※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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294話 狙いは自分!?

 媒体に通信入れた、これであいつは動き出す。画面を見つめながら死柄木は呟いた。

 

「さて、マキアが来ーー」

 

 その呟きすら止められる頭痛に、死柄木は目を見開いた。頭の中から声がする、その声がまるで呪いのように死柄木の脳をズキズキと疼かせた。

 

 …ワン・フォー・オール…

 …ワン・フォー・オール…

 

 響く声と共に、死柄木の頭へ映像が流れ込む。雄大な背中……それでいて苛立つこの背中を死柄木は知っている……オールマイトだ、だが奴は引退したはず……響く単語と、その背中に関係があるのかとなった死柄木だが、その映像のオールマイトにノイズが走り姿が変わっていくのを見た。

 

 黒いコートに、帽子……ヒーローに見えないその背中……オールマイトに比べ小さい背中、しかし死柄木は浮かぶ映像だけで悪寒が走った。

 

「なんなんだぁ……今のはぁ……」

 

 頭痛と映像に苛まれる最中、死柄木は上空から敵意を感じて振り返った。昼間の青空に煌々輝く星……ではない!あれは炎かと目視して気付く!

 

「死柄木ぃいい!!」

 

 流星の如く突貫してくるのは、エンデヴァー!あの崩壊からどうやら逃げ切ったのかと死柄木は笑みを浮かべた、寝起きに早速現No.1と戦闘かよと。

 

「ヘル・カーティン!!」

 

 その剛腕の一振りで、蛇腔病院の跡地となったクレーターを死柄木含めて炎の海に染め上げるエンデヴァー!その炎の海に沈み、燃やされる死柄木にエンデヴァーは言い放つ。

 

「灼熱業火の幕だ!逃げられんぞ!!」

 

 この崩壊による被害、ここから離れたらその被害は甚大だと目の前に突きつけられている。No.1ヒーローとして、この場から決して死柄木を移動させてはならない、この場で倒して拘束しなければと拳を握りしめる!

 

「ジェットーー」

 

 速攻で畳み掛けにいくエンデヴァー、しかし炎の海から死柄木が飛び出し、その手でエンデヴァーを崩壊させに右手を掲げて飛んできたのを、エンデヴァーは上体を逸らして回避する!

 

 そのエンデヴァーの目には、焼け爛れた死柄木の皮膚が、肉が、みるみる再生していくのが映った!焼けた先からの超再生!つまりこいつはと、エンデヴァーは炎で身体を浮き上がらせつつ死柄木の上を旋回して取るや、剥き出しの背中に拳を叩きつけた!

 

 そのまま地面へ思い切り叩きつけ、業火で死柄木を焼き続けながらエンデヴァーはインカムに向けて叫んだ。

 

「全体通信!!こちらエンデヴァー!!病院跡地にて死柄木と交戦中!!地に触れずとも動ける者はすぐに包囲網をーー」

 

 炎で焼きながら押し付けていた、それでも死柄木の右手がまたエンデヴァーへ触れようとして、その手をエンデヴァーは掴み防ぐ!

 

「触れさせん!!」

 

 防いだ、確かに掴んだ。だがそこからだった、死柄木の右手が輝くや、エンデヴァーの前で爆発が起こった。

 

 その爆風……いや衝撃波が、先程エンデヴァーのヘル・カーティンで燃やした周囲の炎すら掻き消し、エンデヴァーを遠方まで吹き飛ばした。

 

「先生が溜め込んでいた個性……まるで生まれつき備わっていたような感覚だ……」

 

 身体を包み込む万能感、これがあのドクター……先生ことAFOの親友、殻木による人体改造の力かと死柄木は……。

 

「なのになんだ?……満ち足りない」

 

 この程度か?と疑問が浮かんだ、殻木は言った。四ヶ月間、死の苦しみを超えた先に、全ては自分の手のひらの上にあると。そう言われた割には拍子抜けの感覚だと、死柄木は培養ケースに歩き、まだ無事だった個性破壊弾を二発、ホルスターに入れて、また違う保管ケースから、自分のアイデンティティである手首達を取り出す。

