【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「ぐぁあ……ぁあぁあああああ!?」
呻きを上げて顔を押さえるナイン、背中から召喚した竜も崩れ去っていく様に、緑谷は呟いた。
「来た……限界時間!!」
「ようやっとかぁ……!!」
この時を待っていた!!二人してビカァアアン!!と眼光鋭く光輝かせ、呻くナインに対して走り出す!!
「かっちゃん!畳み掛けよう!!」
「命令すんなクソヴィラン!!」
「ごめん!!」
「謝る暇なかろうが!!」
喋る暇あったらここで倒すぞ!中々に間合いは離されたが一気に距離を詰める二人!!
「細胞活性さえ……手には入ればぁ!」
しかし、ナインの背中から何やら無機質な棒が飛び出して。露出していたカートリッジ内の液体が、一気にそのかさを減らした。
「温存など……必要無いぃ!!」
紫色の亀裂が、塞がっていく。そしてナインが瞳を赤く光らせたのを見て、緑谷と爆豪は止まり、上空を見上げた。
いつの間にか……雷雲が広がっていた。これはーー自分たちを感電させた雷!!
「うぁあああああああああ!!」
ナインの本来の個性!!気象操作!!咆哮か、はたまた絶叫か判別もつかない声を上げた瞬間ーー緑谷と爆豪目掛け、青い稲妻が落雷した。
凄まじい衝撃波だった、城塞に待機していた障子達も、島乃姉弟と屈んで落雷にそなえた。
雷が止み、立ち上がる……障子に抱えられた二人は見てしまった。
「いずく兄ちゃん……?」
「ばくごー……?」
二人が立っていた場所は、クレーターが出来上がり跡形もなくなっていた。その目の前の現実が、二人に嫌でも理解させる。
「いずくにいちゃあああああん!!」
「ばくごぉおおおおお!!」
緑谷出久と爆豪勝己は死んだ。二人して、落雷に吹き飛ばされて跡形もなく四散したのだと。
ーー同刻、キメラと対峙していた轟達は。
「はぁああ!!」
「無駄だぁ!!」
飯田のレシプロで勢いを上げた蹴りを、受けてから掴んで投げるキメラ。異形故の骨格から来るタフさは、個性を上乗せした一撃すら無駄とあしらった。
「烈怒頑斗裂屠(レッドガントレット)!!」
「痒いなぁ!」
「うぁあ!?」
切島の硬質化からの一撃すら、片手で受け切るや後頭部を掴み、岩壁へ投げつけて叩きつけてしまう!
「ちぃい!!」
左手から轟の炎が放たれる!だがキメラは避けも隠れもしなかった!
「うらぁああ!!」
咆哮と両腕を振るった、たったそれだけの風圧で轟の炎が霧散する!!それでも攻撃の手を緩めないと、投げ飛ばされた飯田が復帰するや蹴りを放ち、それを腕で防御されるもそのまま空中で錐揉み回転するや二発目を叩き込む!
間髪入れない連撃すら、キメラはなんと防御して飯田を弾き飛ばした!そこに轟の氷結の波が叩き込まれ、氷塊にキメラは閉じ込められる!
しかし……その氷塊は即座にひび割れて無傷のキメラが現れるや、葉巻を吐き出して苛立ち混じりに言った。
「テメェら……無駄だと言ってるだろうーーが!?」
いくらやっても無駄だ、そう言った瞬間であった。キメラが体を痙攣させ始め、何事かとその痙攣する手足を確認する様に見た。
「か、体が……」
キメラの身体を、唐突な痺れが襲った。一体何をしたのかと、その種明かしを轟達がようやく効いたかとばかりに説明してやった。
「単調な攻撃を繰り返したのには、意味がある!」
「俺の足……そして切島くんの手には、蛙吹くんが作った毒性の粘液が塗られていた!」
「梅雨ちゃんね?」
いつの間にか消えていた蛙吹が、岩壁との同化を解いて現れて名前で呼んでと言った。蛙吹の個性『カエル』は、大凡カエルができる事は何でもできる。そして、そのカエルの中には……個体により恐ろしい毒を持った種類の物も存在する!アマガエルですら、微弱な毒を皮膚から分泌しているのだ!
「観念しろよ、おっさん!!」
勝負は決した、降参しろと切島の言葉に対して……キメラは叫んだ。
「こざかしい真似しやがって……見せてやるよ……俺が化け物と呼ばれる理由を!!」
その叫びと共に……キメラの肉体がグングンと巨大化してその異形の姿を露わにしていった!!
足は猛禽類の爪でありながら、人間と同じ5本の指、コートが破れ去り現れた太い尻尾は、爬虫類の如く……前腕に翼を生やし、胴体は人間……狼の頭部には無いはずの角を生やし叫びを上げるその姿は……さながら実験の果てに産まれた合成魔獣そのもの!!自らキメラを名乗り、化け物と言い切る姿がそこに現れたのだった!!
「巨大化!?」
「あの姿……天喰先輩かよ!!」
変容した姿に、かつてインターンを共にしたBIG3の一人たる天喰環を連想した切島。そんなキメラの口が光り出したのに轟は気付いた。
「ちぃいい!!」
即座に氷壁を展開して皆を守る轟!そしてーー。
「グルァアアアアアアーーーー!!!」
口が開かれ咆哮と共に放たれた熱線が、轟の氷壁をグングンと溶かしていく!飯田が即座にリカバリーに入り轟を抱えて熱線の射線から外れて、蛙吹も切島の足を舌で巻き付け引っ張り、熱線から退避する!
氷壁はあっという間に破砕され、そのまま自らの力を見せつける様に、周囲の森をキメラは焼き払い始めた。
「何でパワーだ……」
「あれじゃあ、近づけないわ……」
まさかの第二形態、本来の姿を露わにしたキメラに切島と蛙吹がどうしたらと呟く。
「間も無くレシプロも終わる……」
飯田も、レシプロの稼働限界が来たと歯噛みする中……轟は皆に言った。
「皆、お願いがある……数十秒間だけ、奴の気を引いてくれないか?」
「何か、手があるのか?」
数十秒間、キメラの気を引いて欲しいと頼む轟に、切島が何か手があるのかと尋ねて、轟は言った。
「B組との訓練で止められたが……奥の手を使おうと思う」