※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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262話 壊蹂熱線

「おらおらおらぁああ!?ちったぁ攻めてこいや轟ぃい!!」

 

 鋼鉄化した肉体で鉄哲が轟を殴りつける!一方的な肉弾戦で押し切られる最中、轟は息を整えて機を窺っていた。それだけでは無い、轟は鉄哲の打撃に対して身体を捻り力を逃すように受け流す、それに鉄哲は気付かない位にはヒートアップしていた。

 

 この技を、いざ試してみたら勝手が違った。そもそもの火を出す体の仕組みの違いと、吹き出すという技術を轟は全く知らなかったから。あの人は、緑谷久はこれを『所詮は宴会芸』と自嘲気味に言ったが轟は違うと、その技術の難しさに驚かされた。

 

 轟はイメージする、肺から器官にかけての熱……それを溜め込み、滞留させて……一気に吐き出す……吐き出す際の口は、圧を掛けて勢いよく思い切り、言われた通りに!

 

「これでぇ!!しまーー」

 

 大振りになった鉄哲の右拳を見て、ここだと轟は地面を踏み締め、肺から一気に空気を吐き出した!

 

「ふぅう!!」

 

「ぬあっちぃいいいいい!!?」

 

 豪ッッツ!!そんな突如起きた熱波に晒された鉄哲は、その熱に驚き後退する。

 

 いや……させられている!凄まじい熱流が、火炎が!みるみるうちに辺りのパイプ群を赤熱させ、更には溶け出すほどの火炎放射には、鉄哲も下がらざるを得なかった。

 

 口から火を放って轟は、たった数秒の照射で前方を火の海に変えて地面や障害物を融解させかけてしてしまったその威力に驚いた。本来ならば凄まじい範囲を焼き尽くす父から受け継いだ火が……範囲を限定して圧縮して照射するとこうまで威力が変わるのかと。

 

『恥ずかしながら……私も昔ヒーローに憧れてね、20歳になって酒を飲まされて発覚したこの火に実は、技の名前をつけているんだ』

 

 そんな大道芸と自嘲していた緑谷久の『芸』は、轟焦凍の才覚を持って『必殺技』として彼に受け継がれた!!

 

 

 

「壊蹂熱線……燎原火……!!」

 

 

 

 口から火を微かに漏らし、口元を拭った轟はそう声を上げて、誇らしげに技名を言い放った。

 

 

 

「「「口から火を吐いたぁああああーー!?」」」

 

「というか、今配管溶けてなかったか!?どんな温度なんだよあれ!!」

 

 その光景をモニターから目撃したA組B組生徒は、まさかまさかの技に驚愕した。そんなイメージこそ沸かない、いや、やれば出来るだろうなと思う生徒も居る中で、まさか実行するとまでは思わなかったのが大半だろう。威力も凄まじい、配管が溶ける熱を轟は放射した事になる。

 

 身体を金属化した鉄哲が熱さを感じる程の温度の炎……その映像を見た緑谷はまさかと思い立つ。

 

「父さん……教えたのかな、轟くんに」

 

 彼の炎を吐き出す様が、父親に重なって緑谷はしばらくモニターに映る轟を見つめて呟き、笑った。

 

「いいなぁ……僕も火を吹く個性だったら、教えてもらえたのかな……ちょっと妬けるよ轟くん」

 

 少々妬みを込めて呟く、それは自分がしたかった事だった。しかし個性が違うから、それは叶わなかったと、親子の交流を他人に取られたがそれはそれで轟くんが、さらに向こうへ行けたなら良しと割り切った。

 

 

 

「なんつー熱だよ……危うく溶けかけたぞ轟ぃ……だが!そう乱発できる代物じゃあねぇだろ!その技ぁ!!」

 

 火の範囲から抜け出した鉄哲は、危うく溶け死ぬかもしれなかったと嬉々とした笑みを浮かべる。そして指摘する、隙を見て放ったその技!高威力故に乱発出来ないだろうと!!この肉弾戦の最中に隙を見て、逆転の一撃に放ったのだろうと。

 

「次を放つまでにどれだけ掛かる?そんな暇すら与えず、お前をぶっ倒ぉおす!!」

 

 その一撃でこちらを倒せなかったのが運の尽きと、鉄哲は再び距離を詰めて突貫する!

 

 しかし、その突撃に対して轟はバックステップと共にまた一つ、火を吐き出した。

 

 ゆらゆらと、まるで人魂の様なそれは……青い炎だった。最早余力を失った最後の抵抗かと、鉄哲はそれに構わず轟に殴りかかる。

 

「これで終いだぁ!!とどろーー」

 

 その青の炎に鉄哲が触れた瞬間だった……信じられない事象が、モニターを通して一年生や教師陣に映された。

 

 一瞬、本当に一瞬の出来事、その頼りない青の炎に触れた鉄哲が……即座に凍りついて静止したのであった。

 

「壊蹂熱線……妖艶氷火……!!」

 

 事象を塗り替える必殺技が、鉄哲の動きを完璧に止めたのであった。




セキアカオリジナル技解説編

・壊蹂熱線『燎原火』
緑谷久の火吹き芸から着想を得た、セキアカ時空の轟くんの技。自身の中に熱を溜めに溜めて、それを口から高圧を掛けて吐き出す火炎放射。イメージ的にはジェットバーンを口から吹き出す感じ。まさかこの『溜めて放つ』が、後ほど赫灼熱拳体得のためにエンデヴァーから教わる事を久から知らずに教えられていたとは……エンデヴァー、何も言えない……。

・壊蹂熱線『妖艶氷火』
こちらも久の宴会芸『人魂』から着想を得た技、滞留した青い炎は、触れた瞬間に相手を凍結させる冷気が閉じ込められており、それを設置するトラップとして使う。イメージは、赫灼熱拳・燐の最中に使う『冷炎白刃』の飛び道具版。
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