【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
変身完了と共に、緑谷と爆豪は一気に飛び出すや、立ち上がったナイン向かって飛び蹴りを叩き込む!ナインは即座に障壁を張るも、いよいよ限界が来たのか地面に足の引き摺り跡を作るほど押し込まれた!!
「どうやって……私の稲妻をぉぉ!?」
あの雷をどうやって生き残った!?頬骨砕かれながらアドレナリンで痛みを忘れているのか、ナインは血を吐きながら叫んだ。
「あれはぁ!前に……受けたぁあ!!」
緑谷と爆豪の蹴りは、遂に!ナインの障壁を打ち砕き胸元を蹴り抜いてナインをさらに弾き飛ばす!!
「だからぁ!!使いモンになんねぇアホを!!避雷針にしたぁ!!」
その答えを爆豪がわざわざ説明してやった!戦闘に参加できない程に消耗していた上鳴電気!実は……ナイン対策として先程まで戦っていた場所に隠れてもらっていたのだ!そして雷を落とす予兆を感じた緑谷が、隠れていた場所から引き寄せ、避雷針にして……二人はそそくさその場から退散していたのである!
その上鳴くんは、クレーターの中で供給過多じゃね?と呟きながらパタリと今も倒れていた。
「知らないのか!ヒーローに同じ技は、二度通じないんだ!」
「もうテメェの手の内!全て把握済みだクソガァぁあ!!」
吹き飛んだナインが体勢を立て直し爪弾で迎撃!!それを爆豪がAPショットで撃ち落とし更に追撃でナイン向けて放つ!!
土煙が舞い上がる中、ナインの召喚した二頭の龍が空中の二人に襲いかかる!!
「だぁあああいいいせぇつううだぁあああああん!!」
緑谷が腕部のアームブレードを振り翳し、その二頭の龍を、一頭ずつ真っ二つに叩き切って撃墜!!そこにできた隙を、爆豪は見逃さなかった!!
「死ぃいねえやぁあああああああーーーー!!」
これで終わりだ!爆豪の嬉々とした咆哮と共に、一気に自身を縦回転にて勢いをつけながら、着弾点たる敵に必殺の爆破をお見舞いする!爆豪勝己の必殺技!!
『榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)』
ナインが障壁を張ろうとも、それは砕かれて爆炎と共に衝撃波が広がった。その衝撃に、背後で逃げていた島乃姉弟は軽く吹き飛ばされたが、ギリギリ岩陰に入り込み事なきを得た。
着地した二人は、息を切らしながら爆炎を眺めて、爆豪は鼻血を親指で拭いニヤリと笑い、緑谷は変身が解けて片膝をついた。
決まった、これでもう終わったはずだ、この爆炎でまだ立ち上がれるなどあるわけないと、二人はそう思っていた。
だが、ナインの執念はこの程度で止まる程小さくは無かった!!
爆炎が、紫色の奔流に吹き飛ばされて熱風を作り出し、緑谷と爆豪は顔を覆う様に腕を交差した。緑谷は即座に立ち上がり、爆炎をかき消して出てきた相手に絶句する。
宙を浮き、風を従え、背部から紫色の奔流を吹き出したナインが、緑谷と爆豪を見下ろしていた。
「だ、第三形態……」
「しぶてぇんだよ、クソボケがぁ……」
まだ立つか、まだ戦う気なのか、このヴィランを立たせる執念はなんだと二人して復活したナインを見上げた。
ナインが身体を回転させた、それに追従するかの様に爆豪の爆破によって発生した爆炎を、竜巻に纏わせて……火炎の竜巻を作り上げた!!
「か、火災旋風……ファイヤーストームなんてありかよ!?」
「気象操作で作りやがったかーー!!」
さながら大災害の如き火炎の竜巻……そして雷雲が現れ、次々と落雷が襲いかかる!!背後には、島乃姉弟だけじゃあない、島民まで居る、そんな島をナインは丸ごと消し飛ばす気なのだ。
この災害級の竜巻、今止められるのは自分達しかいない、止められなきゃ死ぬしかないと背水の陣に、緑谷は拳を握りしめて息を整える!
「全力……全開……全滅殺!!」
無謀だろうがやる他なし!命を火種に限界を超えろ!!紫色の禍々しい闘気を纏い、緑谷出久は自分の最も得意とする技に賭ける!!
「あんなもん……最大火力でふっ飛ばす!!」
爆豪の声と共に、緑谷は火災の竜巻に飛び出し、爆豪も全てを賭けての特攻を仕掛けた!!
