※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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300話 無慈悲なる結末

 ギガントマキアを止めるため、前線から帰ってきたヒーロー達がようやく追いついた!背中に乗り上げヴィラン連合を捕まえるために交戦開始する中、空を影が覆う!

 

「うぁあああああ!!」

 

 あしらわれたMt.レディが!再びギガントマキアに掴み掛かる!その両手で顔を掴み口を開かせようと力を込める!さっきのインターン生が睡眠薬を投げ入れようとしていたのを見ていたのだ!それが『睡眠薬』かは知らない、知らないが何かしようとして、口に投げ入れようとした!意味があるのだろうとMt.レディは意図は理解してギガントマキアの口を開きにかかった!

 

「あーんしなさいぃ!ほらぁ!!あーーん!!」

 

 牙が手に食い込み血を流そうと、Mt.レディの手は決して力を緩めなかった。それに応えるかのようにーー荼毘が燃やし尽くした蒼炎から飛び出てきたのが一人!

 

 その身体を自らの個性の酸で身を包み、蒼炎から身を守り飛び出したのは……芦戸三奈!ヒーロー名『ピンキー』!!彼女の酸は、その溶解度から粘性まで操り分泌できる!粘性MAX、酸の鎧!!

 

『粘性MAXアシッドマン』

 

 ヒーローインターンで身につけた新たな必殺技で!蒼炎の地獄を突破してきたのだ!!

 

「ねぇぇむれぇええええーーー!!」

 

 その手に持った睡眠薬を、芦戸が投げ入れようとした最中だったーー。

 

「主ヘの最短距リ……ハエに時間を割くナド寄り道ハナハだしい……はんだんを誤っタ……!」

 

 ギガントマキアの眼差しが変わって、呟きを聞いた芦戸は、身体が固まってしまったーー。

 

「二度ト集らヌよう、払ウが最短!!」

 

 彼女は後に語る……。

 

 ギガントマキアはかつて……自分が中学時代に、道を尋ねるため友人たちに絡んで来た男であったのだと。その時の恐怖を思い出し彼女の身体を固まらせて……麻酔薬を投げる手が滑ってしまったのだと。

 

 やってしまった、この土壇場で……ああどうしてーー。芦戸の目前でMtレディはギガントマキアに投げられて、泣きそうになりながら宙を舞う麻酔薬の瓶を必死に手を伸ばす。

 

 そして芦戸の上を、ギガントマキアが叩き潰しに手が覆い被さった瞬間ーー。

 

「ぬぁあぁああああああ!!」

 

 切島が芦戸の体を弾き、彼はギガントマキアの手に消えて地面に押し潰された。

 

「き、切島ぁあああああ!!」

 

 目の前で土煙を舞わせるギガントマキアの手に、芦戸は叫んだ。向かおうとした芦戸の脇に、鉄哲が来て腕を差し込み止めた。

 

「行くぞ!火はマッドマンが沈めてくれてる!」

「鉄哲ぅ!切島がぁ!!」

「あぁ、あんにゃろう……俺と違って燃えねぇだけで熱ぃだろうに……俺より早く突っ走って行きやがった!!」

 

 順番じゃない!切島が潰されたんだと芦戸が言いそうになる。が、それは即座に引っ込んだ。いよいよもってギガントマキアが柔化した地面から立ち上がって、その姿を見て芦戸は目を見開く!

 

「俺はぁ、烈怒頼雄斗!!俺の後ろに!!血は!!流れねえ!!」

 

 硬化して圧殺を防御した所ではない、決して砕けぬ固き鎧のヒーロー!その爪がギガントマキアの体に突き刺さりながらズンズンと顔面まで登って行く!!

 

 飛び上がり、左手に持った麻酔瓶を投げようとする切島!それに気付いてトガがナイフで撃ち落とす!だが!!

 

「今のは俺の分!芦戸!お前の漢気は……俺が受け取ったぁ!!」

 

 麻酔薬は二つあった!!芦戸が投げ損ねた瓶を切島がキャッチして隠し持っていたのだ!!その瓶が口を開くギガントマキアへと向かって行く!!

 

「そんなのやらせるわきゃねぇだろぉお!!」

 

 しかし!無慈悲にも!!この男が麻酔薬をキャッチした!!仲間の為にと飛び出したのはトゥワイス!その分身がまさかのナイスセーブで麻酔瓶をキャッチしたのだ!!

 

「な……んだと……」

「やったぜ!これで俺たちの勝ちーー」

 

 最後の一手を阻まれ、力無く落下する切島に、トゥワイスが勝ち名乗りを上げたーー瞬間だった。トゥワイスが何かに撃ち抜かれ、泥となって落下して行った!

