【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
『止まった……だが薄い氷で覆えたに過ぎねぇ!!これで決め切る!!』
二つの新たな技で、鉄哲の動きを止めた轟はさらに離れて息を吸い始めた。凍りついた鉄哲の氷像は既にヒビが入り始めている。一時的に凍りつかせても、相性の差はやはり出るらしい。
息を吸う、肺がパンパンになるまで。轟の背中にみるみるうちに、氷の結晶が生え始めてきた……それはまるで恐竜……いや『怪獣』のような背鰭が首筋から背骨のラインに沿って生え始めながら、みるみるうちに溶けていく。
その氷の背鰭に対して、轟の身体は熱を持ち火を肌から吹き出していた。ヒーロースーツの耐火性すら超えて穴が開き始める熱は、離れたモニターから見ている生徒や先生にも感じる程であった。
「いや、鉄哲を殺す気?」
「!?」
その放たれかけた一撃は……骨抜に地面を柔化させられて阻止された。
「あ……っぶなーー!?ナイス骨抜くん!!」
映像から骨抜が轟を止めたのを見て緑谷は胸を撫で下ろした。先程見せた金属を溶解する火炎放射、さらには凍りつく青い炎と来て、まるで怪獣にでもなったかの様な轟の姿と、この待機場にすら来た熱から緑谷は、そう声を上げた。
「おい、クソヴィラン……テメェの親父がいらん事吹き込んだんか?」
「みたい……いやでも、ああまで練り上げたのは轟くんだよ」
轟の映像を見ていた爆豪が、察しのいい事に尋ねてきて緑谷はため息を吐きながら答えた。緑谷は今回は対戦相手のB組だろうが、骨抜のファインプレーに感謝した。
父が教えた『宴会芸』は、轟焦凍の才覚により立派な『必殺技』となった……が、もしも『今の技』を本気でぶっ放していたら……それを想像したくもないと首を横に振った。
「えっと、緑谷少年?あの技って……キミの父親が使ってた技だよね?」
見学に来ていたオールマイトも、轟の披露した技に関して緑谷へ質問を投げかけた。
「まぁはい、ヒーローではない父ですけど、護身程度には個性訓練はしてて……多分I・アイランドで教わったのかと」
「そうか……しかし、最後の技にキミは見覚えがあるみたいだが……」
骨抜の止めた、轟が出し損ねた技、何か知っているのかという問いに、緑谷は頷いた。
「一応、架空の怪獣の技です……けど、仮に……あれを本気で放ったりしたら、その線上の有象無象が焦土と化しますよ」
「何だって!?」
「その怪獣なら、ですけど」
あくまでそれは、架空の『怪獣』の話になる。しかし……エンデヴァーよりも熱い炎を操り、自身を冷却して継戦能力も高い轟ならば……そんな架空の怪獣に近づきかねない威力を出せるだろうなと緑谷は思った。
そしてーー三回戦の結末は『引き分け』で終わった。
最後に残ったのは角取と障子、両組互いに回原と尾白一人ずつを牢屋に入れたが、A組は轟と飯田、B組は鉄哲と骨抜が再起不能。それに対して角取が、牢に単独の状態で再起不能の鉄哲と骨抜を回収し、時間一杯逃げ切っての時間切れによる引き分けに持ち込んだ。
ありかよそんなの、煮え切らないと声上げる者も居たが、自分達で対処できないなら逃げての救援待ちも策として理に適っていると宍田が正論で一喝して収めた。
これで、1勝1敗1引き分け。残る試合は後2戦……。
4回戦目、爆豪率いるA組が対峙するのは……B組もう一人の『推薦入学者』取蔭切奈率いるチーム。大方の予想は、ワンマン俺様気質な爆豪がチームワーク無しに戦って敗北、となりそうなこの対戦カードは、意外な結末を迎えるのであった。
・壊蹂熱線『王之咆哮(ゴジラバースト)』
轟がぶっ放しかけた技、もしも放ってたら鉄哲の足首から上が無くなっていた模様。一直線に放たれる放射熱線は、あらゆる物を焼き尽くす。放つ際に背中に氷で冷却して熱を抑えるが、それすらも溶けてヒーロースーツすら燃やす火が身体から湧き出る。元ネタはバーニングゴジラ。
I・アイランドで火吹きを緑谷久に教えてもらった後に、一緒に日本食レストランで蕎麦食べながら、たまたまやってた再放送のゴジラvsデストロイヤから着想した。
なお、逆に冷気も同じ様な原理で放てる模様。