【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
288話『静かな始まり』より、文章内にて蛇腔側に障子君が居る文章を書いていました。
障子君は群訝側のため、障子君が分身している状態になっていた事をお詫び申し上げます。
文章は訂正しました。
肉体が巨大化する個性……ルーツや仕様が違うがこの超人社会では珍しくない。その中でも特に名前が上がる人物は彼女だろう。
『峰山ヒーロー』Mt.レディ
巨大化の個性を持つ女性ヒーローで人気もあり、何よりその巨体に変化するというシンプルで強力な個性の強さがある。
ヴィランの中でもたまに見かける、巨大な姿を持つタイプが……巨大と言うのは、それだけで強く戦力になるのだ。
超常解放戦線のメンバーにも居るのだ……このヴィランは、まさに歩く災害……AFOの隠し刀であり忠実な僕、そして死柄木弔を新たな主人として迎えたその者の名はーー。
「主ヨ、主よ!今……会イに行きまス!!」
ギガントマキア……群訝山荘の地下から現れたそのヴィランは、群訝山荘で継戦中だったヒーロー、解放戦線メンバーを構わずに走り出す!周りの木々や建物ーーそして走り出した先に居るMt.レディよりも微かに巨大な肉体が、人間の徒競走並のスピードで動き出したのだ!
「こんのぉおお!!」
無論、通すものかと迎え撃つMt.レディ!ぶつかり合った瞬間、その巨体はーー止まらなかった!体に秘めたパワーが違うと、ギガントマキアはMt.レディが阻む事すら気にも止めずそのまま押せ押せとMt.レディを押し込み突破していく!
「押し負けるなMt.レディ!」
「頑張れぇ!!」
「レディを援護しろ!!」
戦線を突破されたヒーロー達が追走し攻撃を浴びせる!しかし全く効いてないと、ギガントマキアの歩みは止まらない!
「止まれって、言ってんでしょおおお!!」
力の限り踏ん張り、鼻血が吹き出すほど力を込めて歯を食い縛るが全く止まる気配が無い!
「もっと寄って!!」
「分かってます!!」
そこへ、前線に居たミッドナイトとシンリンカムイが追走していた。シンリンカムイの背にミッドナイトが背負われ、手から変化する樹木で引っ張って追い縋るシンリンカムイ。
ミッドナイトは、自らの衣装の素肌が見える部分を破りながら機会を待つ。
群訝山荘川ヒーローにも、情報共有によりこのギガントマキアの素性は粗方分かっていた。死柄木弔が命じなければ起きない筈のこのヴィランが活動開始した。
即ち、蛇腔側が失敗したと見ていいだろう。このまま野放しにしたら、未曾有の大災害が起こる……ここで何としても止めねばならない、そして……力でギガントマキアが止まらないと見て分かる以上は、自分の個性『睡り香』で眠らせて止めるしかないとミッドナイトはシンリンカムイに指示を出す。
「主ノ、最短距離……!!」
「うわぁああ!?」
ギガントマキアが、そう譫言の様に喋ると、マウントレディの足を捕まえて放り投げた。木々を巻き込み横転し、まるで阻んでいたなんて感じていない、ゴミを払うかの様に簡単に退ける!
「峰山ぁ!!」
「よそ見しないで!!」
「は、はい!」
エッジショットとチームを組んだ同輩であり、後輩のMt.レディが簡単に打ち払われた事実を目にしてシンリンカムイが叫んだが、そんな暇すら無いとミッドナイトが檄を送る!
