※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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scene14 初めて(本気で)人を殺した日

「ええい、邪魔をするなぁああ!!」

 

 もはやケース回収ではなく、緑谷出久を殺すことにしか頭に無いベロスは叫びを上げてパイロットに指示を出し爆豪への機銃掃射を命じた。爆豪はその攻撃に対しても爆破による飛行で対応して範囲から切り抜ける。

 

「た、助けてくれ!何でもする!」

 

 対して同乗していた鉄球使いのヴィランは、轟の氷によって動きを封じられて即座に降参していた。

 

「なら聞きてぇ事に答えてもらう!」

「わ、わかっーー」

 

 物分かりが良いのか、はたまた命あってと考えているのか轟の話に頷いた瞬間ーー鉄球使いのヴィランの頭部に矢が突き刺さり即死した。

 

「裏切り者めぇええ!!」

 

 ベロスが聞いていたらしい、狂信者じみた叫びをあげてベロスは情報源になり得る仲間を粛正するかの様に殺した。轟は軍用ヘリから離れる様に氷を作り滑って移動する!

 

「まずいな……国境にミサイルを撃ち込まれたら国際問題だぞ!」

「わぁっとるわ!!

 

 ただでさえこの国境近くでの戦闘、ミサイルが撃ち込まれでもしたらと轟は珍しく焦る。爆豪はそれを防ぐ様に、今は自分へ攻撃が向いていると見て、国境の方向と逆へと誘導する!

 

「どこだぁ!イズクミドリヤ、どこだぁ!」

 

 ベロスは左目の恨みを晴らすと緑谷を探す中、ケースとロディを抱えて走る緑谷をついに見つけた。

 

「あそこかぁ!!撃て!!撃てぇえ!!」

 

 パイロットに指示し、爆豪のAPショットを無視して玉砕覚悟とミサイルを撃ち込ませたベロス!ターゲットが緑谷を捉え、電子音と共にミサイルが発射された!

 

「クソヴィラン!!」

 

 爆豪もまさか自分を無視した一射に叫んだ。飛来するミサイルを目視した緑谷は、ケースとロディを傍に置いて、息を一つ吐きながらミサイルを真正面に迎えた。

 

 それが、ベロスの見た最後の光景だった。

 

 ミサイルは追尾式、着弾すれば爆破は免れない。しかし、回避すればロックオンから外れそのまま通り過ぎる。緑谷はそのミサイルをスレスレで回避して、通り過ぎたのを確認するや、手をかざす!

 

「Get over here(こっちに来い)!」

 

 ミサイルが引き寄せられ、挙動をおかしくしながらゆっくり円を描いて緑谷の方に戻って来た。そして緑谷はーー。

 

「かっちゃん!!離れて!!」

 

 爆豪に対してそう叫んだ、そして爆豪は……こいつマジかと緑谷が何をするのか理解して、真顔になってヘリから爆破で離れた。

 

「た、退避ぃいいい!!」

 

 戦闘ヘリのパイロットもこの後を理解して、ベロスより先に操縦席から飛び降り、谷底へ降下してパラシュートを開く。そしてーー。

 

「おぉ返しだぁああああああーーー!!」

 

 投げる様な手の所作で、緑谷はミサイルを戦闘ヘリ向けて軌道を変えーーミサイルはヘリに向かって行ったーー。

 

「お、おのれぇえええーーーー!!人類の、人類の救さーー」

 

 最後に向かって来たミサイルを見たベロスは、呪詛の叫びを吐きながら、ミサイルの爆炎に巻き込まれ、ヘリと共に墜落していった。

 

 墜落したヘリが燃える様を、崖から見下ろす緑谷の眼差しはなんともやるせないものだった。あの弓矢のヴィラン、最後まで自分を殺す気だった、そして国境での国際問題や協力者のロディ……助けに来てくれた轟や爆豪への被害を考えた瞬間ーー捕縛は不可能と感じた。

 

 パイロットは逃げ落ちたらしい、パラシュートがゆっくり降下しているのが見えて、弓矢のヴィランも逃げれたろうに……と思ったが、緑谷は首を横に振ってしようとした言い訳をやめた。

 

「おい、クソヴィラン……」

 

 降りて来た爆豪が、背中から声をかけて来て、緑谷は振り向かずに言った。

 

「ああするしかなかった、幾らでも批難は受けるよ」

 

 轟も緑谷の元に走り寄って来て、この事態に何か言う気は無かったものの、爆豪が何も言うなと目線を向けて押し黙った。

 

 この日……緑谷出久は、初めて『本気で』人を殺した。緑谷は2人に振り返って、いつもの顔で言い放つ。

 

「助けに来てくれてありがとう……」

 

 2人して、その影を落とした緑谷の表情には何も言わなかった。

 

「いや、無事で良かった……ケースは?」

「ヒューマライズの情報があんだろ、さっさと出せや」

 

 だから淡々と尋ねた、ケースはどこだと。そしてそのケースは、ロディがはっとして回収し、三人の前に運んできた。

 

「こ、こいつだ!このケース!」

「緑谷、この人が緑谷の追ってたーー」

「うん、一緒に警官殺しの犯人にされた……名前はロディ、中身には何も情報は無かったんだよね」

 

 ロディを手短に紹介し、爆豪の言うヒューマライズ絡みの証拠があるんだろと言う話に、緑谷はそれらしき物は中には無いと、申し訳なさそうに否定して、ロディも頷いた。

 

 その最中、カタリと何かが4人の前で落ちた。

 

「おい、今何か落ちたぞ?」

 

 轟が指摘して、落ちたものを見つめる緑谷。ジュラルミンケースから落ちたのは、棒状の物だった。何かのケースか?それを拾い上げる緑谷に、爆豪はジュラルミンの底部を見てああなるほどと理解した。

 

「中身はカムフラージュで、そいつが本命か……」

 

 どうやら、カートリッジ式の差し込み口があったらしい。これだけ細工してあって、さらにヒューマライズや警察も追っていた余程の物がそこには入っている。緑谷達はそのカートリッジを開封する為、近くの岩場に向かった。

 

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