「バイオレント!!ラァアアアアアアッシュ!!」
「ハウザァアアアアアアアア!インパクトォオオオ!!」
巨大爆風と暴力の雨の二重奏!!二人の全力の攻撃により、ヒーロースーツは焼け、素肌が露出し、ガントレットも砕け散った。それでも止めんと叩き込む爆撃と連撃は……さながら自然に対して人間の無力さを見せつける様に押し返し、二人を火災旋風に巻き込んだ。
やがてーー竜巻は止み、二人はずしゃりと落下した。
落ちた緑谷はそれでも立ち上がり、膝の力が抜けそうになるも、必死に意識を繋いだ。爆豪もゆっくり立ち上がる、なんてザマだと。ただでさえ最悪な、緑谷と共闘。自分を捻じ曲げて戦ってなお、このヴィランに届かないのかと。
「無駄だ、その程度の力では生きられない……私の作る新世界ではーー」
「新世界ーー」
今際の際だ、聞かせてやろうとナインが勝ち誇る様に語り始めた。自身の目的、島乃活真の個性を狙う理由。
「力を持つもの……強きものが弱きものを支配するユートピアだ、ヴィランもヒーローも関係無い……力の前では全てが平等、それは……真の超人社会のあるべき形だ」
ナインが目指す世界、目的、真のユートピア……弱肉強食の力が支配する世界、それを聞いて……。
「ふ、ふふ……」
笑ったのは……緑谷だった、爆豪ですらその笑い声に唖然とした、この状況で、こんな死も間際な場面で何故こいつはとなるが、緑谷は構わず大笑いを始めた。
「あはは、はは!あーははは!!あーはっはっはっはっはっ!!」
「何がおかしい?狂ったか?」
ナインがいよいよ狂ったかと尋ね、緑谷は律儀に答えてやった。
「笑うしかないよそんな夢!ええ?お前、その生き残れないとかいう個性の僕たちに、色々やって一杯一杯じゃないか!!」
死の間際の遺言代わりの負け惜しみではない、まだその目に光を宿して緑谷はナインに言い放つ。
「そんなお前がその世界作って王様になったところで、お前より強いやつが!三日後にはお前を殺して台頭してるよ!!人様から奪った個性を自分の力みたいに振り翳し、挙句小さな子の個性が無ければ!あとしばらくで死ぬ様なお前に!!そんな世界生きられるかよぉ!!身の程を知れよクソヴィラン!!いいや!お前なんてヴィランなんて呼ぶのも烏滸がましい、この……チンピラぁ!!」
それを聞いた爆豪も……笑みが溢れて、そして笑ってしまった。
「だーはっはっはっはっ!確かになぁ!!テメェの言う新世界やユートピアとやら、俺らにこうまでされたチンピラ野郎が生きてられねぇよな!!いいこと言うじゃねぇかクソヴィラン!!」
「あはははは!!笑ってやろうよかっちゃん!チンピラの出来もしない!マスかいて考えた様な夢をさぁ!!」
「おいおい!マスかくナニはテメェが引きちぎったんだろ!?その新世界で遺伝子も残せねぇなんて最初から敗者じゃねえか!!ぎゃーはっはっはっはっ!!」
笑う、夢を嘲笑う、死の間際のせめての遺言、負け惜しみ、それはわかっているが……。
「笑うなぁ、笑うなぁ!!わぁらうなぁああああああああ!!」
ナインは怒り心頭で龍を背中から具現化し、緑谷と爆豪に噛みつかせ、城砦へと叩きつけた。二人して怒りの反撃にぐったりしながらも、笑みを崩さずに緑谷は呟く。
「やー……い……怒って……やんの……」
揶揄われて、本気になってやがるよ、羽虫程度としか思っていないやつにとまだ口を開く緑谷に、ナインは手を掲げ握りしめながら叫んだ。
「そのうるさい口!死を持って閉じてやる!!」
緑谷を、爆豪を噛み潰しにかかる龍。ああ、本気で怒らせたなと緑谷は、腹や背中にかかる圧を感じながら考えた。さて、どうすりゃいいかなと。
あれだけ罵倒して最後に負けるのはカッコ悪いわけで、しかし手の内も体力ももう無い……ここから一発逆転の必殺技なんて無い。
爆豪も、負ける気で戦うつもりは毛頭ない、まだ光が目に宿っていると緑谷は隣で同じ様に龍に噛み潰されかける幼馴染を見て思った。
ふと思う、二人ならと。
僕とかっちゃんなら、どんなやつにだって負けないって。
現に、今ナインはボロボロになっている。
あと一押し、あと一押しがあればと考える中ーー。
「イズク兄ちゃん!!」
「バクゴー!!」
声を聞いた、緑谷と爆豪の瞳が、その声の聞こえた場所に向いた。
「「負けないでぇえええ!!」」
そこに居た、島乃活真と島乃真幌が、この竜巻や雷にて崩落した瓦礫から守ってくれた障子を看病しながら、声を上げた。
負けないでと、頑張れと、それを聞いた瞬間だった、緑谷は思い出した。
