※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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246話 ハイエンド、二体

「落ち着いて!焦らず頭を低くして移動してください!」

 

「怖がらないで!ここにはナンバーワンヒーローのエンデヴァーが居ますから!」

 

 ヨリトリミドリの客、その階層に居た客を含め非常階段へ緑谷と轟が誘導する。今の自分達は仮免、しかし轟は補講中のため個性使用制限がある、今できる事をしなければと、二人は避難誘導を行った。

 

「イズク、ショート!ツクヨミは?」

 

 同じ階層に逃げ遅れは居ないか確認していたタカカズは、ツクヨミこと常闇の姿が無い事を尋ねる。

 

「ツクヨミは先に行ってもらってます、俺は仮免持ってないんで、彼の個性なら何かあっても守れると」

 

 律儀に、仮免を持ってない為個性使用無しで出来る事をしなければならないと、轟は先導を常闇に任せ緑谷と誘導していたとタカカズに報告した。

 

「そうか、よし……轟くん、いやショート、全責任は俺が負うから個性使用を許可する、頼むぞ」

 

「いいんですか……」

 

「使わずに人を死なせるなんて、あってはならないからな」

 

 タカカズは、全責任は俺が負うと言って轟の個性使用の禁を解いた。ここから先、何があってもおかしくは無い、何もせずに出来ずに終わっては意味も無いとタカカズが言った瞬間。

 

 ビルが揺れた、地震が起きたように。タカカズも、緑谷も轟もあまりの揺れに膝をついて屈んでしまい、何があったのかとあたりを見回し……ふと、近場の窓から景色が見えた轟は目を見開いた。

 

「まさか、このビル……崩れたのか!?」

 

 窓の景色が、下へ下へズレていく中……突如3人は浮遊感を味わう事になった。

 

「え!?わ、わ!」

 

「何だ!?引っ張られ……」

 

「二人とも抵抗するな!ホークスの剛翼だ!」

 

 身を委ねて楽にしろと、タカカズの言葉を聞くや、思い切り身体が引っ張られ景色があっと言う間に、夕焼けの外に移動し、ビルの惨状を緑谷焼き付けた。まるで試し切りされた竹のように、斜めにズタズタに削られたビルがゆっくりズレ落ちていく。そして地面に降ろされた瞬間ーー赤い幾つもの閃光がズレ落ちるビルを透過して、粉々に切り裂いたのであった。

 

「親父の赫灼熱拳……!」

 

「ヘルスパイダー!生で見れるなんて!」

 

 飛翔する脳無を、ビルを微塵に切り刻むエンデヴァー必殺の奥義を見て、その息子と友人たる緑谷はその凄まじさに唖然とした。これが、20余年をオールマイトの次席に甘んじた男の実力なのか!?差異なんて感じれないくらいの絶技に身体が止まってしまった。

 

「見惚れる暇があるなら身体を動かせ!避難誘導!」

 

「あ!は、はい!」

 

「すいません!」

 

 そんな二人にタカカズは一喝し、避難誘導をしろと声を荒げた。責務を忘れるな、止まるな、その静止が民間人の生死を決めてしまうのだから。

 

 緑谷と轟が、それぞれ散開してホークスが助けた民間人の誘導に入る。現地で活躍しているだろうヒーローも、エンデヴァーの加勢に入り空中の脳無を迎撃する中……その惨劇は起こった。

 

「うぁあぉあ!!」

 

「え?」

 

 緑谷の視界、現地のヒーローらしき男が突如、宙に浮いたのだ。まるで何かに引っ張られて、吊り上げられているように。

 

「は、放せ!やめろ!!やめーー」

 

 惨たらしい音が鳴り響き、赤い雨が辺りに散った。目を見開き、だらりと身体が腰から折り畳まれて鮮血を千切れた皮膚と筋繊維から噴き出して……そこに居た。

 

 どさりと落ちるヒーローの亡骸、ビルの壁に、張り付くそれは蜘蛛の体と人間の上半身がくっつけられた様な、異形の個性では片付けられ無い異常な容姿。

 

「チ……モツ……モット……チィ……ウマ……」

 

 頭部の脳みそに、八つの目玉がギョロギョロと獲物をさだめる様にあちらこちらを向く。その化け物……脳無は、ビルの壁から跳んで、緑谷と轟の前に降り立った。

 

 

 

 

 

「別れたなぁ、いい具合に……」

 

 また別のビルの屋上から、二体の脳無がうまく別れて暴れ始めたのを双眼鏡で確認する男が居た。身体をつぎはぎの皮膚で縫い合わせた黒髪の男、ヴィラン連合の一人『荼毘』である。

 

 空中戦を行う脳無は、今日ナンバーワンヒーローになったエンデヴァーと、そして蜘蛛の身体と繋ぎ合わされた脳無は、轟焦凍と緑谷出久と接敵している。

 

「死んでくれるなよ轟炎司に焦凍?ここで死んだら……楽しめなくなるからさぁ?」

 

 二人の苦しむ様を、まだ見ていたい、だからこんな場所で、そんな化け物にやられてくれるなと、嗾けた本人らしからぬ言葉を吐いて荼毘はその二つの戦いを見守った。

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