【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
父親より送られたクリスマスプレゼント、それはヒーローモービルに新しいヒーロースーツであった。とは言え……緑谷出久は普通自動二輪免許も持っていなければ、ヒーローモービル運用資格も持っていない。
そもそもの話、雄英高校はそう言った免許を持っていいのか?取得の校則はどうなのか?と言う話になって来た。
結論から記す。
『緑谷出久は、雄英高校在学中でも普通自動二輪免許取得可能であり、ヒーローモービル運用資格の試験を受験可能である』
雄英高校は自由な校風が売りであり、バイク免許取得も許されていた。ただし、登下校での利用は不可ではあるが。そして……ヒーローモービル運用資格だが、二輪型に限るが16歳からの取得可能で、運転免許とは別に受験が必要、ヒーロー活動仮免許資格があれば受験可能である。
この校則だが……今の雄英高校ではそもそもヒーローモービル運用資格を取る人間自体数えるほどしか居ない為、知らない生徒が大多数で、先生すら全く知らない者が多く、相澤先生も……。
『あー……確か俺も昔講習受けたっけ?てか、今指導要項に記載あったか?山田?』
プレゼント・マイクこと、山田先生も。
『忘れちまったのかよ!?まぁ、かく言う俺もどうだったか知らないと言うね……ミッドナイト先輩は?』
ミッドナイト先生も。
『三年の自動車免許取得希望者の講習くらいかしら……何せ、ヒーローモービル資格を取る子が少ないから』
と、全く忘れていた程だった。
と言うわけで……緑谷出久、年明けから自動車学校に通いながら、ヒーローモービル運用資格試験への勉強をする事を決意した。
なら、このヒーローモービル『イーヴルマジン』は使わない間どうするべきか?家に送るのか?と言う話になってくる、そもそも何故父の久が、実家ではなく雄英高校の緑谷出久の元にわざわざ送ったその理由は……。
『サポート科の教材としておく事と預かることを許可したのさ!勿論、緑谷くんが免許取得して乗れるようになって、必要な時には出せるようにする条件でね!キミのお父さんとは7月くらいから話が来ていたんだよ!』
『I・アイランドから帰ってすぐに作ってたのか……』
サポート科の指導用教材を兼ねて、学校が預かる事になったからだ。サポート科からすれば、あの世界的発明家デヴィット・シールドが開発に関わったヒーローモービルだ、その技術に触れ、更なる成長を促すいい教材となるだろう。
ヒーロースーツ『シン』に関しては、緑谷がそのまま貰い受け、自室で保管する事にした。
そうしてクリスマスパーティは終えて……大晦日はあっと言う間に来てしまった。
今年の騒動と全寮制から、実家へ帰り家族と過ごすのは難しいだろうとなっていた。それこそ冬休み中すら寮内で待機、校外にはインターンか許可を出さねば外出不可となっていた。
が、大晦日の1日だけ、プロヒーローの護衛の下、全員実家に帰る事を許されたのだった。緑谷出久も、文化祭の準備以来久々に実家に帰還したのであった。
「学校はどう?辛い事……無い?」
「無いよ、毎日が楽しいくらいだよ、母さん」
リビングでコーヒーを頂きながら、除夜の鐘が鳴るのを聞いて新年を迎える。色々あったが、一年を越える事ができたんだなぁとしみじみと感じつつ、当たり障りのない会話を母親とした。
「お母さんこそ、あれからトラブルは無いの?一人で大丈夫?」
寮に入ってから母親は、この広い一軒家で一人だ。女性一人の生活は心配にはなってしまう、出久は母の引子にトラブルは無いかと尋ねた。
「無いわ、光己さんが偶に声をかけてくれてね……まぁ、貴方が雄英入って、新聞に活躍が出てから……実家から電話がかかって来たけど」
ご近所トラブルは光己さん、爆豪の母親も居て無いらしい……しかし、縁を切った実家から電話が来たと聞いて、出久の眼差しは冷たくなった。
「縁切ったのに親戚面しに来たんだ……て事は、まさかおばさんも?」
緑谷出久にとって『親戚』は唾棄すべき存在だった、今でも母方の親族に色々言われた事は忘れてない……その中でも引子の姉、つまりは叔母に関しては、雄英入ってから擦り寄って来たのを思い出して腹が立って来た。
「……真麻叔母さん、捕まったわよ」
