【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「やめろ!爆豪!!」
「うわぁああ!!」
那歩島役所前、爆豪及び切島、上鳴は窮地に立たされていた。赤布のミイラ操りのヴィランマミーは、その赤い布を爆豪に巻き付け捕縛、そして操っていた!
一瞬の隙だった、切島が巻き付かれた布を爆破で焼き落とした瞬間を狙われたのだ!
「我が包帯に巻き付かれた物は……拙者の意のままに動く!生物に効果は無いが、身につけている物質!プロテクター衣服は拙者の想いのままよ!」
巻き付かれた爆豪自身では無い、服や装備を操り自らの傀儡とする、マミーの個性『木乃伊化』により爆豪自身では無いが、ヒーロースーツ越しに操られて傀儡にされていたのであった!
赤い包帯に巻かれた爆豪が操られ、上鳴と切島向けて襲いかかる!
「やめろ!爆豪!」
声をかけるも聞こえてない!振り下ろされた腕を二人が避ければ、コンクリートの地面を叩き割り、切島と上鳴は、仲間との同士討ちになり歯噛みした。
「完全に操られてる!どうするよ切島!」
「どうするって……」
仲間への同士討ちなどできない、その隙は遂にマミーの布を二人に巻き付く好機となってしまった!
「しまった!?」
「くっそぉおお!!」
二人を拘束したマミーは、勝ち誇ったように二人へ宣告した。
「選べ、このまま拙者の傀儡となるか……仲間に倒されるか!」
従属か死か!二人に突きつけられた宣告!が……その最中、爆豪に巻きつき操る包帯が、モゾモゾと動き始めた。
「っざっ……けんなぁああ!!」
くぐもった怒声と共に、爆豪を包む包帯が膨張し、そして周囲を爆発が飲み込んだ!
「「うわぁああ!!」」
その爆風により、切島と上鳴を拘束する包帯も引きちぎれて距離を離され、燃えた包帯が降り注ぎ、何事かとマミーは絶句した。
「舐めんじゃねぇ!!このミイラ野郎!!」
一体何をされたと、ふと見れば爆豪の右腕の手榴弾型ガントレットが一つ喪失してマミーは気付く、自身すら巻き込む爆破でこちらの個性の支配から脱したのかと!
ならば再び拘束し、操るまで!マミーの包帯を操り、その先で作り上げたミイラを爆豪にぶつけに行く!そのミイラと包帯を、爆豪は次々と爆破して宙を舞い破壊して、マミー向かって一気に距離を詰めた!
「ぬう!?」
至近距離に迫られたマミーは、背中に携えた忍者刀を抜刀し振り下ろしたが、それも即座に回避して回り込み、視界から消えるや建物の壁を蹴って軌道を変え、左手でマミーの顔面を鷲掴みにして、近場の塀に叩きつけた!
「たっぷりと溜めておいたぜ……爆風マックスだ!!」
爆豪の個性『爆破』は、手のひらの汗腺から分泌されるニトロに似た汗が爆発の燃料となる、その燃料の汗は……ヒーロースーツの手榴弾型ガントレットに溜め込み、一気に放出して高威力の爆破を生み出すことができる!!
「死ねぇぇえええぁああああ!!」
凄まじい爆風が、マミーとその背後を一気に飲み込んで破砕する!マミーに操られミイラ化した車、果ては自販機まで布が解けて落下し、個性は解かれた。
「うわぁ……流石爆豪!」
「建物の被害も最小限かよ!?」
爆破の跡地に倒れ伏すマミーは気を失っている、明らかに殺した爆破の威力であったがどうやらヒーローとして不殺は遵守したようだ。
「皆さん!」
「ヴィランは!?」
「ああ?軽く捻った!!」
避難誘導をしていた八百万と耳郎が戻り、ヴィランは既に倒したと爆豪は吐き捨てた。
「島の人達は?」
「全員西地区に避難させましたわ」
避難は完了した、それを聞いた爆豪は即座に爆破で空へ飛び上がった。
「どこに行くの、爆豪!」
「救助は任せたぁ!残りのヴィランをぶっ潰す!!」
あと何人居るかは知らん、兎に角ヴィランをぶっ倒すと爆豪は空を駆けヴィランを探した。
「くそーーパワーでねじ伏せてきやがる!」
那歩島ビーチにて、轟たちによるキメラとの交戦は続いていた。こちらの個性や攻撃を、その膂力だけでねじ伏せて返してくるキメラの力に尾白、砂藤は倒れ、轟、瀬呂、飯田、常闇の四人かかりでも押し込まれていた。
「飯田!打つ手は!!」
「今は奴を釘付けにする事だけを考えるんだ!島民の避難が完了するまで!」
何か手はないのかと瀬呂に尋ねられた飯田、その答えは兎に角ヴィランを阻んで、蛙吹と合流した麗日、口田による島民の避難誘導を完了させる事を考えろと、盾となり守ることに集中しろと言い放つ。
「うるぁああああ!!」
「深淵闇躯(ブラックアンク)!」
「レシプロバースト!!」
キメラの突貫に、常闇のダークシャドウ、そして飯田の蹴りにより破砕された岩石の破片の二重攻撃が放たれる!
「いぃいい!!」
「「なっ!?」」
しかし、キメラが地面を思い切り踏みつけたその衝撃だけで、二人の攻撃は無惨にも弾かれた!
「歯ごたえねぇなぁ!!ヒーロー!!」
「くぅう!?」
さらに向かってくるキメラに、轟は左手をかざし炎を放つ!
「ごぁぉああああ!!」
咆哮と共に、キメラはなんと口から炎を吐き、轟の炎を上回り押し返す!即座に氷壁を張り、炎を防いだが、その熱は背後の島民や観光客にも伝わるほどに熱い!
「このままでは……」
飯田が呟く、このままでは島民も自分達も無事では済まないと。
「燃え尽きちまえぇええ!!」
さらに勢いを増す火炎放射に、みるみる氷壁が溶けていく。このままではと自身の冷気の限界が来そうになる轟……。
「ぬ!?」
その時だった、炎が止まった。キメラは海岸から放たれた『ある物』を腕で振り払い、破壊した。
破砕されたものは……荷車だった、投げつけたのなら余程の力と分かる。そして、轟や飯田、瀬呂も常闇も、落下してきた物が何なのかと確認する。
「これは……アイスバー、か?」
勿体無い、色とりどりのアイスバーが、砂浜に落ちていた。そしてーー。
「雄英のヒーロー達、ここは私が受けもとう、島民の避難を」
轟達の前に……一人の男がいつの間にか立っていた。
「何だぁ……大人のヒーローが居たのかよ」
キメラは、また現れた大人のヒーローらしき男を前に呟く。雄英の生徒達からすれば、一体誰だ?となってもおかしくない、そもそも……この島唯一の老人ヒーローが引退したから、育成プロジェクトとして自分たちが派遣されたのだから。
もう、引き継ぎが終わった新しい管轄のヒーローか?それとも休暇中で来ていたのか?それすらも分からない謎の男。
だが……、ただ一人、その背中と雰囲気を見て、類似する人間を知る者が居た。
「久……さん?」
轟焦凍、彼だけはその背中を、そして雰囲気を、ある人物に重ねていた。
それは、I・アイランドで出会った……クラスメイトであり友人の緑谷出久の父親……。
緑谷久と同じ姿を、その背中に感じたのであった。