【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
瓦礫の牢獄から見事に脱獄した緑谷が、袖を捲って見せたガントレットに取り付けられた刃を煌めかせて物間へ自慢気に見せる。
「で……次は何して遊ぼうか?物間くん?」
この3段構えの策を遊びと宣う緑谷に、ギリリと物間は歯ぎしりした。突破されたら引くしか無い、物間はポケットから小大が小さくしたドラム缶を二つ取り出し、足の裏で踏みつけながらコピーした柳のポルターガイストで操り、離脱した。
そんな使い方をするのかと応用力の高さに驚く緑谷だが、逃がすかよと自らも飛び立つ。
『待って出久くん!こっちに他のメンバーが来た!』
麗日の声を聞いた緑谷、しかし無視!!この試合を前に、前もって全員『見える場所で、ハンドサインだけで』と、取り決めをしている!よって今のは心操の声と断定して緑谷は物間を追いかけた!
「薄情すぎないかなぁ、爆豪くんは助けに向かったのにキミは見向きもせずとは!」
逃げながらも煽る物間に、よくもまぁ言えるなと思うが、そこまで真剣に勝ちに来てるのが伝わる。A組への対抗心からだろうが、勝ちはなくなっている。せめて此処で勝つか引き分けて、評価を改めて欲しいのか……そこまでは知らないがと、物間に追い縋る緑谷。
「ああそれともあれかい?僕一人で十分だからってやつかい、傲慢だな本当に!オールマイトを気取ってるのかい?」
緑谷は、物間の煽りに耳を貸すつもりは無かったが……この煽りには待てよと止まった。止まったのを見るや、これかと物間は口撃を続けた。
「恥ずかしい奴だよキミは!!オールマイトを気取る癖に殺すしか能がない個性で此処に来て、挙句抱えて生きていくしかない?馬鹿馬鹿しい事を宣うもんだよ、悲劇の主人公をキミは演じているだけの化け物がヒーローを夢見てるだけにさぁ!!所詮キミはヒーローになれやしない化け物だろうに!!」
あくまで、これはこちらを怒らせる煽りだと、緑谷は理解している……理解しているが……。
「そんな化け物を産んだ親の顔を見てみたいよ!ええ!?」
それでも、言っていい事と悪い事はあるだろう物間寧人!!
「こっちに来い!!物間ぁああああ!!」
怒りの琴線をぶち切る、ライン超えの煽りに緑谷はいよいよ物間に右手をかざしたーー瞬間だった……。
「えーー?」
緑谷の右手の指先全てが弾け飛び、その指から紫の線の入った長細い物体が指の数だけ伸びて……その内2本が、物間の脇腹と頬を擦り斬り付けた!
「な、なに!?」
配管から落下して地面に落ちる物間!それに対して緑谷は、怒りが吹き飛ぶくらいの光景を見て一気に正気へ戻る!その指からあらゆる方向へ伸びた黒の帯がーー辺りの配管や機材を切り刻み解体していく!緑谷の意思に関係無く!!
「物間くん!!逃げて!!早く!!」
「な、何なんだよこれ……何の個性でそうなるんだよ!!」
何故、どうして!突然自身に現れた黒色の物体が、周囲を切り刻み始める様に、煽りの怒りすら忘れて緑谷は物間に叫んだ。
「くっそ……止まれ!止まれよ!!」
左拳で右の手の甲を殴るも言う事を聞かない!その黒の帯が、さらに伸びて周囲を切り刻み、空へまるで木の枝の様に別れて伸び始めた!!
「おいおい……何だよあれ……」
「緑谷のやつ、また個性が変化したのか?」
モニターを見ていたA組の瀬呂に砂藤は、緑谷の個性が変化したのかと呑気に呟いた。脊髄を引っこ抜く個性から、他人や物体を引き寄せる個性に深化したから、またこの場で何かに目覚めたのかと。
だが……この二人からすれば、唖然とする他なかった。
「あの黒いやつは……!」
一人は、緑谷の幼馴染、爆豪勝己。そしてーー。
「あの個性は……!!」
オールマイトである。
二人は、この個性に見覚えがあった。間近で見た事があったのだ……。
それは……オール・フォー・ワンが好んで使っていた『黒く伸びる爪』そのものであったから!
「相澤くん!!ブラド!!すぐに止めに行こう!!」
「なに……」
「このままだと……死人が出る!!」
オールマイトの焦りを孕んだ言葉に、相澤とブラドは戦慄した。
情報開示
5th morphing 『黒爪』
5代目OFAの個性情報が、緑谷出久のAFO因子により捻じ曲げらた結果変異した個性。本来の5代目の個性『黒鞭』は縄の様にしなやかなのに対し、こちらは鋭利な帯となっている。鋭利かつ切れ味鋭い伸びる爪は……まさしくAFOが扱う『黒爪』その物である。
AFOは赤のラインが入っているが、緑谷出久は紫色のラインと若干違いがある。