 

「羽焼かれちゃって……高度維持も……ここまでです!頼みますよーー」

 

 その声に、姿に、雄英インターン生は空を見上げて、ああと先程まで追い詰められた顔が一気に明るくなった。このヒーロー社会、スピード重視の最中……こんな言葉は消え掛かっていった。しかし……こんな時にこそ使うのだろうなと皆は理解した。

 

「ミッドナイトぉ!!」

 

そう『ヒーローは、遅れてやってくる!!」

 

「「「ミッドナイト先生!!」」」

 

「充分!待たせてごめんなさいね、みんな!!」

 

 現れたのは、ホークスとミッドナイトの二人!!遅れて現れた二人が、トゥワイスの分身を豪翼の羽で撃ち抜き、ギガントマキアの眼前にミッドナイトが放り投げられた!

 

 そして、ミッドナイトは身体を翻し、ブワァアと視認できるほどの濃度の眠り香をギガントマキアの顔に埋め尽くすように吹きだして言った。

 

「しばらく眠ってなさい?ナイトメア・パフューム!!」

 

 決まった……完璧に、墜落するミッドナイトをキャッチするホークスと、切島を抱え回収する取蔭。

 

 眠り香に晒されたギガントマキアは、真上を向き、左右へと身体を揺らした。

 

「おいおい!?ここまで来てかよ!!」

「防いだんだぜ俺はぁ!?理不尽だろこりゃあよぉ!!」

 

 スピナーにトゥワイスが、最後の最後にこんな幕引きは無いと絶望する。しかし、荼毘はギガントマキアを見て、皆に言った。

 

「お前ら、しっかり捕まっとけ」

「何ですか荼毘くん、何かまだあるんですか?」

 

 何かを嗅ぎ取ったのか、予知したのか、トガの質問に対して荼毘は答えた。

 

「眠らねぇよこいつは、絶対な、……一暴れくるぜ?」

 

 

 

 遅れて参じたミッドナイトとホークス、更に前線組のヒーローがギガントマキア向けて集結している!その移動を担うは、魔法ヒーロー『マジェスティック』の個性『マホウ』

 

 輪状のエネルギーを作り出し、自在に操る個性でヒーローたちを移送してギガントマキアに向かう!

 

「見事だインターン生!そしてよくここまで耐えてくれて指揮してくれたモモちゃん!流石俺が見込んだ女だよ!さぁ皆さん、インターン生に頼りっぱなしはここまでにしよう!!」

 

 次々と来たヒーロー達、インターン生は見事にギガントマキアの足止めに成功した!もうこれで終わりだと、誰もが思っていた。

 

 ミッドナイトの眠り香を受けて眠らないヴィランは居ない。現にふらついていた、あれだけ大量に吸い込んだのだからーー。

 

 だがヒーロー達は知らなかったのだ。

 

 ギガントマキアというヴィランは……主の命令を忠実に守り確実に成す為に全てを捧ぐヴィランだと。決して失敗はできないという狂気の信念を持っていると。

 

「コバエはうるさイ……払うがさいたん……!!」

 

 ギガントマキアの肉体が、更に膨張した。

 

 顎の部分がまるでバイザーのように目元を覆い、背中の棘がより隆起する……そして、まだ普通の手であったはずが、長い鋭利な爪を生やしていったのだ。

 

「なんと!?」

「そんな……!!」

「嘘でしょ……」

「おいおい……何なんだよこいつは!?」

 

 もう一度記す。

 

 ギガントマキアは、ヴィランであり。『災害』である。その圧倒的で無慈悲な力を前には、この超人社会の人間でも『無力』なのだ。

 

 その爪が、集まったヒーロー達へと振り下ろされた。

 

 

 

ーー同時刻、蛇腔ーー

 

 

 こちらでもまた一つ、無慈悲な結末が起こっていた。

 

 死柄木の掲げる右腕……そこに、だらりと力を失い胴体を貫かれているのは……かつてオールマイトを鍛え上げ、そして緑谷出久を鍛え上げたヒーロー……グラントリノ……。

 

 その姿を見せつけるように死柄木は笑い、緑谷は叫んでいた。

 

「し、師匠ぉおおおおーーーーーーー!!」

 

 ある世界では誰かが死んだ。

 

 この世界で、その『誰か』は生き延びた。

 

 だからこの世界で代わりに、グラントリノは死柄木弔により、命を落としたのだった。

 

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