※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

439 / 697
328話 カレーは中辛、布団は羽毛

「お風呂の温度は!?」

「「「「「1D100℃!!」」」」」

 

 雄英高校敷地内、A組寮『1-Aアライアンス』大浴場では、今運命のサイコロが投げられていた。0〜9の10面ダイス二つ、赤が十の位、白が一の位……その二つが止まってA組男子は叫ぶ。

 

「「「「「98℃!!ファンブル!!」」」」」

「沸かせーー!」

「うぉおおおーーー!!連打連打連打あたぁ!?」

 

 出た数値は98のファンブル!!それを見た瞬間峰田が、大浴場の温度メーターの+ボタンを連打して、爆豪にシバかれた。

 

「トドメ刺す気かアホンダラァ!!42℃でいい感じにしとけや!!」

 

 殺す気かお前らは!と言うわけで42℃の湯船に浸かる前にーー。

 

「脱がせーー!!」

 

 風呂だから脱がねばなるまい、そして緑谷は椅子に座らされーー。

 

「洗えーーー!!」

 

 シャワーが多方面より噴射されて緑谷の体の汚れを落として行く!

 

「バカヤロー!!ボディーソープ忘れてんぞ!!今準備するからこいつをかけぎゃあ!?」

 

 お湯だけで汚れが落ちるかよと再び峰田が、桶に張った何やらぬるぬるしたボディーソープらしき液体を、タパタパ手でかき混ぜていたのを見て、再び爆豪が桶をぶん投げて当てられ制裁された。

 

「どこの風呂のボディーソープだテメェは!!てか椅子まで用意してんじゃあねぇよ!!どこから持って来たぁ!?」

 

 なんか黄色で中心が凹んだ椅子まで置かれていたが、それはさておきしっかり洗われた緑谷はーー。

 

「お風呂へーーぽーーん!!」

「あーー……」

 

 凄まじい飛沫をあげて、緑谷は湯船に叩き込まれた。そして雄英一年A組が次々と湯船にダイブした。

 

「大概の事はお風呂入ればなんとかなるーーーうわぁあああ!?緑谷が犬◯家になってるーー!?」

「体勢変えろ体勢!?って、おおでけぇなやっぱり」

 

 そして跳ね上がった湯船に男子達が使った中……緑谷だけが頭でなく両足が湯面から出ていたのだった。と言うわけで◯神家から復帰して湯船に叩き込まれた緑谷に爆豪が叫んだ。

 

「おい湯船に汚れが浮くだろうが!金たわしと業務用洗剤原液でこそげ!! 」

「用法容量は守らなきゃダメだぜ!」

 

 さっきのぬるぬるボディーソープは兎も角ちゃんと洗えと爆豪が注意し、切島がそんな物で洗ったら肌ズルズルになるぞと声を上げた。その間緑谷本人は、久々の湯船に呆けていた。

 

「過ちを謝したにしては変化が無いな……」

「変われよ……」

 

先程緑谷に過去を謝った割には変わらない爆豪に、常闇が指摘して砂藤も同感だと呟くが、爆豪も湯船にダイブして皆に湯を叩きつけた。

 

「……一番になんのを諦めたわけじゃねぇ、全員ライバルなのは変わんねぇ……テメーも含めてな、糞ヴィ……イズク!」

 

 追撃とばかりに顔面へ湯を叩きつけられた緑谷、それに対して緑谷は……。

 

「かっちゃん……別に僕はNo.1を目指してるわけじゃーー」

「あーほら、緑谷ぁ……そこは頷いときな?爆豪は競いたいんだからさ」

「けっ、相変わらず欲のねぇ……」

 

 緑谷にとっては、チャート順位はどうでもいいが、この場は競い合うと頷く場面だと上鳴から指摘された。爆豪は緑谷が返す言葉は分かってたみたいらしく、舌打ちしてそのまま肩まで浸かった。

 

 

 

