※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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scene11 迫る死期と愉快な逃避行

「今何と申した?ベロス……』

『1人、殺されました……イズク・ミドリヤに、私は片目を奪われました……!』

 

 ヒューマライズ本部地下、通信を受けたフレクト・ターンは頭から左目に包帯を巻きつけたベロスの映像から、流石に何事かと目を見開いて尋ね、その報告に閉口した。

 

 聞けば同伴した傭兵が殺され、更にベロスは左目を失明させられたのだという。

 

「……私はヴィランの指名手配をしたのだろうか?こやつはハイスクールの見習いヒーローと聞いたが……」

 

 自分が手を回してオセオンで指名手配したのは『日本の学生の仮免ヒーロー』だったはず。ヒーローは……ヴィランを殺さない筈ではと思ったが……まさか自分は『ヴィラン』を指名手配したのかと呟き、首を傾げたくなった。

 

『教祖フレクト、次は必ず仕留めます!!だから戦力をこちらに!!』

「ベロス、そなたの仕事はケースの回収ーー』

『教祖!!』

 

 フレクトは、その通信から滲みだしかねない怒気に気圧されて、目を閉じて頷く。

 

「分かった、こちらのヘリと団員を向かわせよう、必ずやケースを奪還するのだ」

『はっ、人類の救済の為に、必ずやイズク・ミドリヤの首を!!』

「待てベロス?ベロス??」

 

 通信が切れた、目的が切り替わっている、フレクトはため息を吐きながら呟いた。

 

「やはり度し難いな重病人は……計画を終えた後の世界では、さらなる選別も考えるべきか……」

 

 ヒーローもヴィランも、やはり重病者はどうしようも無いと思うのであった。

 

 

 

 緑谷とロディが事件に巻き込まれて、一つ夜が明ける。肌寒い空気に風邪をひきそうだと思いながら緑谷は起き上がり、ふとロディがいない事に気付く。ジュラルミンケースは置かれたまま……どこかに行ったかと目を擦る最中、エンジン音が聞こえて緑谷は一気に目を覚醒させ飛び上がった。

 

 まさかヴィランが嗅ぎつけたかと、洞穴から飛び出した緑谷に、声がかかった。

 

「あ、悪い、起こしちまったか?」

 

 ボロいサビがあちらこちらにある、青のトラックからロディが出てきた。

 

「ロディ……どこから盗んできたの?」

 

 緑谷は呆れながら荷物を持ってロディに尋ね、悪戯な笑みで緑谷に答えを返した。

 

「盗んだんじゃない、代金後払いで買ってきた、借用書はヒーロー協会名義」

 

 それを聞いた緑谷は、成る程と納得して頷いた。

 

「そっか、ならいいよ、物は言いようだけど」

「イーヴルヒーロー様は話が早くて助かるぜ、まぁセスナがあれば、クレイドまでひとっ飛びなんだけどなぁ……」

 

 ボロボロのトラックの扉を叩きながら、ロディは口を吐いて、緑谷はその台詞に驚いた。

 

「へぇ、飛行機の運転なんてできるんだ?航空学校に行ってたの?」

「真に受けんなよ、さ、行こうぜ……このままクレイドまで逃避行だ」

 

 促されるままに助手席に乗る緑谷と、運転席に乗るロディ……エンジンを吹き鳴らし、クレイドまでの旅路が始まった。

 

「ほんと、街から離れたらいい景色だなぁ……バイクに乗ってツーリングしたいよ」

「バイク乗れんのか?免許持ってんだな」

 

 終われてなければツーリングしたくなるなと呟く緑谷。バイクの免許持ってるのかとロディの質問に、緑谷はそうだと答えた。

 

「うん、持ってる……バイクもね、いいバイク……ヒーローモービルなんだよこれが」

「けっ、ボンボンヒーローめ……まぁでも、追われてなけりゃそうしたい景色だよなぁ」

 

 恵まれた奴めと悪態を吐くロディだが、気持ちはわかると綺麗な田舎道を行きながら同意をした。

 

「キミ、この国の人間だろ?」

「あの街しかしらねぇよ、バーモント生まれがニューヨークの摩天楼の景色を知ってるとでも?」

「それもそっか……僕も日本全ての景色を知らないや、地元の観光名所も……」

 

 道は長い、他愛もない話をする時間はいくらでもあるのだ。

 

「イズクの住んでる場所って……」

「日本の静岡、ウナギが美味しいよ」

「おいおい、ウナギってイギリスのゼリーで固めた……」

「それと一緒にしないでよ、蒲焼きを乗せた鰻重は最高なんだから……まぁ僕はカツ丼が好きなんだけど」

「カツドン?」

「カツレツを卵と出汁……まぁ、日本式のスープで合わせながら煮て、それをご飯に載せた食べ物」

 

 飯の話をすれば腹が減るので、ガソリンスタンドで顔を隠しながら食料と燃料を調達する。菓子パンを齧りながら、変わらない道を走り続けた。

 

「で、ズボンズリ下げられて、全国にち◯こ晒してしまったんだよね」

「だぁあーーはっはっはっはっ!!マジかよ!!」

 

 笑い話でもしてくれと言われた緑谷は、全国にち◯こ晒した話があると言うと、ロディは爆笑した、下ネタは万国共通らしい。

 

「二日後の職場体験指名で、そっち系を公表したヒーローからインターンが来た時は戦慄したよ」

「恐怖体験だなそりゃ!」

「それで、僕の敬愛する先輩ヒーロー、ルミリオンって言うんだけど、個性が透過でさ……」

「え、え?ま、まさか?」

「先輩も去年の体育祭で、全国にち◯こ晒してたんだよね」

「あーーはっはっはっはっは!!」

 

 愉快な逃避行は、まだまだ続く様だった。

 

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