※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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299話 まだ諦めない!

 時間が無い、早くやれる事をやれ、準備をしろ。群訝山荘後衛インターン生の、ギガントマキア停止作戦の準備が始まった。

 

「全長が25mって事は、広さはこんなものかな?」

 

 八百万が考えたのが、B組の骨抜柔造の個性、柔化によって地面をぬかるみに変えて落とし足を捕える作戦だった。大型ヴィランのギガントマキアの全長から計算した範囲を骨抜は柔化させていく。

 

「よし!ロープともぎもぎ投げよう!」

 

 そして、足止めはそれだけでは無い。創造した頑丈なロープともぎもぎにより、さらにぬかるみへ引きこむ立ち上がる事への妨害、ヒーロー達が来るまで時間を稼ぐ為少しでもと出来る事を考えた。

 

 足止めだけでは無い、ミッドナイトは大型ヴィランを眠らせて止める必要があると言っていた。違法にはなるがと八百万に頼んだ麻酔薬の精製、八百万はこの場にいる全員に創造した麻酔薬を渡す。

 

 仮に、ミッドナイト先生が間に合わない場合はこちらで経口投与による麻酔を踏み切ると八百万はインターン組に指示した。この場に居る誰かが、その口に投げ入れてしまえば眠る濃度の麻酔が皆に行き渡る。

 

「なぁ、ミッドナイト先生……大丈夫だよな、通信切れたけど……あの人がやられるわけねぇよな!?」

 

 ぬかるみに浮かべたロープへもぎもぎを投げる峰田、重傷を負ったようには通信では聞こえなかったが、万が一をやはり考えてしまう。

 

「大丈夫だよ、またみんなで授業うけるんだもんね」

 

 その心配に、芦戸が大丈夫だと笑顔で返した。あの人がそうやられる訳がない、雄英の教師をしているヒーローで、私たちの先生なんだからと。彼女が来るまでに、私たちはやれる事をやろうと峰田を叱咤した。

 

 柔化した大地に敷き詰められたロープともぎもぎ、さらにここへ八百万は胸元の地肌から、ダイナマイトを次々と創造して沈めていく。

 

 これはもしもの為の二重の策、万が一の為脂質を残すべきかも考えたが出し惜しむなと八百万はここに全てを賭けるつもりで創造を使った。

 

「バックバック!早くバック!!もう目の前!!」

 

 宙に浮かぶ、目元から下、さらに胸から下や腕まで喪失した女性が声を上げた。取蔭切奈、B組女子推薦枠の彼女の個性は『トカゲの尻尾切り』トカゲの尻尾のように体を切断して操作できる個性の彼女は、目視でギガントマキアを確認していよいよ来るぞと伝令を飛ばした。

 

「ぜんぜんっ止まんない!あぁもう!いい加減に止まんなさいよぉ!!」

 

 一度は投げ出されたMt.レディだったが、再び足にしがみつき必死に止めようとしてもスピードが落ちない!そのギガントマキアの背中に乗せられたヴィラン連合のスピナーは舌打ちしながらMr.コンプレスに叫んだ。

 

「あのデカヒーロー引き剥がせないか!?」

「どうやって!?この状況じゃ無理でしょ!!」

 

 こんな大揺れ大移動中では動く事すらままならないと、もうこのギガントマキアに委ねる他ないと言うコンプレス。そしていよいよーーその瞬間は訪れた!

 

「来たぁああ!!」

 

 峰田の叫びと共に、雄英インターン組がギガントマキアのその全貌を目撃する!巨大なさながら怪獣の如き巨人が木々を薙ぎ倒し大地を揺らし現れる!

 

「方向良し!!」

「位置特射!!」

 

 取蔭と耳郎が罠を張った位置にしっかりギガントマキアが踏み込んだのを確認!ギガントマキアの足が骨抜の個性により柔化した地面に足を取られ、そして前のめりに倒れて腕もぬかるみとなった地面に倒れ伏す!!

 

「かかった!!」

 

 見事な作戦で、インターン生達はギガントマキアとヴィラン連合を足止めに成功する。しかしーー!

 

「八百万!ヒーローの戻りがまだだ!!時間を稼がねば!!」

 

 前衛から戻っているヒーロー達がまだ辿り着かない!!障子からの連絡に八百万が指示を出す!

