐れる男に何もかもかっ攫われますよー、俺からは以上です」

 

 最後の話を終えて、降り立ちながらホークスは……マイクをエンデヴァーに手渡した。

 

「さぁどうぞ?支持率俺以下、ナンバーワン」

 

 まるでラップのディスへのアンサーをと促すホークスに、エンデヴァーはガシリとマイクを取り上げた。

 

 そして、堂々と最前列に立つと息を吸い、ゆっくりエンデヴァーは語りだした。

 

「若輩にこうも煽られた以上、多くは語らん……」

 

 その視線はどこに向いていたのか、誰かを探す様にも見えた緑谷に、隣の轟はしかとその様を見つめて聞いていたのを知らない。

 

「俺を……見ていてくれ」

 

 静まり返った会場に拍手が一つ、ホークスからの物だけが響き渡って、ヒーロービルボードチャートJP下半期は終了した。

 

 

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