【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
雪降り仕切る日本……12月の事、夜の峠道を疾走する車があった。ユーロビートを流して走り屋気取る馬鹿ではない、仰々しい装甲車が凄まじいスピードを出して、必死に数台の車から逃げようと必死に走っていた。
装甲車を運転するは、ヴィラン連合の1人スピナー。その姿を確認した、追跡する一台の運転席にヒーロー、ロックロックが横につけ、助手席のヒーローが手をガトリングに変えて突きつけた。
「やはり!ヴィラン連合!!」
「ちぃいい!!」
舌打ちをしたスピナーが。ハンドルを切りロックロックの車体にぶつけて崖側に押しつけ、潰しにかかる。流石にブレーキを踏み下がったのを見るや、ガードレール側にもついてきた一台にもぶつけ崖下へと落とし、車は爆散した。
「好き勝手やりますねぇ、頭に来ますよ……」
「おいゴルァ!!降りろヴィラン連合!!免許持ってんのか!!」
追走するヒーロー達の車の一台、黒塗りのセンチュリーから2人のヒーローが声を上げた。窓から身体を乗り出したのはリーゼントにスーツ姿のヒーロー、手をリボルバー拳銃に変換するや装甲車のタイヤ目掛け発砲するが、タイヤをパンクさせる事はできなかった。
「防弾……ですかねぇ?固スギィ!!」
「もっと近づけんだよ810!オウ、あくしろよ!!」
「あ、おい暴れんなよ、暴れんなよTNOKぁ!」
言われるがままにハンドルを操作する、『睡眠薬ヒーロー』810、そのまま近づいていき、射程に入ったと見るや『マグナムヒーロー』ビックTNOKは、両手を銃の形に合わせれば、手が先程よりも巨大な口径のマグナムへ変化させた。
「そんじゃあこいつを、ぶちこんでやるとするかぁ!!」
「やらせるかよ」
発砲の瞬間、装甲車の窓から身体を乗り出した荼毘が出てきて、810はブレーキを切りながらハンドルを切った。蒼炎が黒塗りのセンチュリーを焼き払う間際、TNOKは車窓から飛び出して、道路で二転三転して受け身を取った。センチュリーも蒼炎の範囲からギリギリブレーキで入らなかったらしいが、横転してしまった。
「ぬわぁああん!死ぬかと思ったもぉおおん……一人脱出するなよTNOKぁ!」
装甲車に振り切られ、車は横転と窓を蹴破り出てきた810が唸るが、それよりもとTNOKは舌打ちして、耳にはめたインカムの通信ボタンを押して、この先に待つ者たちへ連絡した。
「すまんエンデヴァー、追跡班が突破されちまった、おうあとは頼んだ」
『偉そうに……まぁいい、俺に任せろ……』
「完全無視とか、涙が出、出ますよ……一応俺、事務所代表のヒーローなんだからリスペクト頼むよー……」
「オウ考えてやるよ、給料上げてくれるんならな?」
「くそっ、何でヒーローどもが!?」
ヒーローの追跡をなんとか退けたスピナーだったが、何故ヒーローが自分たちの行動を知っているのかとハンドルを殴りながら悪態を吐いた。何故ヒーローが自分たちの動向を読んで追跡をしてきたのかと。
「情報が漏れてるな……」
スピナーの悪態に荼毘が答えた、何処かで情報が漏れたのだと。
「漏れてるって、どこから?」
「さぁな……」
それはいつ、どこでと同乗していたMr.コンプレスが問うも、俺だって分からんと切り捨てた。それでも切り抜けた、後は何も無く逃げられればと思った矢先、スピナーが声をあげる。
「な!?エンデヴァー!!」
車線上遥か先!現在のナンバーワンヒーロー、エンデヴァーが仁王立ちで、背後にサイドキックも待機させた万全の待ち伏せで待っていたのである。
装甲車の天窓を開き、コンプレスと荼毘はその姿を確認した。
「くり上がりのナンバーワンか!!」
「こんな真夜中に……ご苦労なこった」
右手に蒼炎を灯した荼毘、それと同時に遥か先に居たエンデヴァーも拳を構え、ほぼ同時に互いの炎が放たれた。
