【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「俺たちは、星の僕に命令されただけだ!」
「逆らえなかったんだよ」
「離せ!離さんか!!手遅れになるぞ!!」
エンデヴァーとホークスによって捕まったヴィランは、老人のガラス操作の個性を持つ宗教狂いだった。やれ星がだの、世界が破滅だの……未だにこんな輩が居るんだなぁとゴミを払いながら緑谷は先程の失態にため息を吐く。
「ああ……酷い目にあったし、ちゃんと使って確かめるべきだった……」
「後で事務所でシャワー貸してもらえ、緑谷」
デイヴさんが作成した、ヒーロースーツ『シン』の装備であるグラップルシューター、今回はこれだけ『シン』から持って来て試してみたが、確かに着弾から引き上げが個性無しでできるため凄いのは分かる。まだ慣れるように練習が必要だと思わされた緑谷は、老人のヴィランが警察官に連れられパトカーに押し込まれる様を見ていると……。
「其奴こそが元凶じゃ!!奴の放つ光が、闇を!終焉をまねくのじゃぁああーー!!」
まだ入ろうとせず抵抗して、エンデヴァーに対して叫び警察官が苦戦しているらしい。緑谷はそのまま、老人のヴィランと警察官に近づいていく。
「な、なんじゃ、きさーーひっ!?」
「さっさとパトカー入って……それとも、脊髄抜こうか?」
緑谷が、その老人ヴィランの視界に入り、頭部を鷲掴みにした……すると、老人のヴィランはガタガタ震え出して力が抜けたらしく、警察官がバランスを崩した。
「おい!?嘘だろ……緑谷出久!?」
「な、なんでこの街に来てんだよ!!」
「警官!じ、自首するから、すぐ出してくれ!!」
協力者まで、即座にパトカーに乗り始めて早く連れて行ってくれという始末。それを見たホークスは、おほっとその様に驚いた。
「いやはや、流石ヴィランが今最も恐る男……大人しくなったじゃない」
「ホークスさん、その節はどうも」
声をかけられ、福岡以来の再会に緑谷は頭を下げた。ホークスの事務所は九州、しかしなぜこのエンデヴァーの管轄にと気になり、緑谷は尋ねた。
「常闇くんとこちらに来たんですか?」
「いや、常闇くんはうちのサイドキックと地元で仕事して貰ってる、俺自身が立て込んでてねぇ?」
そういう事か、出張で常闇くんもついて来ていて、会えると思ったが残念だなと感じる緑谷を他所に、爆豪が会話に割り込んできた。
「さっきのは……俺の方が早かった……!」
「それはどうかな?」
このヴィラン捕縛、ホークスの羽より俺が先んじて捕まえていたと対抗心を燃やす爆豪、しかしホークスは受け流すように言葉を返す。
「で?何用だ、ホークス?」
何故、ここに居るとエンデヴァーが尋ねて来た。すると、ホークスはポケットから本を取り出してエンデヴァーに見せつけた。
「用って程でも無いんですけど、エンデヴァーさん……この本、読みました?」
赤い装丁の本だった。緑谷は、その本とタイトルを目で追って……知っている本だと気付いて声に出した。
「異能解放戦線って……かつてのヴィラン、デストロの手記ですよね、うわ、懐かしい……」
「おや!よく知ってるね緑谷くん、読んだ事あるのかい?」
異能解放戦線……かつて、日本のヒーロー制度が制定される前に暗躍していたヴィランであり、異能解放という『解放思想』を旗印にして同士を率いて暗躍したヴィラン『デストロ』の手記であり自伝。何故そんな本を緑谷も知っているかというと……。
「ええ、ヒーローになるなら、かつてのヴィランの事も知るべきかと、けどこれ……確か出版差し止めになってませんでした?プレミア付いてたような……」
「最近再販したんだよねぇ、今勢いあって売れてるんだよ」
再販した……今になって?気になるがそれはさておいてとホークスは、エンデヴァーに本を手渡しながら言った。
「昔の手記ですが、今を予見しているんです、限られた者のみに自由を与えれば、その皺寄せは……与えられなかった者に行くとかね?時間無ければ、俺マーカー引いといたんで!そこだけでも!」
そんなヴィランの手記を、エンデヴァーにホークスは手渡して念を押すように言う。
「読んどいてくださいね……2番目のおすすめなんですから……4人とも、インターン頑張ってくださいねー!」
ホークスはそう言って、自身の仕事に戻るのか空へ羽ばたいて行った。
「……しかし、驚いたな……ホークスさん、解放思想だったんだ」
それにしてもと、No.2ヒーローがまさかそんな思想を持っていたなんてと、顎に手を当てて緑谷は少し驚いていた。
「緑谷、解放思想って何だ?」
「個性は自由に使って、自己責任で完結を……って言うね?ヒーロー制度ができる前の思想」
「数ある反ヒーロー派の思想の代表だ、No.2の息子なら知っとけや」
轟からの質問に、緑谷は簡潔に纏めて説明してあげた。爆豪は、それくらいヒーローの息子なら頭に入れとけやと悪態を吐き散らす。エンデヴァーは、渡された本をしばらく確認してから、そろそろ事務所に行くぞと本を閉じて3人を改めて案内するのであった。