※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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scene26 分断戦

scene26 分断戦

 

 緑谷と爆豪による、ナインとの戦闘が始まった一方。分断された残りの仲間たるヴィラン達には、それぞれ分担した者達が衝突していた。

 

 城塞地下洞窟、砲撃により崩落した先に拡がっていた空間に、スライスは落下するもそれがどうしたと呟いた。

 

「分断したところで……!」

 

 スライスが耳にとらえた、何かの放たれる音が、つらら石を溶かし落下させた!鋭利なつらら石が次々落ちるのをスライスは側転やバク転で回避し、落としに来る相手を見つけ髪の毛を針の様にして射出する!

 

「しまった!?」

 

 ヒーローの仲間か、ここで待機して闇討ちする気だったのかと苛立つスライス。休む間も無く背後の気配にその長髪を硬質化させ、攻撃を防ぎバク宙で距離を離して相対する。

 

「惜しい!」

 

 洞窟の暗闇から、何かを従えて現れたのは、カラスの様な異形の少年。

 

 その少年は黒かった、服もズボンも、ベルトも装備したサイドバックや靴まで黒い、従える個性の獣も黒ずくめ……。

 恐らく、下着すらも黒で統一してるだろう、違うのは肌が黄色人種で嘴が黄色なくらいだろう。

 

「芦戸、あとは任せろ……ここは俺の世界だ……」

 

 常闇踏陰、漆黒ヒーロー『ツクヨミ』は、個性の獣『ダークシャドウ』を纏い、ダークシャドウに装備させた爪も装着して、スライスと対峙する。

 

「こしゃくね……」

 

 対するスライスも、長髪を刃にして左右の指全てに装着した爪を煌めかせ、常闇に呟いた。

 

 

 

「ちっ、体よく分断されたか……」

 

 キメラもまた、違う方角へ分断された。とりあえず着地した森から抜けた先に、いくつもの滝からなる河川へと出て辺りを見回す。ナインと合流しなければと、ここから離れようと歩き出した、その一歩目を踏んだ刹那、キメラは何かに足を引きずられた。

 

「のぁあああ!?」

 

 河川の中に引き摺られたキメラは、一瞬だが何か人間らしき物に引き摺られたのを見たが、即座に視界が真っ白になり、身動きを封じられた。

 

 

「よし!」

「作戦通り!!」

 

 その正体は、キメラ担当チームの轟と蛙吹だった。蛙吹の水中からの奇襲で舌を使い水中に引っ張り、そして蛙吹が脱出したと同時に轟が氷結にて河川を凍結させて閉じ込めたのだ。その力はやはり強大、河川どころか滝すらも凍結させてしまったのである。

 

 待機していた飯田と切島は、これで決まったかと歓喜したが……轟はゆっくり立ち上がって身構えた。

 

「いや……」

 

 その呟きに呼応したかの様に、凍りついた水面が盛り上がり、破砕してキメラが飛び上がって出てきた。まるで効いてない、その程度かとばかりにキメラは言い放つ。

 

「冷てえじゃねぇか、おい?」

「また会ったな……」

 

 身構える轟に続いて、蛙吹、飯田、切島も構える。キメラは懐から葉巻を取り出して咥え、さらにヒーロー達へ言った。

 

「やめとけ……今の俺は本気だぜ……なにせ、お前らに一人やられてるからな?ひでぇことしやがって、脊髄抜いてモツを料理にして晒すなんざテメェら本当にヒーローかよ」

 

 俺は確かにヴィランだが、あの所業はテメェら本当にヒーローかよと指摘されて、漏れなく顔を顰めた……轟以外。その轟から、キメラへ言い返された。

 

「それなんだがな、うちの張本人から伝言預かってるぞ……全部終わったらハメ直して蘇生してやるから、安心して倒されろとな」

 

「ほー……んなわけあるかぁ!!」

 

 あんな惨状から蘇生できる奴がいてたまるか!キメラのごもっともな叫びと共に、コートの袖が破れて羽が飛び出した!

