【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「AFOに喰われかける夢!?」
「ええ、その後鷲掴みにしたらオル◯ェノクみたいに砂になって、初代OFAに話を一方的に……キミは一度勝ってるとか」
「オルフ◯ノク?」
「あー、テレビの特撮の怪人です」
昼食後の休憩、この後始まる午後の訓練を前に緑谷出久は、仮眠室にて夢の出来事をオールマイトに語っていた。昨晩の悪夢と出てきたOFA初代の男与一、その経緯を話した緑谷にオールマイトは驚いて顎に手を当てた。
「で……そういえば、その熱の後に僕は個性が出てきたなって思い出したんです……個性熱ってやつかと最初は思いましたけど……気になって調べたら、これがヒットしまして」
緑谷はスマホの画面をオールマイトに見せる。そこには、ある事件の記事が表示されていた。
「これは……」
「僕らの前後あたりの世代で、世界中の乳幼児が高熱や個性暴走で沢山亡くなったと……原因不明で、個性特異点とか、個性終末論がこの頃からまた囁かれたって」
悪夢が記憶を呼び覚まし、気になって調べて行き着いた先にこの事件が出てきたと緑谷はオールマイトに語る。記事にはこう刻まれていた。
『全世界個性暴走乳幼児死亡事件』
それは十数年前、全世界の0〜6歳にあたる乳幼児が、全世界で個性暴走、あるいは個性因子の過剰な反応によって高熱を出して、世界中で死亡した事件だ。
原因不明の大量死で、致死率は95%を上回り、かかれば死亡という病気によって、個性特異点や個性終末論が改めて囁かれはじめた。
ウイルスによるパンデミックかと思われたが、その痕跡も全く見つからず突如起きた大量死として、個性医学や個性因子の学会では度々研究されている。
「ここから推論ですけど……AFO、この時になにかやったんじゃあないですか?」
「何か、とは?」
「勢力がどれだけかは知らないですけど……世界中で何か撒いたとか」
この事件を、AFOによる人為的な事件なのではと緑谷は推測した。現に、オールマイトによって緑谷の個性因子の中にAFOの因子が混ざっていた事、そして世界中での乳幼児の怪死、さらに夢の内容……幾ら大袈裟な、馬鹿馬鹿しい推論でしかなかろうとあり得なくもなって来た。
「この事については、私も警察に話しておくよ……キミの事も話しておくべきだな」
「協力はいくらでもします」
自身の中のAFO因子に関して何か分かるなら、いくらでも協力すると伝えた緑谷は、そろそろ午後の訓練が始まる為、退出する事にした。
「緑谷少年、私も出るよ、今日の演習は私も見るからね」
「そうなんですか、それまた何故」
「楽しそうだから」
「確かに……僕も楽しみですよ、初めてですからね、こんな事」
今日の午後の訓練となる演習は、緑谷も楽しみだった。恐らく初めての形式だろう、オールマイトも観に来る理由も分かると、共に並んで歩いていると、職員室から相澤先生が出てきた。
「おう、お二人さん、相変わらず仲のよろしい事で」
「相澤くん!?違うんだ!これは彼から強引にーー」
「浮気現場みたいなノリやめてください、寒い」
茶目っ気からそんなジョークをオールマイトが発したが、氷点下の返しでオールマイトは撃沈した。コトバツヨクナイ?と幽鬼のようにふらつくオールマイトを他所に、相澤先生の奥から一人の生徒が現れる。
「心操くん?何故相澤先生と……」
「オウ緑谷、文化祭以来だな」
心操人使……雄英高校普通科、1-Cの生徒である。雄英体育祭ガチバトルトーナメントで、緑谷と対峙したが、0秒58で脊髄ぶっこ抜きで負けた同級生。その代わり、文化祭のお化け屋敷で緑谷をガチ泣きさせて雪辱を果たした男である。
「緑谷、お前はさっさとアップしに行け、今日は忙しいぞ」
「はい!」
少し会話したかったが、今日の午後演習は忙しいからさっさとアップしに行けと急かされ、緑谷はその眼差しの重圧にオールマイトを置き去りにして立ち去った。
そして……午後のヒーロー訓練、演習の会場『運動場γ』まるで、入り組んだ工業地帯の様な演習場となる場所に、A組はヒーロースーツに着替え集まっていた。
