【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
静かな始まり。
桜の花が開き始め、春の訪れを告げる、雄英高校1年A組は、ヒーローインターンで普段の学業と同じく忙しい毎日を送った。
ヒューマライズ事件後すぐ、傷も癒えて、それからさらに彼ら彼女らはインターンで経験を積んでいく。まるで、何かが迫っているかの様に。
その答え合わせとばかりに……その通達は全員へと送られたのだった。インターン生全員への、遠征インターンの報せ……。
それが、この日本のヒーロー社会を崩壊させる大事件への幕開けであった。
遥か先に見ゆる街、蛇腔市……それを見渡せる山岳部に、緑谷出久含め、プロヒーロー、そしてインターン生が待機していた。
そもそもの発端だが……その名前を久々に聞いて緑谷自身も驚いたし、やはりあの時に仕留めておくべきだったと後悔した。
死柄木弔……ヴィラン連合のリーダーであり、緑谷出久因縁の敵。
その死柄木が……死穢八斎會の事件以降に姿をくらまし、力をつけていた。
自分達がインターンで研鑽を積んでいた間に……。
神野の悲劇の再来とまで言われた、泥花市の大災害はこの死柄木率いるヴィラン連合と……かつて、超常黎明期のヴィランとして名を馳せたデストロの子孫『リ・デストロ』率いる『異能解放戦線』の抗争が原因だったらしい。
その抗争の果て……ヴィラン連合が勝ち、異能解放戦線を取り入れて出来上がった、ヴィラン組織が『超常解放戦線』と言う事だ。
そして、超常解放戦線はその勢力を伸ばして決起を決めていた。
ヒーロー公安委員会は、その情報を得るためにホークスを密偵として送り込み、それらの情報を掴んだ。
超常解放戦線、その戦力は……全国支部を合わせて約11万人の大戦力。このヒーロー飽和社会で『ヒーローが足らない』と言う事態に陥ったのである。
つまりは……このインターンはその名を被った『学徒動員』であった。
「クソが!!何で俺様が後方支援なんだよ!前線行かせろやぁ!!」
「爆豪、俺たちはまだ仮免の身だ……」
「うっせぇ黙ってろ!!」
「落ち着きたまえ!」
しかし、学生の仮免ヒーローである以上、あまり戦闘はさせられない。だからインターン生の大半は後方支援に回された。緑谷もその一人であり、同じ後方支援チームには爆豪、轟、飯田、口田、麗日、蛙吹が参加していた。
血気盛んな爆豪からすれば不満極まりないが、仮免のインターンがしゃしゃり出ていい事案ではない。轟が正しい、正しいが不満が出る理由も分かってしまう緑谷は、空を眺めながら呟いた。
「大丈夫かな……常闇くんは兎も角、上鳴くんは」
「クラスメイトが心配かい?イズク?」
呟く緑谷に、背後から声がかかった。三年のBIG3にして、緑谷出久が敬愛し、そして共に死穢八斎會事件を解決した通形ミリオ……ルミリオンがそこに居た。
「ミリオせ……ルミリオン、ええまぁ……一人は大丈夫とは思うんですが、もう一人が……」
ミリオの質問に頷く緑谷、そう……この大規模作戦……この蛇腔の街とは別に、超常解放戦線のアジトである近くの『群訝山荘』でも同時刻に作戦が開始される。
そちらにもA組、B組からインターン生が出動しているのだが……。これが爆豪勝己不満爆発の理由だった。
基本前線にインターン生は出ない、しかし……例外として『広範囲を制圧できる個性』のインターン生が招集された。
A組からは、常闇踏影と上鳴電気が指名されたのである。
「うちからもサンイーター、環がファットガムと群訝側のチームの前線に指名されたんだよね、気持ちはわかるよ」
「環先輩が……」
「大丈夫!先生たちやプロヒーローも居る、何より俺たちクラスメイト、同輩が信じてやらなきゃいけないよね!」
心配なのは分かるが、同じクラスメイトで鍛えた同輩、信じてやれと親指を立て笑顔を見せるミリオに緑谷は、そうですねと頷いた。やはり、オールマイトを継ぎ、次のNo.1ヒーローになるのはこの人だなと、緑谷もその笑顔に救われた。
「あの麓にヒーロー達が居る!我々は後方で、避難誘導だ!」
「前衛のエンデヴァーチームから動きがあり次第動く、迅速かつ速やかに行動をするよう」
「モービル持ち、移送組は交通網の確保!玉突き♂事故♂起こすなよ!」
蛇腔側、エンデヴァーチーム後衛の陣頭指揮は、エンデヴァー事務所サイドキックのバーニン、ルミリオンの師匠、サー・ナイトアイ、そして避難民の移送、交通網の確保に、タカカズの三人が担当する事になっていた。
一方その頃、群訝山荘の超常解放戦線本拠地、エッジショットチーム前線側……その話に出てきた上鳴電気くんは……。
「……てか!何で俺が最前線なんですかぁ!?うわぁふっふぅぅーー!?皆が恋しい!A組が恋しいよぉおおお!!助けて緑谷総大将ぉおおおおーー!!」
A組と、その総大将、緑谷出久に助けの声を上げていた。