※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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scene14 個性無しでヒーローを目指した男の技。

まさかのAFOと同じ、幾つも個性を持ったヴィランを前に緑谷は、コートに隠れた背部ホルスターからガジェットを取り出す!

 

「イーヴルヌンチャク!!三節棍モード!!」

 

 緑谷出久こと、イーヴルヒーロー出久には、そのスーツに搭載された機能の他にも幾つかガジェットを所持している。三本の棒から成り立つ武器、イーヴルヌンチャクは、ヌンチャクから棍、さらに三節棍と自らの個性で間合いを調整できるガジェットであった!

 

 今やる事は、島乃姉弟を狙うこのペドヴィランをここから通さない事!徹底的に戦ってここから動けなくしてやると。

 

「いくぞペドヴィラン!」

 

「やかましい……」

 

 挑発とは言え再三言われたら気も悪くなると、爪を発射するナインに対し、イズクは三節棍モードのイーヴルヌンチャクで弾く。

 

 一発一発の威力は弱いと見て、緑谷はそのままナインの爪弾を切り抜けるや、間合いの外から三節棍を振り下ろした。

 

 どこへ振っている?決して当たるはずがないその遠間から振り下ろされた三節棍、しかしーー。

 

「ぬあ!?」

 

 ナインの頭部に衝撃が走り、そのまま打ち据えられた頭が下に向いた。

 

「油断大敵ぃ!!」

 

 何故だ、今何故……当たったんだ?そんな事を考える間に緑谷は隙を逃さぬと間合いを詰める!

 

「くぅう!?」

 

 詰められまいと、そのまま指を向けたナインだったが、次は足首が前に引っ張られて体勢を崩す!

 

「貰った!!」

 

 膝をついたナインに、緑谷がさらに間合いを詰めて跳躍し飛び膝蹴りを放った!しかしナインは即座に左手をかざす!

 

「うわ!?」

 

 放たれたのは凄まじい衝撃波!木々を遥かに超える高さまで打ち上げられた緑谷に、無防備となったナインが爪弾で追撃する!

 

「くっう!?」

 

 緑谷は即座に引き寄せで自ら大木を引き、反動を使い爪弾の範囲から抜けて回避し、地面に着地する。

 

「これで三つ……あといくつある!」

 

 空気の障壁、爪弾、そして衝撃波、あといくつあるんだと声を上げる緑谷に対して、ナインは頭頂部から流れる血を指で触り、今のが何故当たったのかと考える。

 

「引っ張る個性……解除して間合いを伸ばした奇策か?しかも……足を引っ張りバランスを奪うとは……」

 

 先程の三節棍の間合いは、個性の解除による間合いを伸ばした奇襲、さらに今の足を引っ張るなんとも、児戯のような技に、ナインは呆れた。

 

「何と矮小で、小賢しーー」

 

 矮小、そしてなんと小賢しいと嘲笑おうとした瞬間ーー。

 

「いっ!?」

 

 ナインの後頭部に、衝撃が走った。その痛みに、ナインは後頭部を押さえて膝を曲げて蹲って唸った。

 

「ぐぉああああああ!?な、何だ!?一体何が!?」

 

 何かを後頭部にぶつけられた!?そして足元に転がる、円柱状の物を見て理解する!先程、自分の脳天に叩きつけられた……イズクのガジェット!イーヴルヌンチャクのその一本であった。

 

「その矮小で、小賢しい個性にもう二回攻撃当てられちゃってるけど……言い訳聞こうか?ペドヴィランさーん?」 

 

 先程打ち据えたヌンチャクの一本、緑谷はそれがナインの背後に落ちているのを見て、後頭部目掛け引き寄せてぶつけてやったのである。木の一本に身体を預けて、二発貰った言い訳を聞いてやるよと嘲る緑谷。

 

 狙いはただ一つ、島乃姉弟が逃げるための時間稼ぎ、しゃべって馬鹿にして挑発して、怒りの矛先をこちらに向けてやれと、B組合同訓練の物間のトラッシュトークを真似して緑谷は煽りに煽った。

 

「……認識を改めよう、厄介極まりない……ハエのような個性だ」

 

 しかし、ヴィランもまた一筋縄ではいかないらしい。煽った割に怒りを感じない、そのまま立ち上がり息を吐いてクールダウンした様子を見せた。

 

「なら、ハエに構う必要も無し」

 

「!!」

 

 次の言葉を聞いて、その左手を向けた方角に緑谷は体が動いた!こいつ、今衝撃波で活真や真幌のいる方角を諸共吹き飛ばす気だと!

 

「お前!!」

 

 手を選ばないヴィランとはこうまでするかと、その手の前に身を挺して防ごうとした瞬間、緑谷の頭部が鷲掴みにされた。

 

「!!」

 

「あの少年の個性を得るまでの繋ぎだ……貰うぞ」

 

 貰う!?その台詞を聞いた瞬間緑谷は確信した!こいつやはり、AFOの息子か血統の人間だと!実際は違うが同じ、他者から個性を奪い、扱えることができる!それがナインの個性の一つである!

 

「このまま個性をーー」

 

 鷲掴みにして、個性を奪い取ろうとしたナイン。しかしーー!突然ナインは前のめりに体勢が崩れた!

 

「な!?」

 

 唐突だった、いきなり鷲掴みにした緑谷が、跳躍して左足の膝裏でナインの後頭部を挟み込んだ!そしてーー!

 

「がはぁあ!?」

 

 右の膝が!ナインの顎を蹴り貫いた!カチ上げられた顎!緑谷は自身を鷲掴みにしたナインの右腕を手首から捻り上げ!そして、肩車のようにのし掛かり、体重を掛けて後頭部に押し付けられる!

 

「僕の必殺技ぁ!!劇場版第二弾!!」

 

 緑谷が声を上げたと同時に、ナインの顔面は地面に叩きつけられ、腕は捻り上げられ固めらた!

 

 

 

 ーーその技、両の足を虎の顎に準えて挟み打つ!!ーー

 

 

 

「虎王!!」

 

         

              虎

              王

 

          完

          了

 

 

 緑谷の左脛に後頭部を押さえられ、さらに右腕は既に極められ、少し捻れば肩肘手首、全てが破壊される!

 

「個性ありきの戦い方しか知らないからこうなる、教えといてあげるよ……イーヴルヒーローイズクの袖を掴むのは、自殺行為の他ならないってね?」

 

 ギリギリと、ナインの右腕を締め上げながら緑谷は忠告したのであった。

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