「あと少し、もっと近くにーー」
あと少しでギガントマキアの顔面に追いつける、そうすればとシンリンカムイに指示を出すミッドナイト。
が……ここでミッドナイトの景色が切り替わった。
「えーー?」
赤々と、血に染まる景色、木々も、空も赤く染まる。対してギガントマキアの体はそのまま肌色で、シンリンカムイにも目を向けて見ればヒーロースーツの色はそのまま。
ふと、視界で自らの腕が血に染まったのを見た、自分と景色だけが血に染まっていた。その数瞬の間、ミッドナイトの思考が、運命を分けた。ギガントマキアの背中に……逃げ仰たらしいヴィラン連合の姿を捉えたのだ。
「シンリンカムイ!!下がって!!」
「!!」
刹那、二人の目の前に蒼き炎が噴射される!シンリンカムイは指示を聞く前に下がったが、二人は体勢を崩して森の中へと墜落していった。
「気付かれた?あの場所からどうやって見えた?」
ギガントマキアの背中に乗っていた荼毘が、今まるでこちらに気付いて回避したシンリンカムイとミッドナイトを見て、この場所が相手から見える位置だったかと、ギガントマキアの背中の突起を確認した。
あの角度から見えるか?見えたとして、こちらの反撃に反応されたにしては早すぎる……しかし荼毘は、まぁ些細な事かとそのまま墜落して追ってこなくなった、シンリンカムイとミッドナイトをしばらく確認してから気にする事は無いかと切り捨てた。
「だ、大丈夫ですか、ミッドナイト……危なかった、あと少し遅れてたら……」
木々により墜落の衝撃は和らぎ、シンリンカムイの樹木に抱えられ、ミッドナイトとシンリンカムイは軽傷で済んだ。
兎も角、助かったのだ……だがふと気付く。今の戦況を整理していき、ギガントマキアの進む方角、そこには……インターン組の雄英一年が待機している事に。
そして今現在ーー後衛のヒーローも、前線が押し上げられてしまった事から、インターン生しかいないと言う現状にミッドナイトは歯噛みした。
不甲斐ない……プロヒーローでありながら、今回は生徒達まで巻き込んでの作戦でこの体たらく……。今、この現状でギガントマキアを止めれる個性を持っているのは誰か……ミッドナイトは思い付くも、それには違法性がある、あるが……そんな事も言ってられない。
プロヒーローとして、不甲斐ないが何でもして、それでも止めなければと、ミッドナイトはインカムを繋げた。
「クリエティ、応答して!!」
後衛側、インターン組な耳郎と障子二人により現状をようやく把握できた。巨大なヴィランによる前線の崩壊、Mt.レディが止めにかかったが力及ばず、このままでは大惨事になる現状が迫っている!
「ミッドナイト先生!?」
「ミッナイの通信だ!」
ミッドナイトから通信を受け取ったクリエティこと、八百万百はその通信を聞き漏らすまいと傾聴する!
『状況は把握しているわね……』
「ええ、耳郎さんの音と障子さんの目で……」
つまりはそこまで来ている、脅威は目前まで迫っている。決して逃げられないと、八百万は息を呑んだ。
『あの巨大なヴィラン、力押しでは止まらない……だから、眠らせたい!』
「!?そ、それって……」
ミッドナイトの指示に、八百万はまさかと冷や汗が垂れた。先生が何を考えているのか、何をする気なのか……彼女は大凡理解してしまった。
『私とヒーロー達が追いつくまでの間、足止めをお願いしたい……それと、違法にはなりますが万が一の為に麻酔薬を精製して欲しい……』
「そ、そんな……」
『不甲斐ない大人たちを許して欲しい……今そちらに居るのは貴方達だけ……本当にごめんなさい……』
現在、前線が押し返されて後衛のヒーロー達は皆前線に居る。そのヒーロー達、ミッドナイトも戻るまで、時間稼ぎを八百万は頼まれたのであった。
さらに、違法ではあるが万が一の為にと睡眠薬を精製して欲しい。インターンの学生に、そこまでさせる窮地までヒーロー達は追いやられてしまったのだと八百万も、そして雄英インターン組も理解してしまったのだ。
『大丈夫、必ず貴方達の元へ向かう……だから、お願いーー』
「先生!?ミッドナイト先生!?」
そこで通信が切れた、皆が通信を聞いており、一気に緊張が高まる。
「おい、通信切れたけど……ミッナイ大丈夫なのか?」
「足止めを頼むって……そこまでヴィラン達が盛り返したのか?」
砂藤に峰田が、通信が切れたミッドナイトを案じながら、待機中の自分達にまで作戦参加をと命じらた事態にざわつく中、通信を受けた八百万は考える。
口調からしてミッドナイト先生の安否は心配無いが、おそらくヴィランが来て交戦したと思われる。後衛のヒーローが、前線を突破されたからそれを補う為に向かった為、最終防衛ラインが自分達だけになっている。
そして、そんなヒーロー達を難なく突破した戦力を有する強大なヴィランがそこまで迫っている。不甲斐ない大人たちを許して欲しい……自分達に託す事の心苦しさが台詞に現れていたのが八百万には聞いて分かってしまった。
もう、自分達しか居ないのだ、ヒーローは。ならばやるしか無いと、八百万は決意する!
「イヤホン=ジャック!テンタコル!!音の位置からここへの到達時間を!!巨人の大きさを目算でいいのでお伝えください!!マッドマン!貴方の力をお貸しください!全員動く準備を!!」
やれる事をやれ、考えつく全てで現状を切り抜けろ!八百万はクラスメイト達に次々指示を飛ばした。