【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「さて、捕獲したヴィラン、名前はマミーと名乗ったけど、彼から拷もーー質問して奴らの名前、個性を聞き出してきたよ」
「待てクソヴィラン、今なんて言った?」
「…………ヴィラン達は3人で名前と個性はーー」
「おいコラ緑谷出久、こっち見て話せ」
決起から数分後の会議室、緑谷はホワイトボードに、残りのヴィランの名前と個性を書き記していった。そのヒーロースーツに返り血が付着していて、お前何したと爆豪に質問された緑谷は……そのまま話を続けようとして、あの爆豪が本名で呼ぶくらいには真面目に尋ねてきたが、そのまま緑谷は話を貫いた。
地下から泣き叫ぶ声が聞こえたような気がしたが、何か先程緑谷が巨大な布の袋を引いて外に出ていたのを見たような気がしたが……A組は何も知らないで行く事にした。用意されたホワイトボードに、ヴィランの詳細が刻まれていく。
リーダー格の『ナイン』
個性は『天候操作』それがこの男の元々の個性。そこへヴィラン連合の検体として自らを捧げ、AFO細胞を自らに取り入れ、『個性を奪う』個性を手に入れた。そしてここに訪れるまでにヒーローを襲撃して個性を奪い『爪弾』『竜召喚』『見破り』『障壁』『衝撃波』を奪い、島乃姉弟の父から『細胞活性A型』を奪ったがそれが自身にあまり作用しない為、活真の『細胞活性B型』を求め、那歩島に来たのが目的だ。8つの個性を奪い、9つの個性を扱える事から、ナインと仲間から呼ばれている。
次いで、異形系の大男『キメラ』
異形系個性の狼頭のヴィラン、それだけではなく様々な異形を体に宿した、まさしく『合成獣(キメラ)』と呼ぶに相応しい異形の男、その容姿ゆえ差別されてヴィランとなった、異形差別の被害者……である。
最後に唯一の女性『スライス』
紅一点だが、その性格は残忍な女。個性は名前同様『スライス』で、髪の毛を刃物のように鋭くして扱う個性。そして……巷を騒がせていた『男子小学生連続強姦事件』の指名手配犯で、異常な小児男児への嗜好を有した性犯罪者であった。
それぞれの個性も露呈して、これで一気に戦いやすくなったと、並べて繋げた机に、那歩島の上空写真が広げられ、ヴィランとの戦闘へ向けた作戦会議が始まった。
「それで作戦はあるのか、緑谷?」
「うん、まず……拠点はここを使う、この離れ小島は昔、第二次大戦の大日本帝国が、沖縄戦で使った城塞の跡がある、ここを拠点にする」
離れ小島の城塞を示し、そこに那歩島本島から赤いマジックで、その小島の城塞に繋がる砂浜の道に矢印を書きながら緑谷は作戦を説明した。
「この後ろが断崖絶壁の城跡に陣を張り、ヴィランの侵攻ルートを一つにする」
砂浜を渡り切った地点にバツ印をつけ、そこから正面と左右に矢印を緑谷は刻んだ。
「渡り切ったこの地点で先制攻撃を仕掛け、ヴィラン達を個々に分断し、それぞれの地形を利用して……」
「奴らを叩きのめす」
緑谷が考えついたのが、ここに分断してそこを叩く各個撃破の作戦だった。離れ小島の城塞跡を使い、待ち伏せしての分断作戦、本島にこれ以上被害を出さず、こちらの領域にて戦う事を提案した。
「島の人たちは、かつて使われていた断崖絶壁の洞窟に避難してもらう、活真くんと真幌ちゃんは僕たちが必ずそばに居て守れる状況にする、いざという時の脱出経路も確保しておく」
「ナイン……個性複数持ちへの対応はどうする?」
全容は分かった、じゃあ肝となるヴィラン側の首魁、ナインの対応はどうすると轟に尋ねられ、緑谷はそれに答えた。