 

「砂藤さん!拳藤さん!宍田さん!!」

「よっしゃあ!!引け!!引けぇええ!!」

 

 砂藤、拳藤、宍田の三人、それぞれがパワータイプの個性持ちによる三人の牽引で、ギガントマキアを絶対に起き上がらせないと力を込める!

 

「多勢に無勢をお許しください!!」

「こっちの方が!どう考えても不利っしょお!!」

 

 塩崎はツルを瀬呂はテープをギガントマキアに巻き付け牽引を補助にかかる!だが……正に力の差を、膂力の差は歴然と首が上がり、テープが、ツルが、ちぎれていく!

 

「立ち上がられたら望み薄ですぞぉ!!」

「うぉああぁああ!!」

 

 それでも、ここで起き上がらせたら全てが終わると宍田が声を上げて砂藤も力の限りに引き続ける!

 

「雄英!?こんなに来てんのか!!」

「え!?じゃあダーリンやお茶子ちゃんも!?」

 

 コンプレスがここで、雄英生が大人数でこの作戦に参加しているのをやっと確認して声を上げた瞬間、トガはもしかして緑谷出久や麗日お茶子も居るのかと爛々と目を輝かせたが、姿が見えずそのまま眼差しから光が消えた。

 

「六人!確認!」

「邪魔立てはさせない!!」

 

 その隙を突かれたらしい、ギガントマキアの背中に登ってきた障子が青山を抱え、青山が拡散型ネビルレーザーを乱射!コンプレスとトガはそれを回避してギガントマキアの背中の棘でやり過ごす!

 

「ちぃい!!」

「ダチには指一本ふれさせねぇぞ!!」

 

 荼毘もこの足止めに舌打ちする中、トゥワイスは二倍で次々自らを作り上げ、ギガントマキアの背中から降りていく!!

 

「やらせない!!ハートビート・ファズ!!」

「「「どをぁあああ!?」」」

 

 その人海戦術には面攻撃だと、耳郎が足のスピーカーにイヤホンジャックを繋げ強音波を掃射!!トゥワイスの分身をさらに増える前に次々と破壊していく!!

 

「ジャミングウェイ!」

「あいよぉ耳郎ジャック!!」

 

 互いに違うヒーロー名を呼び合い、上鳴が誘電ポインターをヴィラン連合に発射していき、柳レイ子が叫んだ。

 

「いくよ!上鳴くん!!」

「優しくねぇ!!」

 

 柳レイ子の個性、ポルターガイストで浮かされた上鳴が、これで仲間にはポインターで電流は当たらないと最大出力で放とうとした。だがーー!!

 

「これなら仲間には当たらねぇ、最大出力でうぼぁあ!?」

「上鳴くん!!」

 

 コンクリートの瓦礫が突如現れて、上鳴を弾き飛ばした。

 

「危ねぇ、圧縮して持っといてよかった……もう弾切れだがな!!」

「ナァイスだコンプレス!!」

 

 コンプレスは、群訝山荘から脱出の際に瓦礫を圧縮して持ち運んでいた!いざというときの防御、奇襲のために!その切り返しにトゥワイスの本体が嬉々として両手の親指を立てる!

 

「上鳴がやられた!ヒーローはまだ来ないのかよぉ……!?」

 

 宙を舞う上鳴に峰田がまだヒーローは来ないのかと弱きになる中、いよいよもうここで、自分達でこの大災害のヴィランを止めるしないと、八百万は声を上げた!

 

「総員麻酔薬を!!」

「このぉ、口ぃ、あぁけぇろぉおおおお!!」

 

 用意した濃縮麻酔薬、計算通りなら全員この場に居るインターン生の誰かの瓶が口に一つでも入れば眠る!砂藤が力を振り絞り、拳藤、宍田もそれに続きギガントマキアの下顎についたもぎもぎロープが、口を開かせにかかる!