 気がつけばもう夜も遅くになっていて、緑谷はまだ眠気が無いと久々のリビングスペースのソファに座って、ふと麗日さんが居ないなと皆に尋ねた。

 

「麗日さんは?」

「寝ちゃった、安心したら力抜けちゃったみたい……他の子もそんな感じ」

 

 耳郎が答えた、あれだけの事をしたから精神的にも疲弊していたらしく、部屋で先に寝たと言われ、緑谷はそうかと呟いた。

 

「その、皆……ごめん、迷惑かけて……」

 

 改めて、この場で起きている皆に緑谷は謝罪した。一人で出て行った事、それで皆を掻き回した事、頭を下げてしっかり謝った。

 

「そうだよ緑谷、言ってよね?まぁでも……ちょっと言えないかな?流石にさ」

 

 話の供にフルーツをかごに盛り付けている砂藤や口田、八百万達の元に近づいてカゴからイチゴを取り上げつまみ食いしながら芦戸は同情した。流石にそんな事抱えたら言えないなと。

 

「それでも、たった二文の手紙は辛かったぞ同胞よ」

「いやほんと……切羽詰まってたから……ごめんなさい」

 

 常闇からもあの手紙は辛かったと言われ、それくらい追い詰められていたと、言い訳にしかならないが緑谷は謝った。

 

「でも話の飛躍が凄まじくて、理解が追いつかないよ……ウイルス打たれて死にかけて?個性が変異して……AFOと同じになった?だっけ」

「個性を引き抜きってのはあれだよな、脊髄ぶっこ抜いて武器にしてたし何となく分かるけど……まさかAFOと同じ個性になるなんてさ……」

 

 だが言えずに出て行った理由もわかると尾白は、緑谷の個性『脊髄ぶっこ抜き』の始まりがそんな経緯があって、さらにAFOと同じになってしまった事に同情した。瀬呂も、そこまで個性が変わった流れも、整理してみたら片鱗はあったなと思い返す。

 

「実際だけど……個性を引き抜くってどうやってるの?オールマイトから引き抜いたのは皆聞いたけど……じゃあオールマイトの力も体にあるんだよな?」

「ああ、それは……」

 

 質問攻めにされ、どうしたものかと緑谷は困る中、先程風呂から出て来たらしい轟がその様子を見て声を上げた。

 

「緑谷が一番眠いだろ?寝かせてやれよ、何のために連れ戻したんだよ」

 

 湯上がり美男子というやつか、ポーズから様になっていて峰田が待てよと指摘した。

 

「お前その登場……そのポーズ素でやってんのか?」

 

 ポージングからシチュエーションまで美男子しか許されないことを素で行い、様になっていたので、峰田は試しに眼差しからポージングまで真似て隣に座っていた瀬呂に尋ねた。

 

「どう?何点?」

「屠殺場行き、ミンチマシーン持ってくるわ」

「そこまで!?」

 

 キッチンの全自動ミンチマシーン(八百万創造、緑谷現金支払い)を取ってくるとまで言われ、瀬呂が立ち上がったのを見て待てよと焦る峰田に、緑谷は苦笑した。

 

「大丈夫か?」

 

 そんな光景をよそに湯上がり轟くんが、緑谷の隣に座ってそう尋ねて来たので、緑谷は答えた。

 

「大丈夫……ちょっとまだ寝れないかな……」

「何で……?」

 

 余程疲れて眠れないと思ったが、何かあったのかと轟に尋ねられ、緑谷はため息を吐いた。

 

「オールマイトから個性、奪ったからさ……どの面下げてって感じで……謝らなきゃって、あの後姿がーー」

 

 そもそも出て行く前に、緑谷はオールマイトからOFAを奪って行った。今こうして雄英に戻って来たが、本当にどの面下げて帰って来てしまったのかとまだ胸のつかえがあり、謝りたいがあの戦いの後見当たらないからどうしたものかと思った矢先ーー。

 

「そこに居るぞ……」

「え?あーー!?」

 