 

「貴様ら全員、同じ様にしてやるから覚悟しやがれ!!」

 

 仲間の惨殺への敵討ちと熱が籠るキメラに、この場のA組全員が思った。こっちがヒーローなのに、善悪逆転したような感じがすると。しかし、先に仕掛けて島をめちゃくちゃにしたのはそちら側、ここで食い止めて捕まえると、戦闘が始まった。

 

 

 爪弾の嵐が二人を襲う、爆風の反動の高速移動で回避する爆豪と、動体視力で最小限に掻い潜る緑谷が、一気に距離を詰める。

 

「っはぁああ!!」

 

 飛び膝蹴りを放つもやはり障壁の壁は厚く、別方向に弾かれたが、即座にナインの足元へ引き寄せを使う緑谷。しかしそうはいかぬと、ナインは反応して踏ん張って片膝をつくに留まらせ、上空からの爆豪によるAPショット連射を防ぎ切る。

 

 あいも変わらず障壁が分厚く、余程昨日手玉に取られたのと、先程一撃くらったのが堪えたらしい防御への意識が強まっていた。引き寄せでの体勢崩しも反応されたあたり学習能力もあるようだ。

 

 だが、それだけ追い詰めていると捉えてもいい。攻撃の手を緩めるなと、緑谷はヒーロースーツの右袖を振り抜き叫んだ!

 

「Get Over Here!!」

 

 袖から飛び出す鎖分銅がナイン目掛け飛来する!今更そんなものと、障壁を翳したナインに緑谷は、左手で伸び切りかけた鎖に触れて弛ませ、そして分銅を別方向に個性で引っ張った!

 

「ガッ!?」

「吹っ飛べやぁああ!!」

 

 軌道を変え、障壁を回り込む様に動いた鎖分銅が、ナインの側頭部の皮膚を抉った!これを好機と見るや爆豪が地面に滑り込み、真下からナインに爆風を浴びせる!

 

「ぬぁああ!!」

「Come here!!」

 

 爆風に浮き上がるナイン!そこへすかさず緑谷が、引き寄せでナインを自身の近くの地面へ思い切り叩きつける!クレーターが出来上がる衝撃!!そして!!

 

「イーヴルぅぅう……ジダンダァアアア!!」

「ごあぁあ!?」

 

 その顔面を、思いっきり踏みつけた!!二発!三発!!四発!!!子どもですら大の大人を悶絶させてしまう無慈悲な技!それが踏みつけである!!

 

「んでもってサッカーボールキーー」

「ふざけるなぁああ!!」

「うごぁあ!?」

 

 それ以上好きにやらせるかと、緑谷がサッカーボールキックを放つ前にナインが背中から龍を召喚して緑谷に叩きつけ突き放した!

 

「クソヴィラーーんぐぁあ!?」

 

 吹き飛ばされて城塞に叩きつけられた緑谷に気を割かれた爆豪をナインは見逃さず、もう1匹を召喚して叩きつけ城塞に吹き飛ばす!

 二人が叩きつけられたそこに、爪弾の追撃を放ちにかかるナイン!が、その腕に何かが巻き付いた!

 

「さぁせるかぁああ!!」

 

 後退していた瀬呂がテープで妨害から自身を引っ張り、飛び蹴りを放つ!しかし、無惨にもその蹴りが当たる事は無く、衝撃波に吹き飛ばされ自動車事故の様に吹き飛んだ!

 

「瀬呂!!」

 

 直撃だった、明らかに。それでも立とうと手を地面についたが、瀬呂はがくりと力を失い倒れ伏す。

 しかし、衝撃波による土煙をカムフラージュに、麗日がナインの背後からさらに襲撃にかかる!触れて浮かしてしまえば!

 

 麗日決死の特攻はナインに触れる間際、新たに召喚された龍により噛まれて引き剥がされ、放り投げられた!

 

「麗日さん!」

 

 宙舞う麗日に、緑谷は自らの元へ引き寄せ、お姫様抱っこで抱え保護する。なんて無茶を、けどヒーローだからこそ、少しでも相手を無効化しようと彼女は体を動かしたんだと理解して、緑谷の顔が泣き顔に歪みかける。

 

「まだ……まだ…………」

 

 譫言の様に呟く彼女を、ゆっくり地面に寝かせて、楽な体勢にさせてから。

 

「野郎……」

「よくも……よくもぉぉおおおお!!」

 

 爆豪、緑谷、両者とも仲間を倒されて怒りを露わにする!それを逆撫でするかのように、終わりかと手を広げて二人に接近するナインだったが……。

 

「ぐぅう!?」

 

 ついに、その瞬間が訪れた。




必殺技解説

・イーヴル・ジダンダ
倒れた相手の顔面を何回も踏み抜く、名前に反して容赦無い必殺技。少なくともヒロアカ世界の頑丈さがあっても、一発目で泣きを見る威力である。

それを四回受けて反撃するナインは、タフであるとしか言えない。

元ネタはPS2ゲーム『GOD HAND』のゴッドリール技『ゴッドシダンダ』
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