※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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scene28 壊蹂熱線『王之咆哮・零下』

scene28 壊蹂熱線『王之咆哮・零下』

 

「奥の手って……確か鉄哲くんに放とうとしたとかいう……」

「たしか、壊蹂熱線……って技だったかしら、口から火を吐いたり、触れたら凍る蒼い炎を出したり……」

 

 轟の言う奥の手、それはB組との訓練で鉄哲徹鐵に使った『壊蹂熱線』の事かと飯田が尋ねた。蛙吹もモニターで見て技名も後で聞いたので知っていた。

 

『壊蹂熱線』

 

 それは、轟がI・アイランドで出会った緑谷出久の父『緑谷久』に師事し、教わった必殺技である。久にとっては所詮は『宴会芸』でしかなかったと自嘲していた技は、轟焦凍により立派な必殺技へと昇華していた。

 体内に自身の熱、もしくは冷気を溜め込み凝縮し、それを口より高圧で吐き出して繰り出すという技である。

 

「ああ、緑谷の親父さんに教わって……そこから作り上げた技があるんだ……ただ、今からやるのは、合同訓練と逆の技になる」

「逆、というと?」

 

 訓練で出し損ねた技とは真逆になる、その逆とは一体と蛙吹に尋ねられ、轟は説明した。

 

「あの時……俺は今のヴィランみたいな熱線を出そうとした、今から出すのは冷気だ」

「つまり……冷凍ビームみたいな?」

 

 イメージできるのはそんな感じかと切島の言葉に、轟は頷いた。

 

「発射まで数十秒は欲しい、その間、俺は全く無防備になる……飯田、切島、蛙吹……頼めるか」

 

 その奥の手で持って、必ずキメラを倒すという轟の決意に、飯田も、切島も、蛙吹も応えた。

 

「分かった、梅雨ちゃんくん、二人でキメラの撹乱だ」

「分かったわ、動き回ればいいのね」

「じゃあ俺は……轟の盾だな、安心しろ轟、何が来ても俺が必ず防いでやる」

 

 作戦は決まったこれがラストアタックとなろう、轟を信じて全員は一気に崖から飛び出した。

 

「来やがったか!!」

 

 まずは飯田が、キメラの視界に入るや、最後のレシプロで駆け抜けた。口から放たれた熱弾を掻い潜り、ターゲットを絞らせない。そして、飯田だけではない、蛙吹も飯田だけに絞らせないと、岩壁を、地面を跳ねてキメラを撹乱した。

 

 轟はそのまま、離れた場所に陣取るや集中する。その前には、轟の盾になる為と切島が待機した。

 

 轟は、思い出していた……I・アイランドで自身に火を吹くコツを教える為、わざわざ研究所の区画まで借りてくれた緑谷久の言葉を。

 

『キミと僕は違う、けどどうやらコツは同じみたいだね?溜めて放つ、僕は燃料……キミはその熱や冷気を……大丈夫、キミは才も豊かだ……ヒーローですらない僕なんかすぐ追い抜いて、僕より上手くできる様になるさ』

 

 本当の父からは、虐待じみた指導だった。ヒーローでも無い他所の父親の指導が、優しさが身に染みた……あれから度々練習し、そしてたどり着けた。実の父親の技では無い、その技を、轟は誇りに思っていた。

 

「ふぅうううーーー!!」

 

 貯める、自身のうちの冷気を、母から受け継いだ個性の力を。極限まで!やがて、轟の体から現れた氷の結晶が、ヒーロースーツを突き破る程に!合同訓練では、ヒーロースーツを焼いて火が吹き出したその真逆の現象!そして……轟の背骨のラインに現れた炎熱の背鰭が轟々と燃え始めた!

 

 そのあまりの冷気には、流石にキメラも気づいた。

 

「何してやがる!!」

 

 轟に向かい、即座に放たれた熱線!!その射線には切島が控えていた。

 

「安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)!!」

 

 その必殺技は、決して背後の守るべき存在に傷をつけない為に!!決意の個性が、その熱線を耐えて、決して倒れないと切島は踏ん張った。

 

「止まるな、轟ぃ!!俺が必ず!!」

 

 決して止めるな、俺が必ず防いでやるとその決意を叫ぶ切島。やがてキメラの熱線が止まるや、切島は前のめりに倒れた。

 

「ありがとう切島……準備完了だ!!」

 

 身体を覆い尽くす氷の結晶は、やがて周囲にすら空気中の水分を凍らせて地面から生えてくる!!キメラも流石にまずいと、その射線から離れようとしたがーー。

 

「逃がさない!!」

「ケロぉ!!」

「なにっ!?」

 

 その射出までの数瞬、蛙吹はキメラの腕を舌で拘束し、飯田が尾に掴みかかって隙を作り出した。その二人を振り払う為に振り回して岩壁に叩きつけたその数瞬が、勝負を分けた!

 

「おおおおぁあああああああああああ!!」

 

 

 轟は、溜め込んだ冷気を一気に吸い上げた空気と共に……思い切り吐き出す!!背鰭の炎が消え去り、放たれた冷気の閃光がキメラの体に命中し、叫ぶ間も無くキメラは強大な氷塊に閉じ込められた!それだけではない、背後の滝からさらに超え、森の一部分が凍結してしまう程の冷気!!

 

「壊蹂熱線……王之咆哮・零下(ゴジラバースト・マイナス)……!!」

 

 その技の名前を呟いて、轟はそのまま膝を着き、横に倒れた。

 

「そのまま……凍りついてろ……責務は、果たした……からな……緑谷……爆豪……」

 

 そして残ったのは、巨大なる氷塊。満身創痍……轟達は総力を持って、ようやくヴィランの一人を鎮圧する事に成功したのであった。




・壊蹂熱線『王之咆哮・零下(ゴジラバースト・マイナス)』

セキアカ時空における、轟焦凍の必殺技。合同訓練の時に鉄哲に出しかけた『壊蹂熱線 王之咆哮』の冷気バージョン。凄まじい冷気のビームを口から放ち、相手ないし範囲内の動植物を凍結させる。

イメージは、王之咆哮がバーニングゴジラに対して、こちらはスペースゴジラだったりする。(あくまで轟の体に現れる氷結晶が似ているという意味合い)
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