「遂にこの時が……キターー!ワクワクするねーー!!」
元気いっぱいに葉隠透が、手足をジタバタ動かして楽しみだと声もボディランゲージで表していた。グローブと靴だけの彼女に、耳郎が尋ねる。
「葉隠寒くないの?」
「めっちゃ寒ーい!!」
「根性だね……」
「私も冬仕様!!どう、カッコいいでしょー!」
12月の真冬である、本日の気温は1桁ではなかったか?彼女の個性『透明化』によって、常時透明な彼女は、その個性を最大限活かす為グローブと靴以外何も身につけてない。即ち、この寒空の下全裸である。
全裸である。
他の面々は冬用コスチュームに変えている中、葉隠は個性の為に全く何も身に付けないという根性で乗り切っているのであった。その様に耳郎は流石に苦笑し、芦戸は冬仕様コスチュームをお披露目して評価を皆に尋ねていた。
「流石に寒くなってきたからね……」
「入学時に比べると、皆のコスチュームもだいぶ様変わりしてきたな!」
飯田がそう言うように、ほぼ全員が冬の寒さに対して対策する形でコスチュームチェンジが行われている。尾白はインナーを着込み、八百万はマントを羽織っていた。
そして発言した飯田本人はあまり変わっておらず、白のアーマーのままだった。
「飯田、それで夏耐え抜いたのすげーよな……」
砂藤が、むしろ飯田はそのアーマーで夏を超えたのが凄まじいと感服した。そんな砂藤も変わりなし、むしろ生地を夏用冬用で変えてるのかとしか思いつかないシンプルなスーツだ。
緑谷も、ヒーロースーツを変えていた。インターン後にまた黒色に色を変えて、脱いでいた帽子を再び被った狩人コスチューム……と見えたが実はマイナーチェンジしていたりする。そんな緑谷は、切島と上鳴を引き連れて来た爆豪と目が合った。
「ああ?何見てんだ、見るんじゃあねぇよクソヴィラン!!」
そして噛みつかれながら、爆豪の冬仕様コスチュームを眺めて、成る程と仕様変更を理解した。
「夏と違い長袖は、やっぱり汗腺から爆破の燃料出すかっちゃんからすれば防寒と発熱は必須、長い襟はベストジーニストリスペクト?」
「分析してんじゃあねぇよクソヴィラン!!」
あ、当たってたか。緑谷の分析にまた噛みついた爆豪の後ろで、切島はまた変わった緑谷の衣装について尋ねた。
「緑谷、インターンの白色やめたんだな?また帽子も被ってるし」
「あはは、やっぱり白は落ち着かなくて……」
あっちも気に入ってはいたが、やはり黒色が馴染むと頷く。その後ろから常闇が肩を叩いて頷いた。
「やはり、お前は黒が似合う、同胞」
「ありがとう常闇くん、けど実はマイナーチェンジしてるんだよね、分かるかなー?」
さて、実は緑谷のヒーロースーツVer.4だが……同じに見えるVer.1と2と実は微妙な違いがあった。分かるかなと常闇に見せる緑谷、何か違いがあるのか凝視する中……障子が聞いてたらしい手を上げた。
「裾がダメージ仕様じゃない、しっかりと整えられている、か?」
「正解!正確に言うと、ベースが海賊戦隊ゴー◯イジャーの、キャプテンマーベラスになっている!でしたー!正解者の障子くんには後でジュースを奢ってあげよう!」
「悪いな、緑谷」
確かに、コートがダメージ仕様ではなくしっかり綺麗に整えられ、アクセサリーや装飾も増えてよりヒーローらしくなっていた。
「おいおい、まぁ随分と弛んだ空気じゃないか……僕らを舐めているのかい?」
そんな和気藹々の空気を断ち切るように、ねちっこい煽るような声が上がる。
「来たな、ワクワクしてんだよ!」
切島はその売り言葉に買い言葉と返す、葉隠や切島がこうもやる気を出すのには理由があった。
いや、恐らくA組全員、今回の授業にはやる気を満ちさせているだろう。
「そうかい、でも残念……波は確実に、僕らに来ているんだよ……!」
それは今回の訓練相手も同じ、いやそれ以上のやる気を沸き立たせているだろう。金髪のタキシードのヒーロースーツの少年が、他にも引き連れて現れる。
「さぁ!A組!!今日こそ白黒つけようかぁあああああ!!」
何故なら今日は、雄英高校ヒーロー科、1-B……同じ学舎の同じ学年である彼らと、初めて合同戦闘訓練が行われるのだから。
即ち……優劣白黒つける対抗戦である。