 

「皆さん!今ですわ!!」

「寝ろ寝ろぉ!!寝てろぉおおおお!!」

 

 インターン生の麻酔薬が、ギガントマキアの口に漏れなく投げ込まれ向かっていく。タイミングも角度も完璧だった、これで止まるはずだと八百万は確信した。

 

 しかしーー敵は、あまりにも理不尽過ぎた。このギガントマキアを、普通の巨大なヴィランだと、まだその範疇に考えていたのが悪いのか?いや、八百万は決して悪くない……プロヒーロー達も、これ以上のことができたか?と決して後になって責めない見事な采配だった。

 

 けど、嗚呼……そうだ。

 

 この敵は、ヴィランは、ギガントマキアは、ギリシア神話の大戦の名を冠したこのヴィランは……。

 

『災害』そのものであった。

 

 一息だ。

 

 たった一息の呼吸で、麻酔薬の瓶も、雄英インターン生も周りの木々と共に吹き飛ばされた。自然災害の前で、人々の力の何と無力な事か。

 

「うわぁあああーー!?」

「きゃああぁああーー!!」

 

 インターン生全員が必死に飛ばされまいと木々にしがみつく。それを見た荼毘は、これは使えるなと自らの蒼炎を左手より放ちギガントマキアの吐息に乗せた。

 

 するとどうだ、よく燃える、あっという間に雄英インターン生を決して近付かせはしない火の海が森林を焼き払い完成してしまった。

 

「ギガントマキア……高揚を体躯の変動エネルギーに変える個性、痛覚を遮断する個性、他にも色々……全て戦場に長く居続けるための個性なんだとさ……」

 

 煙が左腕前腕から上がりながら荼毘は呟いた。

 

「ドクターが言ってたよ、こいつこそ正しく守護者だとさ……」

「腕大丈夫ですか?」

「さぁな?」

「いや、さぁなじゃねぇよ!?冷やしとけ荼毘!!って氷なんてねぇなぁ!!」

 

 流石に長期戦闘で限界が来たかとトガが心配したが知らんと自嘲気味に言う荼毘に、トゥワイスが流石に冷やしとけとは言ったが冷やす水も氷も無いなと頭を抱えた。

 

「あっついぃ……炎で近づけないーー!」

「影が……」

「胞子が燃えちゃうノコぉ!」

 

 蒼炎の壁に阻まれ、最早インターン組にこれ以上の手は残されていない。ギガントマキアはぬかるみから手を引き上げ、顎のもぎもぎにより付着したロープを引き千切る。

 

「駄目だ!ヴィランが立ち上がる!!」

「どうすりゃいいんだよーー!!」

 

 最早これまでか、ヒーローも間に合わず、止まる事叶わず通すのか、ヴィランを!?皆が歯を食いしばり無力に叫ぶ中ーー。

 

「まだぁああ!!」

 

 八百万が手元のスイッチを押し、ギガントマキアの足を捉えたぬかるみが爆発した!それによりまた、バランスを崩したギガントマキアが前のめりに倒れたのを見て、インターン生達は誰に言われるよりも自ずと走り出す。

 

「柔化した地面の底に爆弾を仕掛けておきました!さらに深く埋まれば、まだチャンスは!!」

 

 後を考えずに、ここで全て使うと決めた八百万が仕掛けた爆弾がギガントマキアを何とかもう一度足止めする!まだ諦めるなと走り出すインターン生に背中に乗っていたスピナーが勝ち誇って言った。

 

「へっ、こいつは元々地面を潜るんだぜ!?むしろ速度がーー」

「潜ったら俺たち死ぬでしょ!?」

「あ!!」

 

 そもそも、ギガントマキアは地面を潜航できるとスピナーの余裕にコンプレスが突っ込んだ、それやったら背中の仲間全員窒息死だろうがと。そしてコンプレスはあぁそうかと気付いてしまった。

 

「多分、俺たちを連れてこいって命令だ……俺らが縛りになってる今って……実は割とピンチなのかも……」

 

 そうだ、死柄木が自分達を連れて来いとギガントマキアに命じたならば、それを必ず遂行するのがギガントマキア、決して失敗を許さない忠実な僕であるが故に、自分達を守ろうとしているから好きに暴れる事ができないのだとコンプレスは理解してしまった。

 

「それって……」

「おい!!呑気に話している場合か!!見ろ!!」

 

 スピナーがコンプレスの話を理解する間際、唯一この中でヴィラン連合ではない、荼毘により使えると言う理由で引き連れられた『異能解放戦線』のメンバー、スケプティックが声を上げた。

 

 ギガントマキアの背中に……飛翔する様々な人影!!つまりはーー!!

 

「追いついたぞヴィラン連合!!」

「近くにいた仲間は捕らえた!!」

「大人しく観念しろぉ!!」

 

 前線からギガントマキアを追って戻ってきた、プロヒーロー達がついに追いついたのであった!!

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