※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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scene31 その名は、イーヴルマイト

ナインは……突如起こった爆発に驚愕した。

 

 自分を追い詰めたヒーローを殺して、ゆっくりと目的の個性を持つ子どもから個性を奪おうとした矢先、もう勝ちは自分の目前に来ていた矢先の事である。

 

 二人のヒーローを噛み潰しにかかった龍は砕け、轟々と燃え盛る火の玉が地面に落下して熱波を周囲に広げていく。その火の玉から現れた者にナインは目を見開いた。

 

 筋骨隆々の姿に、両腕が駆動音と蒸気を上げて手榴弾型のガントレットが装着され、額のV字は燃え盛っている。

 

「なんだ……その姿は……!!」

 

 二人が交わり一人になるという不可解な現象、現れた男にナインは叫んだ。その叫びに、男は答えてやった。

 

「「名前?そうだな……イーヴルマイトと名乗っておこうか!チンピラ!!」」

 

 安直な名前だが、それが一番似合っているだろうよ。緑谷出久と爆豪勝己が合体変身したそのヒーローは、二重の声でナインに名乗り、指をさして言い放つ。

 

「「さぁ……恐怖しろ、泣き叫べ!!絶望(俺たち)が来たぞ!!」」

「ほぉざけぇえええええ!!」

 

 変身して、合体して何か変わるのか!!そんなもの捻り潰してくれると、ナインの気象操作が空を黒く染め上げる。その空を見上げたイーヴルマイトは、腰を落として右腕を引いて、力を貯める様に拳を握りしめた。

 

 アームガントレットが唸りを上げ赤熱を帯びて蒸気を吹き出し、そして右腕を振り上げイーヴルマイトは叫ぶ!

 

「「デェトロイトォオオオ!!スマァアアアアアッシュ!!」」

 

 その一撃は、凄まじい光の帯を作り上げ、ナインの作り上げた雷雲……那歩島全域を包み込んだ暗闇の空を一撃で晴天に染め上げた!!かつてのオールマイトが、たった一撃で青空を作り上げた伝説をなぞる様に!!

 

「なんだぁ……なんだ、その力はぁあぁあ!?」

 

 自身の力を、明らかに上回る絶大なる力!それを目の前にしてナインは呆然とした。晴天が、イーヴルマイトを神々しく照らす姿に震えが止まらなくなったナイン。

 

 その姿は一瞬で消えて、ナインの目前にその姿は現れて顔面に手のひらが向けられた!

 

「「AP……スプレッドガン!!」」

「どぁあああ!?」

 

 至近距離から放たれた爆炎の拡散弾が、ナインを一気に宙へ吹き飛ばす!宙舞うナインに、イーヴルマイトの背部バーニアが一気に吹き上がり加速して追従した!

 

「俺のぉ……俺の道をぉおはぁばむなぁあああ!!」

 

 白目を剥き、宙を舞いながらもナインは執念で体勢を立て直し、龍を呼び出し、さらに稲妻まで放ち始めた!!しかし、その龍を前にイーヴルマイトは両手腕を交差させ、思い切り開く所作と共に言い放つ。

 

「「イーヴルクレッセントギロチン!!」」

 

 真空波により発生した斬撃が、龍と稲妻を切り裂き!ナインの肉体に袈裟の切り傷を刻み込んだ!!

 

「がっはぁああ!!」

「「ゲットオーバーヒァアア!!」」

 

 攻撃は終わらない!!右腕のガントレットから射出されたアンカーが、ナインに巻きつきそのまま近くまで引き寄せにかかり!その右腕が、ナインの首を刈り取る様に振り抜かれた瞬間!爆発が起こった!!

 

「「爆殺ぅうう!ラリアットォオオ!!」」

「ごぉおばぁああ!?」

 

 薙ぎ払う様な一撃は、ナインを小島の入り口まで叩きつけ、クレーターと共に衝撃波が広がって、ナインは自身の形の窪みまで作らされた。

 

「はが、が、あが……」

 

 白目を剥き、虫の息のナイン。そのナインの首を鷲掴みにして……イーヴルマイトは窪みから引き剥がして、こう宣告した!

