※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

288 / 697
第五期 一年対抗戦編
251話 キミは一度、勝っている


 福岡脳無事件から少し……その日は異様に疲れが溜まった緑谷は、シャワーすら浴びずジャージのまま床に伏せた。

 

 その疲れのせいか、はたまた風邪の兆候だったのかは分からない……緑谷は夢を見た。

 

 

 

『あなた!出久が酷い熱を!』

 

『なんで……なんでよりによってうちの子が!』

 

『救急車を呼びましょう、早く!』

 

 慌てふためく両親の姿……緑谷は思い出した。幼稚園児になる前か、酷い熱になって、死にそうになった事を。

 

『お願いします……出久を助けて、出久を連れて行かないで!』

 

『負けるな、頑張れ出久!死ぬんじゃない!』

 

 意識も混濁していた、生きているのか死んでいるのか分からない。色々な機械を繋がれて、点滴をされて……どれだけ意識と無意識を彷徨ったか……。

 

 両親の声が、その声だけが、緑谷出久を死から必死に引き上げてくれた事を今、思い出した。

 

 そんな生死の狭間の世界で……僕は見た。顔の無い、巨大な化け物……こいつは……そう、AFOだ。今分かった、あの時はただの化け物の夢だと思ったが、今はわかる。

 

 巨大な身体で、両手で幼い身体を握りしめて口を開き食べようとした。ダメだ、あまりに力が強すぎて抵抗ができない……必死に助けを求めようと声が出ない。

 

 このまま食われて死ぬのかと意識が沈み込みかけた中……ふと考えた。

 

 

 

 こんな化け物に、やられてたまるかと。

 

 

 

 そうしたら、不思議と気怠さも熱も、痛みも消えていた。両手を思い切りこじ開け、いつの間にか肉体は今の姿になっていた。慄くAFOは巨大な図体が普通の大人…….神野で見たサイズまで縮んでいた。

 

 ヒーロースーツをいつの間にか着ていた緑谷は、即座にAFOの頭部を鷲掴みにした。やめろ、はなせ、そう口が喋っている中……緑谷はAFOから、何かが流れ込んでくるのを感じた。

 

 いや違う……。

 

『僕が、こいつから奪っている』と理解した。

 

 何かを奪い取り、AFOは砂になって消えた。さながらそれは、好きな特撮の怪人みたいな消え方だった。

 

『そうか、キミは兄さんと……昔戦ったんだね、八代目より前に』

 

 背後から声がかけられる、そこに居たのは、OFAの始まり……初代OFAの与一だった。なんの事だろう、僕がAFOと昔戦った?一体なんの事だと、今回は声が出せなくて問いただせなくて、ただ話を聞くしかできなかった。

 

『そしてキミは勝った、だから僕たちの意識もはっきりと象れるようになった……兄さんとの繋がりもあるから……』

 

 勝手に一人喋るな、説明をしてくれ、身振り手振りをするも与一はにっこり笑った。

 

『大丈夫、キミなら兄さんに勝てる、一度勝ったキミなら……僕たちもついてるから……』

 

 そう与一から言われて、緑谷の意識は光に包まれた。

 

 

 

「かはっ!?」

 

 

 

 緑谷出久は飛び起きた、身体中の汗がひどい、喉が渇く。オールマイト目覚ましのデジタル数値は02:13と刻まれていた。

 

「そうだ……酷い熱で、しばらく入院したんだ……その後だった」

 

 夢が記憶を呼び覚ます、あまりに酷い熱で入院した事を。そして……その後だった、個性が現れたのは。

 

 AFOが出てきたのは……オールマイトの言うAFO因子の比喩か?そう考える緑谷は……あまりにも汗がひどかったので、すぐにシャワーを浴びる事にした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。