【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
複数の個性を操り戦う相手を前に、レディナガンは機関銃のマガジンを入れ替える。片腕の銃身が溶けてしまった為、もう片腕の右手でしかライフルを撃てなくなった。
幸い、皮膚が焼けただけで感覚はある。指も動くと解けた左腕の指の動きを確認して、毒霧の晴れた道路を見て、ナガンは舌打ちした。
やはり逃した、今度は自分が追われる番かと移動を始めようとした矢先ーー建物が揺れた。
「真下か!?」
同時に、屋上の鉄筋コンクリートを破砕しながら現れた緑谷出久が、ヘルムの瞳を赤く光らせて現れた!
「レディ・ナガン!!」
「ちぃい!!」
叫びと共に右の拳が放たれ、ナガンは首を傾けて回避して、その風切り音に冷や汗がぶわりと滲んだ。頭に浮かぶ、割れたスイカみたいになる自分の顔面!ナガンは咄嗟に身体を屈めて緑谷の胴に掴み掛かり、足首をかけて、自らが打ち砕き開けた穴へと共に落下した!
「手足だけじゃすまねぇぞ!ガキぃ!!」
「なにおぉ!!」
落下の最中スカートの中に手を入れ、ホルスターから拳銃を引き抜き、ヘルムに突きつけるナガン!それを即座に引き寄せでずらし、弾丸はあらぬ方向へ放たれながら緑谷は上下身体を入れ替えて、ナガンの顔面を殴りにかかる!
それも、牢獄に入れられたとは言え元公安のヒーローだったナガンは、右腕をライフルに変形させ、腹を押して突き放し、二人は一階でエアウォークと引き寄せで着地した。
先手を打ったのはナガン、着地と同時に機関銃を緑谷に向けて引き金を引き、緑谷はそのまま弾道から外れるように走り出す!それを追いながらナガンも追従し、窓ガラスやコンクリートの破片が音を立てて散乱する!
撃ち切ったナガンは機関銃を投げ捨て、拳銃に切り替えた瞬間、壁を隔てた先にいた緑谷がそれを叩き壊して現れた!
「っしゃあ!!」
「くぅう!!」
反射気味に引き金を引くナガンの手首を捻り、そのまま身体を入れ替えて関節を極めながら投げに行く緑谷、ナガンは即座に身体を転がして捻りから抜けつつ、拳銃を握る右手を離して左手で掴もうとしたが、緑谷がそれを奪い突きつける!
「このクソガキィ!」
「あうっ!!」
しかしナガンは手首を蹴り上げ緑谷は銃を宙に弾かれ、更にナガンはそのまま緑谷へ馬乗りになり、今度は腰のホルスターからナイフを取り出し緑谷の体に振り下ろす!
手首を掴むようにして押し戻す形で力を込めて、緑谷はナイフを防いだ!
「こ……の……いい加減にしろ!」
「くぅうう!?」
そのままブリッジでナガンを胴体から跳ね上げ、馬乗りから抜けつつ逆に上になった緑谷!ならばとナガンは緑谷の右腕に足を絡め身体を伸ばして、腕十字固めで右腕を破壊しにかかる。
これも即座に手を捻り腕を抜いて、互いに距離を離した二人。床に落ちた拳銃をよそに、互いに見合ってゆっくり立ち上がり、ナガンは右手逆手にナイフを構え、緑谷は両手のアームブレードを煌めかせる。
ジリジリと、間合いを詰める二人ーーそして火花が散った。仕込まれたのか、習ったのかしらないナガンの太刀筋に、緑谷はアームブレードで弾く!そこから追撃に、ナガンは右足で緑谷の左膝を踏み抜きにかかり、緑谷は左足を引いて避けて右手を掴み自ら踏み込んだ。
「おっらぁああ!!」
踏み込んだ右足で地面を打ち鳴らし、ナガンの胸元に放ったのは右の肘打ちーー瞬間、ナガンは思わぬ力により吹き飛び、壁に叩きつけられた。
「がっ!?」
ナガンからすれば、超至近距離の間合いで、殴るにしてもここまで力が自分に加わるのは理解できなかった。喰らっても肋骨が持ってかれる程度……それがコンクリートの壁に亀裂が入るくらいの衝撃を受け、ナガンは吐き気と眩暈、そして横隔膜がせり上がりしばらく呼吸が止まる。
「3rd morphing……寸勁!!」
三代目継承者の個性『発勁』
本来は同じ動作を繰り返すことで、力を溜めてそれを少ない動きで放つという個性だった。
変異により現れた『寸勁』は……最小の動作でもって、最大限の力を叩き込むという個性に変化していた!
コンクリートの壁から剥がれ落ちるように、レディ・ナガンは膝をつき、前のめりに倒れて両手をついて、痙攣しながらも倒れまいと力を込める。
「勝負ありだ、レディ・ナガン……その身体で動くのは無理でしょ?」
足元しか見えなかったが、棒立ちの緑谷がレディ・ナガンに声をかけた。もう勝負はついたと……。
「AFOの居場所、死柄木の居場所、吐いて欲しい……まだ、間に合ーー」
緑谷出久は見誤った……彼女は元公安直属のヒーロー、牢に入れられブランクがあろうと、その冷酷さと強さは錆びてはいない!即座に形成されたライフルの銃身が、緑谷に突きつけられて、それに反応したが……緑谷のヒーロースーツ『シン』のヘルムが外れてしまう衝撃と共に、緑谷は倒れた。
「うぁあああ!?」
そして身体を転がして、ナガンは壁に隠れながら息を切らしながらも吐き散らす。
「間に合う?はぁ、はぁ……馬鹿か……すでに終わってんだよガキ……お前には分かるまい、作られたハリボテの正義のために、公安が何をしてきたのかーー」
緑谷はしばらく景色が揺らいだが、即座に近場の壁に転がって、ナガンから見を隠し、彼女の独白を聞いた。
そして知ることになる……自分たちが見てきたヒーロー社会は、薄っぺらい一枚板に遮られたハリボテだったという事情を。
6th morphing『毒霧』
六代目継承者、揺蕩井煙の個性『煙幕』が変異した個性。有毒性の霧を吐き出せるようになる。その有毒レベルも操作可能で催涙ガスから、呼吸困難に陥れ殺傷できる程にまで調整可能。まあ、空気ではなく液体であるため、口に溜めて放てば高圧水流のように放てる、放たれた毒霧の液体はあらゆる物を溶かし尽くす。
なお、流石に芦戸さんの溶解度MAXの方が溶解力は強い。
・3rdmorphing 『寸勁』
三代目継承者の個性『発勁』が変化した個性、最小の動きで持って、最大の力を叩き込めるようになる。簡単に説明したら、1インチパンチとか出来るようになる。
つまりはリアルバー◯ャファイ◯ー。レディ・ナガンにぶっ放した肘打ちは、八極拳の外門頂肘である。
ちなみに……この時の緑谷はOFAのパワー無解放で、自分の力だけで攻撃したわけだが……仮に100%でナガンにぶっ放していたら彼女は血と肉片のシミになっていた模様。
十年早いんだよぉ!!