 

「「Finish Him!!」」

 

 正しくそれは死刑宣告!!両手で首を鷲掴みにされたまま持ち上げられ、イーヴルマイトが何やら光だしたのを見て、ナインはようやく理解した。

 

 殺されると、自分が、狩られてしまうと!!

 

「ぐ!が!や、やめ!!」

 

 それからはもう、必死の抵抗だった。奪った個性すら忘れ、蹴りでその頑強な肉体から離れようともがき、首を掴む指を引き剥がしに必死になるナインを他所に、イーヴルマイトの光はどんどん強くなっていく!

 

「「3!」」

 

「わ、分かった、降参する!投降する!」

 

 今際の際になって降参すると抜かし始めた。しかしカウントは止まらない!

 

「「2!!」」

 

「やめろ!!ヒーローが!ヒーローが人を殺すのか!?」

 

 ヒーローにあるまじき所業だと静止を促した、しかしカウントは止まらない!

 

「「1!!!」」

 

「た、助けて!助けーー」

 

「「0!!!!」」

 

 最後は、浅ましい命乞いも虚しく……カウントダウンは0になり、イーヴルマイトが光に包まれながら叫んだ!!

 

「「プルス・ウルトラァアアアアアアアア!!ダイナマイトォオオオオオ!!」」

 

「ひぎゃぁあああああああああああ!!!」

 

 それは、イーヴルマイト自身を中心とした大爆発だった。その凄まじい爆発に身を晒されたナインは、絶叫と共に爆風で焼かれていく。

 

 皮膚が、筋繊維が、内臓が、骨が消し飛ぶ。そして残ったのは……頭部と脊髄だけが何故か残り、爆風に吹き飛びながらナインはどこかへ飛んでいった。

 

 残ったのは、イーヴルマイトを中心としたクレーター……光に包まれたイーヴルマイトは、ゆっくりとその姿を分解していきながら呟いた。

 

「「FATALITY……」」

 

 そして、イーヴルマイトが立っていた場所に、緑谷出久と爆豪勝己が現れ、バタリとうつ伏せに倒れ伏した。




・イーヴルマイト:イラプションジェノサイド

緑谷出久が、イーヴルライザーにより変身したヒーローの姿の一つ。使用メダルはオールマイト、爆豪勝己(爆殺王)、AFO。変身時の声は『驚天動地!僕が来た!』

およそ、爆豪と緑谷の個性、そこにオールマイトのパワーが加わった形態で、そのタイプチェンジはパワータイプに分類される。爆発と斬撃の高火力で、あらゆるヴィランを殲滅する!!

必殺技紹介

・APスプレッドガン
貫通特化のAPショットを、ショットガンの要領で叩き込む、本来なら蜂の巣になる威力だが、ナインはそうならないタフなヴィランだった。

・イーヴルクレッセントギロチン
真空波の斬撃で目標を両断する、元ネタはウルトラマンAのバーチカルギロチン。ナインが真っ二つにならなかったのは、召喚した龍に阻まれ威力が落ちたから。それでもざっくり袈裟に斬られたあたり、直撃したら真っ二つは避けられないようだ。

・爆殺ラリアット
引き寄せた相手に叩き込みながら、爆破も同時に叩き込む恐ろしい技。元ネタイメージは、オカダカズチカのレインメーカー。

・プルス・ウルトラダイナマイト
イラプションジェノサイドの最終奥義。自身のエネルギーを凝縮して一気に爆発する道連れ技……なのだが、本人は変身解除だけで済むというノーリスクハイリターンの出し得な理不尽技である。なお、何故か脊髄付き生首が残る理由は、緑谷出久の個性故かもしれない模様。元ネタはウルトラマンタロウの必殺技、ウルトラダイナマイト。
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