※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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277話 突き付けられた『差』

 エンデヴァー事務所へのインターン、取次を行ってくれたのはその息子であり、クラスメイトの轟焦凍によるものだった。二人してインターン先を決めてない宙ぶらりんだったので、轟が誘ったのだ。

 

 正直な事を考えたら……緑谷出久は門前払いすら考えていた。何しろ緑谷は、雄英体育祭でエンデヴァーに接触し、焦凍とのガチバトルの前で家族問題に怒り、殴りかかった事があるから。

 

 ヒーロービルボードチャートの時のお祝いでも、他のヒーローが居た手前態度に出さなかっただけで、恨んでいようなと弾かれると思ったのだが……。

 

「焦凍の頼みだから渋々許可したが……焦凍だけで来て欲しかった……!」

「許可したなら文句言うなよ……」

 

 これがNo.1の台詞か?息子贔屓したくもなろうが真正面から言われるとは……緑谷は本当に大丈夫なのだろうかと心配になった。

 

「補講の時から思ったが……キチィな……」

「何が?」

「加齢臭……」

 

 爆豪に至っては加齢臭が凄まじいなとNo.1に真っ向から言ってしまう始末だ。そんなにするだろうかと鼻から息を吸う緑谷だが……自分が鈍感なのかなと特に感じなかった。

 

「焦凍!本当にこの子と仲良しなのか!!」

「まぁ、トップの現場見れんならなんでもいいけどよぉ?」

「友人は選べと言った筈だ!」

 

 ああ、視線が痛いなと新年でも歩いてる人々から視線が向けられたのを感じて話を切る為緑谷は一歩前に出た。

 

「インターン、許可していただきありがとうございます、本日からよろしくお願いいたします」

 

 深く頭を下げた緑谷に対し……エンデヴァーは何も言わなかった。そして、背を向けて歩き出した。

 

「無視されてんなぁ、クソヴィラン」

 

 言い合いになるどころか、言葉一つかけられなかった事に爆豪がニヤニヤと笑った、眼中に無いという意味合いが見て取れるぞと。

 

「まぁ……前科が前科、だからね」

「すまねぇ、緑谷……親父には後で言っとくから……」

 

 そりゃ殴りかかった相手に指導する気は無いだろうな、とりあえず形式上預かって、今日には送り返されるかと諦めながら、緑谷は轟と爆豪と共にエンデヴァーの後ろをついて行った。

 

 

『自分の理想を押し付け、子どもを道具としか見てないクソ親父だって言ったんですよ、だからオールマイトに敵わないんだよ万年2位のエンデヴァー……焦凍くんは焦凍くんだ……貴方じゃ無い!』

 

『そのガキの戯言に本気で睨んで凄む……器が知れるよ……来なよエンデヴァー?遊んであげるからさ?』

 

 対してエンデヴァーの内心はというと……体育祭の一面を思い出して、その時と今を比べて冷や汗を流していた。

 

『……徒手空拳なら、体育祭の時点で既にプロにも肉薄できる実力だった、リップサービスなどではなく事実……俺から継いだ炎を引き出して、使ってくれた焦凍が全力でかかって止まらず、オールマイトが入ってやっと止まるくらいに……』

 

 ヴィランにも、ヒーローにも、あれ程の威圧感に殺意を持った輩をエンデヴァーは見た事が無かった。個性の凶暴さからでは無い、学生らしからぬ明らかに積み上げた訓練量が、他の生徒と違うのも見た瞬間に分かった。

 

『あれから佇まいも、動き方も変わっている……一年満たない期間で人はこうも成長するのか?福岡の脳無騒ぎの時から……戦闘力なら……』

 

 20数年も、ヒーローをやっていれば実力を判断できる目は嫌でも積み重なる。雄英体育祭から福岡の脳無事件、そしてインターンで訪ねて来た緑谷出久の成長ぶりはエンデヴァーから見ても凄まじかった。

 

「焦凍は俺じゃ無い……だったな?」

「え?」

 

 歩きながら、過去体育祭でエンデヴァーに言い放った台詞を思い出したような口ぶりに緑谷が反応した瞬間、エンデヴァーはガードパイプを飛び越え走り出した。

 

「申し訳ないが、焦凍以外に構うつもりはない!」

 

 既に体へ炎を灯し、何処かへとエンデヴァーは走り出す!

 

「学びたいなら後ろで見ていろ!!」

 

 勝手に見て学べ、おれは焦凍以外に指導はせんとまさかの投げ出しな台詞に対し、即座に緑谷、爆豪、轟はヒーロースーツから必要な物だけを取り出し追従した!

 

「指示!お願いします!!」

「後ろで見ていろ!!」

 

 轟は路面に氷を張り、爆豪は爆破を移動に利用する爆速ターボにて追従!緑谷も引き寄せで一気に移動する……が!!

 

「あーー」

 

 引き離される、エンデヴァーに……いや、爆豪と轟の背中が、確実に離れていく。そして聞こえた衝撃音。

 

 福岡の脳無騒動の時にも驚かされた、緑谷、轟、常闇よりも……その場に居たプロヒーローのエンデヴァー、ホークス、タカカズの3人は即座に異変に気づいた事に。

 

 これがプロか、危機察知の速さがあまりに速すぎる!予知してたのかと思うくらいに!そしてーー。

 

「くそっ……!!」

 

 個性の差を、また突きつけられる。爆豪に、轟に、緑谷は追いつけない!一時的な加速でなんとか見失わないのがやっと、恒常的にスピードを出せる二人の背を追う形になってしまった!

 

「ついて行かなきゃ見ることすらできな……あ!」

 

 いよいよ視界から、3人が消えた瞬間緑谷はそうだと思いついた、何のためのグラップルシューターかと!新たに父親から贈られたグラップルシューターを取り出し、ビルに構えた!

 

「いけ!」

 

 勢いよく放たれるアンカーが着脱した瞬間ーー。

 

「うーーーわーーー!!」

 

 緑谷は巻き込みの凄まじい力に空中へ投げ出された。この街のビルの高さくらいまで射出に近い勢いで投げ出された緑谷は、何とか景色を捉えて……。

 

「居た!!」

 

 エンデヴァーが何かを追う姿を見つけながらビルの上に受け身で着地!轟も爆豪もしっかり追跡していて、その実力に歯噛みした。

 

「次はちゃんと……」

 

 ビルからまたビルに、アンカーが発射され思い切り射出され、なんとか追いつく!路地裏から出て来た、老人のヴィランにエンデヴァー、待ち伏せが3人!

 

 射出されて待ち伏せの背後に打ち出され、その一人の頭部を掴みかかろうとした瞬間ーー!

 

 その待ち伏せが消えて、壁に打ち付けられた。

 

「あれ!?インターンか!!」

 

 その声と姿に緑谷も誰が来たのかを理解したがーー。

 

「ホーク……スゥーーー!?あぁああああ!!」

「あらま……」

 

 あまりに強い射出の勢いで、緑谷は歩道を思い切り転がり、ゴミ置き場に激突してようやく止まった。

 

「緑谷!?大丈夫か!!」

 

 先回りして追いついて来た緑谷が、勢い余って吹き飛んで、ゴミ箱にストライクをかましたのを見て即座に轟が駆けつけた。

 

「……操作に慣れないと……はぁ、新年早々だけど、色々差を感じたよ」

 

 新年始まって早速、自分の課題を見つけたと呟き、緑谷はゴミ置き場から立ち上がった。

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