『負けないで!ルミリオン!イズク!』
そうだ……その手があったと、緑谷は爆豪向かって手を伸ばした。
「かっ……ちゃあああん!!手を、手を伸ばしてぇええ!!」
「ああ……?」
一体何故、なんで今?右手を伸ばす緑谷に、爆豪は意識を朦朧としながらも、理解できぬと唸る。
「負けたくないだろ!!あんなやつにぃい!!だから、だからぁ……お願いだ!!力を、貸してくれぇええ!!」
必死な形相だった、何もかもかなぐり捨てて、それでも縋りたいと思わんばかりの。爆豪は知っている、緑谷出久は自分にとって唾棄する相手であり、恐怖の象徴であり、超えるべき目標である。
そして……そんな嫌で嫌で仕方ない嫌いな奴だが、一番信頼できる男であると!だから、手があるんだなと、その言葉を信じた爆豪は手を伸ばして……そして、パァンと音が鳴る様なタッチをした。
ーーー
『あん?んだ、ここはぁ……』
爆豪の意識は、不可思議な空間に誘われ、無傷の姿で立っていた。紫色の目に悪い空間だった。その背後から声がかかる。
『かっちゃん……』
振り返った先、同じ様に無傷の姿で立つ緑谷が居た。
『おいクソヴィラン、ここはどこだ、俺たちは死んだのか?』
『死んでない、ここは……僕の深層心理の世界、意識と無意識の狭間で……兎に角まぁ、死にかけてるのは当たり、お互いにね?』
緑谷の心の世界、しかし死にかけているのは事実であると説明された爆豪だったが、いやに落ち着いていた。
『かっちゃん……キミは、ナインと一人で戦おうとしてたけど、僕と協力して戦った……キミの思い、理想、自身の柱……自分の力だけの完全勝利を折ってまで……』
『ああ……』
『だけど……それでもまだ、ナインに届かない……あと一歩が足りない……だからお願いだ、僕と一緒になって戦ってほしい!!』
深々と頭を下げる緑谷に、爆豪は……だんだん腹が立ってきた。
『一緒に戦ってくれだと、ふざけんじゃあねぇよ!ただでさえ今、自分の信念折ってまでテメェと協力して!さらにまだ折れろってのかよ!!』
言われると思った、彼ならそう言うと、曲げに曲げて、折れに折れての妥協が共闘だ。彼は誇り高くて、そして強いから、認めたく無い事もある。
『だが……それで負けるのは、もっと嫌だ……』
そして、負けず嫌いだ。負けるなんて認めたくない、お互いに憧れたヒーローの勝利する姿に、彼は憧れたから敗北なんて許さないと緑谷は知っていた。
『俺の力使っといて!負けましたなんて許さねぇからな!!負けたら……殺す!!』
そう言って爆豪は、光の粒となって消えるや……緑谷の右の手のひらに集まって、一枚の『メダル』に姿を変えた。
その右手に、また違う光が集まる。一人は憧れのヒーローのメダルに、そして……もう一人は、自身の因果、因縁となる男の横顔が刻まれていた。
やがて、腰に巻かれていたベルト……ブラックマイトドライバーもまた、禍々しい光と共に空間に集まり形を変えた。その形、そして色を見て緑谷は自嘲した。
『本当に……人の事言えないや、僕だって借り物の力を振り翳すんだもの……』
紫色の扇形のアイテム、そして自分の姿が印刷されたアクセスカード……ベルトの次はこれで、しかもこの色は『複製品』のアイテムだった。
『それでも……借り物の力であいつを倒せるならば、皆を救えるなら僕は!喜んで使う!!』
緑谷は、扇形のアイテムとカードを掴み取り、そしてカードを挿入した!
『Midoriya Access Granted』
アナウンスが響き渡る、緑谷はそのままメダルをはめ込む窪みに、一枚ずつメダルを嵌めていった!
『オールマイト先生!』
1枚目、憧れであり師であるヒーローのメダル!
『爆殺王さん!』
2枚目!クラスメイトでありライバル!切磋琢磨する親友のメダル!
『オール・フォー・ワン!!』
3枚目!!自分の個性因子を捻じ曲げた悪党にして因縁の敵のメダル!!
メダルを嵌め終え、そしてゆっくり広げていく、一枚一枚、認証をしっかりとさせる様に!
『ALL MIGHT』
『EXPLOSION MURDER KING』
『ALL FOR ONE』
アナウンスが認証完了を報せ、禍々しい紫の光が迸り、緑谷はそのままアイテムを掲げて叫んだ!
『狂瀾怒濤!!僕が来た!!』
そして、親指にあるスイッチを押し込んだ瞬間……緑谷は紫色の光に包まれ、その姿を変容させていく!!その光を纏ったまま、緑谷は右手を掲げて跳躍し、新たなヒーローの名前の誕生するかの様に声が響き渡った
『EVIL MIGHT Eruption Genocide』