「ジェットバーン!」
無慈悲なる蒼炎と地獄の紅炎がぶつかり合い、混ざり合う。そして炎の竜巻となって一瞬滞留した後、互いに消え去って軽い衝撃波を発生させた。
舌打ちしたエンデヴァーは、次だと腕を眼前で交差させ、炎を内側に溜め込み準備する。
「おいおいおい!轢いちまうぞ!エンデヴァー!!」
どんどん接近するエンデヴァーの姿に、避けなきゃ轢くぞと叫ぶスピナー。対して荼毘は、その気ならばと笑みを浮かべて先程より勢いのある蒼炎をエンデヴァー目掛け放った。
「プロミネンス!バァアアアアアン!!」
怒号と共に、蒼炎すら飲み込む獄炎が装甲車を飲み込み焼きにかかった。
「くそ、ここまでか!」
「エンデヴァー……」
スピナーと荼毘が、恨めしげに呟いて……その姿は土くれとなって崩壊した。コンプレスもまた、同じように崩壊して、装甲車はコントロールを失いガードレールを突き破り、崖下へ落下していった。
横転して落下した装甲車を前にして、1人の男が屈んで調べていた。翼を生やした若きヒーロー、ホークスである。道路から降りて確かめようとしたエンデヴァーが、その姿を見るや声をかけた。
「来ていたのか、少しは手伝ったらどうだ?ホークス」
「今来たばかりですって、エンデヴァーさん?」
あいも変わらず掴みどころがない、話すのも無駄かとエンデヴァーは、中に居るはずのヴィラン連合の様子を確かめた。
「連合の連中は?」
「全員、トゥワイスの複製でしたよ」
本人ではないか、まぁそうするだろうなとエンデヴァーは、続いてそのヴィラン連合が運んでいたらしい物を確かめるため、横転した装甲車の荷台をこじ開けて中に入った。
エンデヴァーが目にしたのは、人一人が収まるカプセルであった。すでに開かれていて、空になっている。
「なんだ、これは?」
「生命維持装置……ですかね?新型の脳無を輸送していた……とか?」
「何だと!?」
考えれる事は、ヴィラン連合の戦力たる改造人間『脳無』その輸送に使われていたのかと、顎に手を当ててホークスは考えた。
死柄木達は……一体何を運んでいたのか?それを知る事はもうできない、ただ何かを運んでいたのは確かであると、ホークスは付近の調査を再開した。
その最中、装甲車が落下したガードレールの対面にある山林、そこを歩く人物が居た。白い髪の毛に、黒の機械的なスーツに身を包んだ人間、その進む先には2台の車がライトを照らしていて、逆光の中に立つ3人の人物が居た。
「待ちくたびれたぜ、ナイン」
そのうちの一人、巨躯にして狼の顔の男が、歩いて来た人物の名を呼んで出迎えた。
「その甲斐はあった……実験は成功した」
ナインと呼ばれたその男は、眼下にみえる夜の街並みの光を見下ろして、黄色の虹彩を不気味に光らせた。
まさかの映画で初登場した、下北沢の野獣系ヒーロー。
『睡眠薬ヒーロー』810
・下北沢に事務所を持つヒーロー、個性は『睡眠薬』身体から、粉末、液体、気体に関わらず睡眠薬を分泌する事ができる。ヒーロービルボードチャート下半期114位。ヒーローとしては珍しく、表立った活動よりも地道な捜査でヴィランの企みを暴く『探偵』じみた活動をしている。また、元々は警察の『科捜研』で働いていた過去をもつ為、科学捜査や様々な薬品に熟知している。事務所の責任者だが、サイドキック達からの扱いが酷いらしい。
『マグナムヒーロー』ビッグTNOK
・810事務所所属のサイドキック、リーゼントとスーツが目標。個性は『マグナム』普段は普通の手だが、銃の形に指を象るとマグナムに変化する。片手だと357マグナム、両手だとS&W500に変化し、威力もそれに準じた弾丸を放てる。弾丸は自身の角質。
サイドキックの癖して責任者の810を足蹴にしてはいるが、互いにできる事が違うと理解して信頼は築いている。