「ナインには、徹底的な波状攻撃を仕掛ける、そもそもナインの目的は活真くんの個性だ、それが無いから個性を使いすぎれば、体に負担がかかるんだ」
「成る程、消耗させるのか……」
「ナインへの波状攻撃だけど……瀬呂くん、麗日さん、そして峰田くんにお願いしたい」
「おいら達が!?攻撃向きじゃねぇぞ!!」
「総大将、何か策があるんか?」
その波状攻撃役に抜擢され、二人はむしろ直接攻撃に向かない個性だが、何か案があるのかと緑谷に尋ねた。それに緑谷は笑って言った。
「瀬呂くん、麗日さん……仮免試験を思い出して、峰田くんは僕がB組の演習で物間くん達にやられた策を思い出して欲しい」
緑谷からの返答に3人は、あ!と一気に理解した。成る程と、確かにできるなと、瀬呂も麗日も峰田も、緑谷が何をしたくて、何を自分たちに求めているのか理解した。
「後になっちゃったけど、先制攻撃班は……青山くんと八百万さんに頼みたい、これを第一の矢にする」
「ぼ、僕!?」
「私ですか……?」
ナインの対応で提案が後になったが、分断作戦の先制攻撃は、青山と八百万に頼みたいと言われ、二人の反応は違った。青山は驚愕、八百万は疲弊からの心配だった。
「緑谷さん……今の私は個性を使いすぎましたから、役に立てるか……」
避難民への物資を創造して脂質の残量は少ない、攻撃に使える武器を出せても良くて一撃を放てるかと役に立てるかは分からないと言う八百万に、緑谷の提案が出された。
「八百万さんには、青山くんについて敵の観測手をお願いしたい、戦わなくていい、攻撃のタイミングを彼に教えて分断の成功率を上げるんだ」
戦うだけがヒーローじゃない、サポートで作戦の成功率を上げる事も必要だと緑谷の提案に、八百万は強がりながらも笑った。
「分かりました……必ず成功させて見せますわ……」
「ジェネラルに頼まれたら、無理なんて言えないね……ウィ!任せてよ緑谷くん!」
青山も、こうまでお膳立てされたら応えねばなるまいとウインクして先制攻撃班を受けた。
「残り二人のヴィランと、避難民の護衛役の割り振りはどうする?」
「キメラ側には轟くんを、スライス側には……常闇くん、頼んでいい?
「ああ任された同胞よ」
残りの二人、対峙する相手はキメラは轟を、スライスには常闇をと当てがった。無論それぞれを一対一で戦わせるわけにはいかない、主軸はあくまでこの二人として戦力分散を緑谷は考え……キメラ側には飯田、蛙吹、切島を、そしてスライス側には芦戸を指名した。
「砂藤くん、口田くんは避難民の防衛を頼みたい、いいかな?」
「うん、分かったよ!」
「おっしゃあ!まかせとけ!」
避難民の防衛には、砂藤と口田を指名した。
「緑谷、うちらは?」
「何をすればいい?」
残るは……耳郎、尾白、障子の3人。この3人には……と、緑谷は答える。
「耳郎さん、尾白くん、障子くんは活真くん達の護衛を頼みたい……」
この3人に活真くん達を緑谷は託した。つまりは殿とでも言えよう。
「分かった、緑谷……お前は?」
その頼みに障子は頷き、緑谷は何をするのかと尋ねた。そして答えた。
「僕は、僕とかっちゃんは、もしも波状攻撃に耐えたナインへの、最後の矢になる」
もしも、ナインが波状攻撃を耐え切り侵攻してきた際に、自分と爆豪がナインと戦うと障子に伝えた。
「戦力配置はこれで決まり……じゃあ、早速動こうか……作戦開始!!」
「「「「了解!!」」」」
まだ夜も明けきらぬ時間、A組一同は作戦開始の合図とともに散開した。