 

 そしてまた、頭痛が始まり声が響いた。

 

 …ワン・フォー・オール…

 …ワン・フォー・オール…

 

 鬱陶しいくらいに響く言葉、死柄木はそう言えばと思い出した。ドクターが言っていたなと、先生がいくつも、腐るほど手に入れた個性の中で……決して手に入らず好きにできなかった個性……その名前がそうだったなと。

 

 それがどうしたのか?俺に関係があるのか?そう思った死柄木だが、まるでそれが必要だと、絶対だと、手に入れろと駆り立ててくるのだ。

 

 そうして思案する最中、またエンデヴァーが向かって来て、死柄木は手をかざしてエンデヴァーの炎の拳を防壁を展開して止めた。

 

「手に入れなくちゃ……ワン・フォー・オール……」

「ワン・フォー・オール……!?」

 

 その譫言を聞いたエンデヴァーが、なんだそれはと反芻した。通信で拾われているのを忘れているほどの状況だったのだ。

 

 だから……その通信はこの作戦に参加したヒーロー達も聞いてしまったのだ。

 

 

 

「あぁ!?ワンフォー……何!?エンデヴァー!!」

 

 蛇腔病院避難所、バーニンはエンデヴァーが何を言ったのか、どんな意味なのかとインカムに聞き返す。その背後で、緑谷出久も通信を聞いて目を見開いた。

 

「エンデヴァーのアシストに向かう!キミ達は残るヒーローと避難を!警察の指示に従ってもっと遠くへ!!」

 

 埒が明かないがエンデヴァーは戦闘している、そして空を受けるヒーローを呼び寄せた。ならばとバーニンはインターン生に避難を残ったヒーローに任せた。

 

 緑谷出久は何も言えずに立ち尽くした……死柄木弔が、現在エンデヴァーと交戦している。そして死柄木がOFAの事を口走ったのだろうことが分かった。

 

 

 ワン・フォー・オール……それは、元No.1ヒーローにして、『平和の象徴』オールマイトの個性。

 

 代々繋ぎ、受け継いできた願いの力。AFOを打倒する為、AFOの実弟『与一』を初代とし、時代を超えて引き継がれ、オールマイトはその八代目の継承者だった。

 

 オールマイトは神野での戦いで、緑谷出久と共にAFOを打ち倒してタルタロスに叩き込んだ。

 

 その際、緑谷はオールマイトの脊髄を引き抜き、脊髄より個性を読み取り武器化するという『脊髄着装』により、オールマイトを変身ベルトにして、その力で戦った。

 

 この時……OFAは別れたのだ。

 

 OFAという個性には、特殊な力がある。それは他の個性と違い『譲渡』が可能なのだ。

 

 譲渡の方法は、OFA所有者が継がせたい相手への思いを願いながら、自らの遺伝子情報を相手に摂取させる事。一例をあげるなら、性交渉による粘膜接触でも相手に譲渡ができる。

 

 裏を返せば、それは奪われる危険性もあるという事だ。故にオールマイトは決して恋人も作らず、そう言った相手も無く秘密主義を貫いた。

 

 だが……この神野の戦いによって、緑谷出久とオールマイトは擬似的な『融合状態』となってしまい、その際にOFAはなんと別れてしまったのだ。

 

 現在、緑谷出久の身体には、OFAの欠片である『OFA.M(ワン・フォー・オール.ミラージュ)』が宿っている。欠片とは言え、その個性は緑谷出久をさらに強くしたのは事実……欠片であれ並みの個性よりも強いものだった。

 

 それどころか、個性因子の記憶に刻まれた歴代のOFA継承者の意思まで緑谷の体に流れ込んでおり、その歴代の個性が発現する事態にもなっている。ただし、緑谷の保有する『AFO因子』によって捻じ曲がってしまっているが。

 

 欠片とは言え……持っているのだ、緑谷出久は。

 

 つまり……自分が死柄木弔のターゲットとなってもおかしくないという事だと緑谷は理解してしまったのだ。

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