【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「あんた、折り慣れてるだろう?全部まぁくっつきやすいように、綺麗な折り方してるよ、見た目に反して」
尾白に救護室へ連れられた緑谷は、救護教諭『リカバリーガール』によって治療され、折った指3本に包帯を巻いてもらった。そんな緑谷にリカバリーガールが神妙な面持ちで言った。
「特訓したんで、相手を操るそんな相手から……自分が洗脳されないようにと」
「特訓てお前……」
何が、そこまで緑谷を駆り立てるんだろう。尾白はそれはもう、軍の特殊部隊とかの訓練じゃあないかと驚くしかなかった。互いに武道、格闘技を修めた者同士理解できる部分もあると思ったが、あまりに異常で心配になった。
「右手も目に入ったけどさ、痛々しくて見てらんないよ……ちょっと立ち止まってもあんたバチは当たらないよ?ヒーローになる前に死んじまうさね」
「大丈夫ですよ、ヒーローは……死にませんから」
「人は簡単に死ぬんだよ、馬鹿な子だ」
包帯を巻いて貰った指を握り、開いてを繰り返し、具合を見る緑谷。よしと力を込めて異常無しと確認を終えた。
「にしても残念だよ尾白くん、キミと当たって思い切り戦えると思ったのに」
「あぁ、すまない……でも、騎馬戦であいつに操られて、まるでただ券もらったように勝ち上がった気分でさ……」
「高潔だねキミは……心操くんには、悪いことしちゃったな」
彼が自分に不利な相手を操って棄権させ、戦いやすい相手を繰り上げてやろうとしたのではと疑った事を緑谷は悔いた。そもそもそれをするなら、爆豪や轟に接触するだろう。
「まぁ……それはそれとして僕に噛みついて来た以上、その胆力に全力で応えようじゃあないか」
しかし、それはそれ、これはこれだ。あの二週間前の宣戦布告に応えると、緑谷は立ち上がる。
「ほ、程々にな」
「行こうか……戦いが僕を待っている」
「あんま無理すんじゃあないよ」
救護室を退出し、会場に尾白と向かう緑谷に、ピョコピョコ走って来た峰田が声を上げた。
「緑谷!順番決まったぞ!1試合目で相手は心操だ!」
さっそくか!ギンッと目を見開いた緑谷に峰田はさながらメデューサの目を見たように固まった。
「うわぁ!!目が怖いよ緑谷ぁ!?まじで加減してやれよお前さぁ……」
「峰田くん、よくぞ引き当ててくれた!お礼にジュースを奢ってあげよう」
見事、心操とのカードを引き当てたと、手を伸ばして峰田の頭を撫でようとしたが、すうーーと残像を残して避けられ、緑谷はしょぼんとした。
対戦カードが決まった、そして会場が整うまではレクリエーションが催された。トーナメント出場者達も各々の時間を過ごす。
平常心を保つ者、戦いに備える者、神経を研ぎ澄ます者、緊張を解きほぐそうとする者。
「くそっーーあの、化け物が!!」
ーー焦燥に追い詰められる者。
「緑谷!ワンツー!」
「アァアォエィシッ!」
「モギモギだ!避けろ!!」
「ふぅっ!」
「タックル!」
「うぉおお!!」
ーーエンジンを温める者。
それぞれの思いを胸に、あっという間に時は来るーー。