【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
時間は少し遡るーー
『上鳴ちゃん、ポインター見て』
『え?ポインター?』
『口田ちゃんを助けるときに攻撃したでしょ?そのときに一つ、くっついてたわ』
蛙吹に言われ、上鳴は自らのサポートアイテムであるポインターの位置をグラスで確認し、そこでようやく気付いた。本当だ、外れたと思っていたが当たっていたと。
上鳴電気の個性は『帯電』その肉体に電気を溜め込む事ができ、その溜めた電気を放電する事も可能。ただし、その放電は無差別となり、思い通りの方向に放つ事はできない。
その放電に指向性を持たせる為、仮免許試験の前の個性伸ばし訓練にて、サポート科の発目をナンパしながら作ってもらったサポートアイテムが、ポインター、それを射出するシューター、ポインターの位置を確認するサングラス型のモニターである。(発目さんは終始ナンパに関しては理解しておらず無反応だった)
このポインターは、上鳴の放つ電気を吸い寄せて指向性を持たせるターゲットの役割、その貼り付けた位置を確認する発信機としての役割も持っているのである。その位置を確認するための、サングラス型モニターであった。
『よく見てるよね梅雨ちゃん!すげぇや!』
『逆に気づいていない上鳴ちゃんが凄いわ……』
自分のサポートアイテムでしょうに……そのあたりまで考えが回らなかったのかと、蛙吹は逆に驚くのであった。
そして現在ーーA組&心操組は、上鳴のポインターで位置を特定して反撃に出た。
「宍田ちゃんの、あの特定精度の高さ私たちの位置がすでに割れていると考えた方がいいわ」
「そこを突くってわけだな」
敵の索敵は、宍田が担っていて塩崎は囮。こちらの位置は宍田が何処に居ようが、その個性で強化される嗅覚で割れてしまう以上逃げは不可能。攻め入るしかないと見た蛙吹は、人物特定をさせない為に自らの粘液を上鳴と心操に塗った。これで、直接接敵するまで身構えて対応はB組陣営には難しくなる。
「梅雨ちゃんの香り三人分!直接見られない限り、何処に誰がいるか分かんねぇ!ポインターにはまだ気付いてないっぽい……変な動きなし!」
ポインターのお陰で宍田の位置は分かる、まだ気付いてないのか動きも無く、破壊によって反応は消えてないと、3人はポインターの反応に向かって進む。
「問題は他の二人だな……何処にいるか……」
懸念すべきは、ポインターが無いこちらからはどこに居るか分からない塩崎と鱗の所在。果たして一緒に居るのか散開しているのかと心操が呟く。
「そこ探るより、宍田をやれるときにやった方がいいっしょ!あの鼻とパワーやべぇ……」
見えない敵より見える敵、そして今のB組で一番厄介なのは宍田だと上鳴は一番に彼を無効化すべきだと言う。単独の戦力に索敵、機動力と一人でも盛り返しかねないと、理解した上で言ったのか雰囲気だけでそう思ったのかは分からない。
「つか、梅雨ちゃん大丈夫?ぶっ飛ばされてたけど!」
「なんとか受け身は取れたけど、まともにやり合ったら敵わないわね……」
蛙吹も同じ意見だった、まともにやりあったら勝てない。そして何より捕まえて勝ちとなるルールで、今B組が捕まえるなら、自分と心操の二人だと考える。あと二人捕まえたら勝ちな状況で、上鳴を無視できる優位には彼方にはあるのだ。
3人がポインター頼りに進軍する中……ついに戦況は動いた!3人の少し先で、ツルがぐんぐんと伸びて来たのである。
「わ!?マジかよツル!?塩崎も一緒だったのか……」
「捕まったら終わりだ!退くか!?」
塩崎のツルが、迎え撃ち手当たり次第に、しかし確実にA組&心操に伸びて来たのである!匂いは蛙吹の粘液で同じにしたが、宍田は場所だけはしっかり捉えている。一度退散するかと心操が言った最中……。
「あ……いややっべ、思いついた!」
上鳴電気は、ふと思いついた打開策に不適に笑った。
「一人捕獲ーー引き摺り出します」
塩崎のツタが、一人を捉えてこちらまで引きずる。それを宍田、鱗が待ち構えた。
「……何が来るか分からない、下がろう宍田!万が一、上鳴な場合……」
ツタが、一気に引き抜かれて現れたのは……その万が一の上鳴であった!
「はい正解!ハズレくじぃ!!」
嬉々として現れた上鳴が、さながら全員道連れの為に、わざと塩崎のツタに捕まったとも見れた。
「三人ご一緒ぉ!仲良く痺れてねぇぇ!!」
「……磔刑(クルセフィクション)」
だが、それがどうしたと塩崎は上鳴をツタで上鳴を絡みつかせ球体にして閉じ込めた!さらに……。
「信仰の盾!!(フェイスズシールド)」
さらに自分と上鳴を閉じ込めたツタの間に、分厚いツタの防壁を築き上げた!それにより上鳴の放電から、全員を徹底的に防ぎにかかる!確かに、上鳴電気の警戒はしている、しかし一度破った相手、好きにはさせないと塩崎は万全の二重障壁で上鳴を無力化した。
「……なんつって!」
が、ここまでは上鳴も考えていたとツタの球体の中で、隙間から見えた宍田を見てニヤリと笑った。距離は十分射程圏内!上鳴の指先から、収束された電撃が……ツタの塊を貫通して宍田に向かった!
「くぅうう!!」
しかし!鱗が宍田のポインターの意図に気付いていた!即座に自らの鱗を弾丸として射出し、宍田の足に付けられていた上鳴のポインターを剥がして電撃を逸らした!
「はぁああ!?うっそぉおお!!」
上鳴の自らを囮にした奇襲攻撃は、鱗飛竜の個性『鱗』によって失敗に終わった。
B組は、これで3人の確保が決まった!勝利に王手がかかる!
「次だ!早くツル張りなおせ!!」
「ええ!宍田さん位置を……」
と、奇襲を防ぎ切ったこの瞬間であった……塩崎の手が、だらりと力なく落ちるように下がった。
「おい!今のは俺じゃあねぇよ!心操の変声機だ!!」
鱗の声をツタの塊の中で聞いた上鳴は、その中でうまく行ったとガッツポーズを決めた。