※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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scene20 王になる為

沿岸の灯台、丁度灯台守の宿直室があった為、ナインとスライスはそこに避難した。応急処置とはいえ血が止まったのは……島乃の父親より奪い取った細胞活性が気休めには働いてくれたのが幸いであった。

 

「ナインの様子は……」

 

 入り口から入ってきたキメラを見て、スライスは驚いた。所々燃やされて、体毛に焦げがあったからだ。

 

「止血はしたわ、貴方こそ……何があったの?」

 

「アクシデントだ、しかし……何故そこに包帯が?」

 

 想定外の乱入者にあったとだけ、キメラは伝え、ナインがズボンを脱がされて、股間やら腰に、さながら下着の様にする巻き方の包帯に何故とキメラが尋ねながら葉巻を取り出して口に咥えると、スライスは言いづらいがゆっくり言った。

 

「多分、ヒーローに……その、ちんちんを引きちぎられた」

 

「えーー?」

 

 キメラは、葉巻をぽろりと落として唖然とした。ナインのちんこが?ヒーローに?引きちぎられた?理解するまで固まったキメラは、10秒は固まってやっと再確認の質問を吐いた。

 

「え、あ、待て、待て?ヒーローって、そんな戦い方するのか?」

 

「知らないわよ、突然叫んで……一応クーラーボックスに保管してるけど、酷かったわ」

 

 千切れた息子♂は冷凍保存してクーラーボックスに入れていると、指差した先に確かにクーラーボックスがあった。

 

「俺たちが相手してるの、ヒーローだよな?ヴィラン組織じゃあねぇよな?」

 

 別のヴィラン組織と事を構えているわけではない、ヒーローがそんな倫理感皆無な技を使うのかと驚愕するキメラ。覚悟ガン決まりなヒーローが存在するのか、あのガキのヒーローたちの中にと、落とした葉巻を取って丁寧にゴミを祓い、火をつけようとして……。

 

「外で吸ったほうがいいか?」

 

「いいわ、ここで……」

 

 喫煙マナーを守っているらしい、キメラは外に出るかとスライスに確認したが、ここでいいと言われてから火をつけた。それからスライスが、ハッとしてキメラに尋ねた。

 

「マミーが帰ってきてないって事は……」

 

「ヒーローに負けたか……」

 

「どうする?」

 

 まさか、ここまでボロボロにされるのは想定外だった……スライスに尋ねられたのは、つまり進退だろう。一度逃げて立て直すか、このまま戦うか……。

 

 逃げるべきだろう、キメラもそう感じていた。ただのヒーローが居ない島で、楽に計画は成功すると思っていた、そうしたらこの島には何故か、何人もヒーローが居て、その中には倫理観を捨てた恐ろしいヒーローが居る。

 

 それだけではない、キメラは会ってしまった……AFOに並ぶ、死んだと言われた伝説のヴィラン『怨龍』が、この島に根を張っていたのだ。

 

 マミーも恐らくヒーローに敗北し、捕らえられた……一度立て直すのが賢明だと、キメラはそう口にしようとした瞬間ーー。

 

「計画は……このまま実行する……」

 

「ナイン……!」

 

 起きていたらしいナインが、上半身を起こして二人を見て言った。

 

「俺には責任がある、お前たちに俺の作る世界を見せるという責任が……そのために、ヴィラン連合の強化実験の検体にまでなった……」

 

 ナインの言葉に、スライスとキメラは目を合わせ、再びナインに目を向けた。

 

「小僧の個性さえ奪えば、全て覆る……それに、俺には時間がないのは知っているだろう?」

 

 その通りだ、だから……わざわざこんな辺境の島まで来たのだ、ナインの、自分たちの望む世界の為に。

 

「小僧の個性を奪い、完全となった俺は王になる……その世界ではお前たちを阻む者は居ない、罵る者も……王に後退は無い」

 

 その作り上げる世界で、自分は王となる。そのナインが作る世界を見たくて、キメラも、スライスも、マミーも賛同してついて来た。ここで止まる事も、ましてや逃げる事もできないと、ナインはズボンを履いた。

 

「明日の明朝、侵攻する……二人も休んでおけ」

 

 それでもやはり痛むのか、再びナインは横になり目を閉じた。

 

 そうだ、止まれない、止まるわけにはいかない。理想を叶える為に、我々はこのナインという王に全額を賭けたのだ、ならば勝つ為に、何でもするのが我々だと、キメラとスライスは頷いた。

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