【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
情報チップから出て来た動画ファイル、その音声はヒューマライズの研究者のメッセージであった。アラン・ケイという研究者は、自分はヒューマライズに拉致されたと言う。
『ヒューマライズは、多くの科学者達の家族を人質に取り、個性因子誘発爆弾の製造を強要した、それを使った最初の無差別テロは、優秀なヒーロー達をヒューマライズの支部に集める為の布石……その上で、個性因子誘発爆弾を使い、そのヒーロー達を根絶やしにしようと考えている』
明かされた、ヒューマライズの、そしてフレクト・ターンの目的に緑谷達は驚愕した。
ヒューマライズの狙いは……世界中のトップヒーローの殲滅。
トリガーボムの仕掛けた場所に世界中の優秀なヒーローを集め起爆、ヒーロー達を失った世界は混乱に陥り、それに乗じてフレクトターンとヒューマライズは個性保有者を殲滅し、無個性者のみの世界を作り……ヒューマライズと自らが頂点の世界を作り上げると言うものだった。
即ち……人類の八割を根絶し、二割の無個性の世界を作るのが、フレクト・ターンの目的だと、アランは独白していた。
『私のこの声がヒーローに届くことを望む、そして……私と同じく拉致されたエディ・ソウルが、命に変えて作ってくれた爆弾の解除キーで、どうか……世界を救ってほしい』
紫色の板を眺めて、緑谷は一度ロディを見た。逆光で眼差しは見えない、しかし……頭の上に鎮座したピノが、彼の魂が……一筋の涙を流したのを見た。
「きゃあああーーー!」
悲鳴が上がった、ホテルに泊まっていた人々や受付まで避難し始めていた。何があったのかは近場のテレビのニュースですぐ分かった。
『人類救済を標榜する団体、ヒューマライズが世界各地に爆弾を設置、2時間後……リアルタイムで1時間52分後、爆発すると言う犯行予告を出しました、ヒューマライズが公表しました爆弾設置区域はパニックが発生しており……』
ニュースで、既にその時は来ていたらしい。世界中でトリガーボムのタイマーが作動し、約2時間後に爆発する……ニュースにもそのマップが公表されていた。
そして今、世界中で待機していたヒーローチームが避難誘導と解除に動いているのだろう……オセオンに居るエンデヴァー達もと、緑谷達はニュースを険しい顔で見る中、オセオンの被害予想地域を見たロディが焦りながら声を上げた。
「嘘だろ……オセオンの被害地域、俺ん家も入ってる!?」
「どこまでも……下衆な……フレクト・ターン!!」
既に緑谷の身体から、紫色の闘気が滲み出すほど、怒りは限界点間際まで達していた。だがそれどころではない、今フレクト・ターンの目的を知っているのはこの場の4人だけ!世界中のヒーローが、何よりその任務に追従したインターン生の命が危ないのだ!
「統括本部に情報を送って、ヒーローチームの撤収をーー」
轟が即座動いた、まずはヒーローにこの件を伝えて撤収させなければとパソコンに向かった。
「するわけねぇだろ!!」
飛んできたのは否定、爆豪の発言に何故となるが轟はその表情で理解する。それはいつもの、他の手があるだろうがと合理的判断や、何故そうしないと自身の考えを押し通す否定の声でも表情でもない。ヒーローは止まらない、例え報せてもとこの状況から変わらないと歯を食い縛る爆豪に、緑谷も頷いた。
「ヒーローはトリガーボムを探し続ける、例え爆弾の標的が自分達だったとしても……罠だと分かっていても……救いを求めている人達が居る限り、その人達を置いて逃げるなんて事、ヒーローなら絶対にしない……そこまで考えての作戦だ……!!」
助けを求めるならばヒーローは駆けつける、決して見過ごしたりなんてできない。そしてトリガーボムにその身を砕かれると分かっていても、ヒーロー達は決して逃げないだろう。フレクト・ターンの策に緑谷の握った拳から血が滴るくらい力が入っていた。
「……だったらその解除キーで、トリガーボムを止めるまでだ!」
ならばもうそれしかなかろう、ここに居る四人で、ヒューマライズの本拠地へ行きトリガーボムを止める他ないと轟が言い放つ。
「しかし、その本拠地がどこにあるかーー」
「どけ半分野郎!!」
その本拠地が分からないと言いかけた緑谷だったが、爆豪が即座に動いて、パソコンの前の轟を退かせた。
「答えはこん中にあるに決まってんだろうが……鍵を作っておいてドアの位置を報せないアホが居るか……!!」
爆豪がマウスとキーボードを操り、データチップから情報を探し始め、即座に犯行声明としてトリガーボムを配置した場所とヒューマライズ支部をマップに重ね合わせた。
「犯行声明に無いポイント……ここがクソどもの本拠地!!」
そして即座に特定してみせた、場所はオセオンの人里離れた山岳地帯とカーソルが合わさった。
「かっちゃん!トリガーボムの制御システムは!?」
「今やっとるわクソヴィラン!!」
さらにそこからも早かった、パソコンに映し出された制御システム、その構造と所在まで爆豪は見事に見つけ出したーーだが!
「一番奥の、地下!?」
「場所は分かったが……ここから直線距離で400キロ以上はあるぞ!!」
本拠地も、制御システムも見つけた。しかしその場所は今現在の場所から凄まじく離れていた、どう足掻いてもあと2時間弱で辿り着けるわけがなかった……。自分達は、このままただヒーロー達がなんとかするのを願うしか無いのかと歯噛みする三人。
「……間に合う」
たが、福音は彼よりもたらされた。隣のパソコンで何やら探していたロディが、あるマップを指差して緑谷達に言った。
「俺に考えがある」
パソコンのモニターを指差したロディ、そこには『クレイド飛行場』と記されたマップが表示されていた。