【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
ナインは……突如起こった爆発に驚愕した。
自分を追い詰めたヒーローを殺して、ゆっくりと目的の個性を持つ子どもから個性を奪おうとした矢先、もう勝ちは自分の目前に来ていた矢先の事である。
二人のヒーローを噛み潰しにかかった龍は砕け、轟々と燃え盛る火の玉が地面に落下して熱波を周囲に広げていく。その火の玉から現れた者にナインは目を見開いた。
筋骨隆々の姿に、両腕が駆動音と蒸気を上げて手榴弾型のガントレットが装着され、額のV字は燃え盛っている。
「なんだ……その姿は……!!」
二人が交わり一人になるという不可解な現象、現れた男にナインは叫んだ。その叫びに、男は答えてやった。
「「名前?そうだな……イーヴルマイトと名乗っておこうか!チンピラ!!」」
安直な名前だが、それが一番似合っているだろうよ。緑谷出久と爆豪勝己が合体変身したそのヒーローは、二重の声でナインに名乗り、指をさして言い放つ。
「「さぁ……恐怖しろ、泣き叫べ!!絶望(俺たち)が来たぞ!!」」
「ほぉざけぇえええええ!!」
変身して、合体して何か変わるのか!!そんなもの捻り潰してくれると、ナインの気象操作が空を黒く染め上げる。その空を見上げたイーヴルマイトは、腰を落として右腕を引いて、力を貯める様に拳を握りしめた。
アームガントレットが唸りを上げ赤熱を帯びて蒸気を吹き出し、そして右腕を振り上げイーヴルマイトは叫ぶ!
「「デェトロイトォオオオ!!スマァアアアアアッシュ!!」」
その一撃は、凄まじい光の帯を作り上げ、ナインの作り上げた雷雲……那歩島全域を包み込んだ暗闇の空を一撃で晴天に染め上げた!!かつてのオールマイトが、たった一撃で青空を作り上げた伝説をなぞる様に!!
「なんだぁ……なんだ、その力はぁあぁあ!?」
自身の力を、明らかに上回る絶大なる力!それを目の前にしてナインは呆然とした。晴天が、イーヴルマイトを神々しく照らす姿に震えが止まらなくなったナイン。
その姿は一瞬で消えて、ナインの目前にその姿は現れて顔面に手のひらが向けられた!
「「AP……スプレッドガン!!」」
「どぁあああ!?」
至近距離から放たれた爆炎の拡散弾が、ナインを一気に宙へ吹き飛ばす!宙舞うナインに、イーヴルマイトの背部バーニアが一気に吹き上がり加速して追従した!
「俺のぉ……俺の道をぉおはぁばむなぁあああ!!」
白目を剥き、宙を舞いながらもナインは執念で体勢を立て直し、龍を呼び出し、さらに稲妻まで放ち始めた!!しかし、その龍を前にイーヴルマイトは両手腕を交差させ、思い切り開く所作と共に言い放つ。
「「イーヴルクレッセントギロチン!!」」
真空波により発生した斬撃が、龍と稲妻を切り裂き!ナインの肉体に袈裟の切り傷を刻み込んだ!!
「がっはぁああ!!」
「「ゲットオーバーヒァアア!!」」
攻撃は終わらない!!右腕のガントレットから射出されたアンカーが、ナインに巻きつきそのまま近くまで引き寄せにかかり!その右腕が、ナインの首を刈り取る様に振り抜かれた瞬間!爆発が起こった!!
「「爆殺ぅうう!ラリアットォオオ!!」」
「ごぉおばぁああ!?」
薙ぎ払う様な一撃は、ナインを小島の入り口まで叩きつけ、クレーターと共に衝撃波が広がって、ナインは自身の形の窪みまで作らされた。
「はが、が、あが……」
白目を剥き、虫の息のナイン。そのナインの首を鷲掴みにして……イーヴルマイトは窪みから引き剥がして、こう宣告した!
「「Finish Him!!」」
正しくそれは死刑宣告!!両手で首を鷲掴みにされたまま持ち上げられ、イーヴルマイトが何やら光だしたのを見て、ナインはようやく理解した。
殺されると、自分が、狩られてしまうと!!
「ぐ!が!や、やめ!!」
それからはもう、必死の抵抗だった。奪った個性すら忘れ、蹴りでその頑強な肉体から離れようともがき、首を掴む指を引き剥がしに必死になるナインを他所に、イーヴルマイトの光はどんどん強くなっていく!
「「3!」」
「わ、分かった、降参する!投降する!」
今際の際になって降参すると抜かし始めた。しかしカウントは止まらない!
「「2!!」」
「やめろ!!ヒーローが!ヒーローが人を殺すのか!?」
ヒーローにあるまじき所業だと静止を促した、しかしカウントは止まらない!
「「1!!!」」
「た、助けて!助けーー」
「「0!!!!」」
最後は、浅ましい命乞いも虚しく……カウントダウンは0になり、イーヴルマイトが光に包まれながら叫んだ!!
「「プルス・ウルトラァアアアアアアアア!!ダイナマイトォオオオオオ!!」」
「ひぎゃぁあああああああああああ!!!」
それは、イーヴルマイト自身を中心とした大爆発だった。その凄まじい爆発に身を晒されたナインは、絶叫と共に爆風で焼かれていく。
皮膚が、筋繊維が、内臓が、骨が消し飛ぶ。そして残ったのは……頭部と脊髄だけが何故か残り、爆風に吹き飛びながらナインはどこかへ飛んでいった。
残ったのは、イーヴルマイトを中心としたクレーター……光に包まれたイーヴルマイトは、ゆっくりとその姿を分解していきながら呟いた。
「「FATALITY……」」
そして、イーヴルマイトが立っていた場所に、緑谷出久と爆豪勝己が現れ、バタリとうつ伏せに倒れ伏した。
・イーヴルマイト:イラプションジェノサイド
緑谷出久が、イーヴルライザーにより変身したヒーローの姿の一つ。使用メダルはオールマイト、爆豪勝己(爆殺王)、AFO。変身時の声は『驚天動地!僕が来た!』
およそ、爆豪と緑谷の個性、そこにオールマイトのパワーが加わった形態で、そのタイプチェンジはパワータイプに分類される。爆発と斬撃の高火力で、あらゆるヴィランを殲滅する!!
必殺技紹介
・APスプレッドガン
貫通特化のAPショットを、ショットガンの要領で叩き込む、本来なら蜂の巣になる威力だが、ナインはそうならないタフなヴィランだった。
・イーヴルクレッセントギロチン
真空波の斬撃で目標を両断する、元ネタはウルトラマンAのバーチカルギロチン。ナインが真っ二つにならなかったのは、召喚した龍に阻まれ威力が落ちたから。それでもざっくり袈裟に斬られたあたり、直撃したら真っ二つは避けられないようだ。
・爆殺ラリアット
引き寄せた相手に叩き込みながら、爆破も同時に叩き込む恐ろしい技。元ネタイメージは、オカダカズチカのレインメーカー。
・プルス・ウルトラダイナマイト
イラプションジェノサイドの最終奥義。自身のエネルギーを凝縮して一気に爆発する道連れ技……なのだが、本人は変身解除だけで済むというノーリスクハイリターンの出し得な理不尽技である。なお、何故か脊髄付き生首が残る理由は、緑谷出久の個性故かもしれない模様。元ネタはウルトラマンタロウの必殺技、ウルトラダイナマイト。