しかし、母から告げられた話に緑谷は驚いた。
「は?え?」
「詐欺でね……で、越人くんも高校で傷害事件起こして、今は少年刑務所に入ったって、だから実家の父さんと母さん、私や出久と復縁しようとしてるみたい」
叔母は詐欺で捕まり、その息子である従兄弟は刑務所に、親子共々塀の向こうに行っていた事実に緑谷は少しだけ胸がすく思いだった。
「無視しときなよ、碌なもんじゃない……と言うかそろそろ考えなよ、I・アイランドに移住……」
当面は、親族関係で悩む事はないかもしれないと出久は安堵の息を吐く。そろそろ本当に、自分なんて考えず父と一緒にI・アイランドで新生活してもいいじゃないかと、出久は母に促した。
「バカ言いなさい、面談だのあるでしょう?出久が卒業するまでは、この家に居るわ……」
三者面談や親が出てくる行事があるのに、移住なんてできるかと引子は出久に笑いかけた。
「そう……だよね……ありがとう母さん」
「さ、明日にはインターンでしょ?新年からヒーローは休みが無いわね……寝坊しないようにもう寝なさい」
今ですら、少しは強くなったかなと思った緑谷に突きつけられる、母の強さ。まだ自分は、母親に守られている子どもでしかないと出久は思い知らされた。
こうして促され、久々に自宅のベッドに寝転がり、久々の見知った天井を見ていれば……瞼はいつの間にか閉じて、新年の朝はやって来た。
新年……ヒーローに、そんな物は無い。めでたかろうがなんだろうが、ヴィランは暗躍し、事件は起こる。ヒーロースーツのケースを携えた緑谷、そして爆豪、轟は、バスから降りてその男と対面した。
「ようこそエンデヴァーの下へ!……なんて気分では無いな」
燃えるような赤髪、そして筋骨隆々の鍛え上げられた肉体はコートの上からでも分かる巨躯……凄まじい威圧感を感じる男が、柔和に歓迎の言葉をかけた次の瞬間には、また圧を放って本心を言ってしまった。
「心の声ダダ漏れだぞ、親父……」
緑谷出久は……新たなインターン先として爆豪勝己、轟焦凍と共に『フレイムヒーロー』エンデヴァーの世話になる事となったのだ。
が、歓迎はされなかった。
緑谷の叔母さんと従兄弟の設定(オリジナル)
・黄野越人
仮免編は士傑高校の一年、夜嵐イナサから『受からなくて良かった』と呼ばれた緑谷の従兄弟。その性格は『かっちゃんがマシに見える傲慢不遜の俺様気質』この性格が災いして、期待されていたヒーロー科に推薦で送られたが不合格。滑り止めも全て落ちた。それでも『日本有数のエリート進学校』は受かった非凡な才の持ち主だが、ヒーロー科全落ちを同じ中学の者に馬鹿にされて暴行に及び大怪我を負わせ退学、現在少年刑務所に服役中。個性は正しくヒーローに相応しい、あらゆる身体能力が強化される『超人』
・黄野真麻(振袖真麻)
緑谷引子の姉、つまり緑谷出久の叔母にあたる人物。名前は無かったが64話『手のひら返し』にて、緑谷の家に飯をタカリに来た不衛生な見た目の女。昔から派手好きで引子と正反対な美女……だったが、今は見る影もない。その美貌と個性であらゆる男を籠絡し、貢がせ、その果てに名家の長男と結婚した勝ち組ロードを妹の引子に見せつけていた。が、息子の越人の受験失敗から全てが狂い、離婚の果て財産から何もかも失い、その美貌も失った。その過去が忘れられず、離婚後も名家の姓にしがみついて名乗り続け、個性を使い詐欺を働くも、個性自体も美貌を失えば意味が無く詐欺罪で投獄された。
個性は『誘惑』一度でも自身に好意を抱いた人間を完璧に虜にする。ただし、少しでも嫌悪を抱かれた瞬間、全てが反転して誘惑した相手は一生の嫌悪を抱かれる。
・振袖家(緑谷引子の実家)
静岡県浜松市にある、緑谷引子の実家。遠州綿紬の生地を使った着物や和小物の店を営んでいる、それなりに金持ちな家との事。個性に関しては精神感応系の個性が一家に発現しており、引子の『ちょっとした物を引っ張る』は、家では珍しい直接事象を起こせる個性だった。なお、個性婚の家ではない。
由来は『袖触り合うのも多少の縁』から思いつき、そこから……。
緑谷引子(振袖引子)→袖を引く
黄野真麻(振袖真麻)→麻の振袖
という感じで繋げていった。なお、真麻に関してはスーパーマンの母親、マーサ・ケントからも来ている。