【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
ゆっくり下ろしていく、自動車からそれぞれ運転手や同乗者がわらわらと、助かった事実に安堵して出てきた。
「し、死ぬかと思った……」
一人一人出てきて安心したように声を出す中、緑谷はその一人に声をかける。無論、仮免時に注意された笑顔を忘れずに。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ……大丈……」
大丈夫だと言おうとした一人が、緑谷を見て憔悴から一気に目を見開き叫んだ。
「き、君のほうが大丈夫かぁーー!?」
「え?」
「血!目や鼻!耳からも出てるぞ!?」
運転手の指摘に、ああと緑谷は理解して、目元から鼻の下に触れ、そして足元にピタピタと、血の跡が滴ってできていることに気づく。うわぁ、久々にやった。余程この『人形使いの糸』は脳へ負担がかかるらしい。いつ以来かなと、個性使用反動による出血を、懐かしいとすら感じた。
「あ、大丈夫ですよ、個性使った反動ですから、すぐに止まって……」
「そんなわけがない!無理をしたんだろう!?」
「おい!車を横に移動して!誰かティッシュか清潔なハンカチを!」
「え、え?」
助けた人たちが、緑谷のスプラッタを見て一気に連携が始まる。車を路肩に寄せ、緑谷は助けた人達に歩道へ連れて行かれた。
「体を横にして、頭を揺らさないように……」
「救急車呼んだほうがいいかしら……」
「ヴィラン被害だからな、通報もしないと……」
そしてそのまま、緑谷は助けた人たちから回復体位に寝かされた。清潔なハンカチで血を拭われながら、警察やら救急車に連絡された。
「あの、僕は大丈夫ですから……」
大丈夫だと起きあがろうとした緑谷だったが、助けた一人に起き上がる上半身を片手にて遮られ、駄目だと首を横に振られた。
「キミね、助けてくれたのは分かるけど、血を流した以上心配になるんだよ……いくらヒーローでも、キミは学生だろ?」
「個性の反動って恐ろしいからね……万が一もあるんだから」
助けた筈が、今度は自分が助けられてしまっていた。一つまた進めたと思ったら後退してしまったなと、緑谷は警察と救急車が来るまで助けた人たちから看護を受けることとなってしまうのだった。
それから……エンデヴァーに因縁を持ったヴィラン、エンディングは警察に引き渡されて移送され、緑谷は助けた人たちの手前、救急隊員から軽い診察を受ける事にはなった。
一応、個性使用の負荷の出血は多々あって久々だった事も説明しつつ、異常は見られないと判断されて、搬送の必要は無いと診断された。
エンデヴァーは……助けた我が子、夏雄と何やら語ったらしい。物悲しい顔をしていた、何故止まったのか……何故、動けなかったのか緑谷は分からなかったが、止まってしまうほどの何かがあの時エンデヴァーには起こったのかもしれない。
こうして……緑谷達は冬休みの期間で、初めてエンデヴァーより先にヴィラン撃退、そして救助を行う事ができたのだ。
そして……三学期を迎え、緑谷は知る事になる。
何故、唐突にヒーロー活動プロジェクトやインターンを推奨する方針転換が起こったのか?何故、エンデヴァーが僕達に指導し、早急な実力の向上を急いだのか……。
悪の魔の手は……喉元にまで近付いていた。
その一方で、また違う別の思惑が……世界に広がり火を起こそうともしていた。