 轟が指差した先に、痩せた鶏ガラオールマイトが窓にへばりつくようにコチラを見ていた。

 

 

 戦いを終えた二人が、A組寮でようやく対面した。お互いが向き合って、最初に頭を下げたのは緑谷だった。

 

「忠告も聞かず、一人出て行ってしまいすいませんでした……」

 

 その謝罪を聞いたオールマイトだったが、それを聞いて即座に返すように頭を下げた。

 

「私こそ、キミの苦しみを知りながら皆に隠し、力になれずすまなかった、緑谷少年!」

 

 オールマイトからも謝罪が来て、緑谷は苦笑した。この人はどこまで自罰的なんだろうか、だから平和の象徴になっても一切笑みを崩さなかったのかもしれないと、緑谷は頭を上げてから……意を決して自らの両手を胸に当てた。

 

「ぐぐ……んぅうぬぁあああ!!」

「ちょっ!?どしたん緑谷!!」

「あ、危ないから、離れてて!」

 

 苦しみ出す緑谷に上鳴が近づこうとしたが、離れて欲しいと声をかける。そしてA組の面々は目撃する!緑谷の胸板から現れる鮮やかな紅いクリスタル、それが緑谷の身体が引き抜かれ、そして息を切らして膝を付いた緑谷が、ゆっくり立ち上がり、オールマイトにそれを差し出した。

 

「お返しします……全てのワン・フォー・オール」

 

 これが、今の緑谷の個性『オール・フォー・ワン:ダッシュ』の力、相手から個性を抜き取り、自らの力にする事も、そして自らが手にした個性を抜き取り返す事もできる……AFOと同じ力を見たA組は、驚くしかなかった。

 

「緑谷少年……申し訳ないが、私はそれを受け取れない」

 

 しかしオールマイトは、本来の持ち主でありながらOFAの返却を拒否したのだった。これには緑谷も、唖然として尋ねる。

 

「な、何故ですかオールマイト……これは貴方の個性、正式な八代目の貴方が継いだ力、奪った僕が持ってはいけないーー」

「緑谷少年?忘れたか?恐らくなんだが……今私がこれを取り入れたら……私が、爆散するぞ?」

「あ!?」

 

 受け取らない理由は、緑谷も言われて思い出した。そもそもこのOFAは伝え受け継がれて来た、緑谷含め9人分の個性と経験が詰め込まれた力!緑谷の肉体はそれに耐えうるように変異したが、オールマイトが受け取った瞬間!彼が爆散するくらいの力がこの結晶には宿っているのだ!

 

「しかし、これが個性なのか?ゲームの召喚石みてぇだな」

 

 瀬呂は、緑谷が取り出した結晶をマジマジ見つめ、これが個性を取り出した物体なのかと呟く。

 

「うん……僕はこれを因子血晶と呼んでる……僕が引き抜いた個性は、この形になって他の人に刺したらその人が、その個性を使えるようになる……のかも」

「かも?とは?不確定な言い方ですね、緑谷さん」

 

 引き抜いた個性を他人に与える事が可能、らしいと緑谷の口ぶりが不確定で、分からないと言いたげな様子に八百万は尋ねた。

 

「試したことは無いんだ、オールマイトから奪って、自分に突き刺したら確かに力は上がった、負担もね……けど、自分やオールマイト以外には試したことは今は無い……もしかしたら取り出したら最後、戻せなくなったりとかあるかも……だから、試してくれとか無しにしてね?」

 

 緑谷は、この個性を使ったのはオールマイトから奪ったのと自らにOFAの着脱をした時のみで、まだ不安定かつ分からない部分があるから、かも?と付け加えたと弁明した。それはそれとして……。

 

「どーしよ、これ……かっちゃん使う?オールマイトになれるかもよ?」

「要らんわ!!テメェ以外が入れたら爆散するもの他人に埋め込もうとするんじゃあねぇよ!!」

 

 他の人間に入れたら爆散する危険物を押し付けるなと、ナチュラル畜生な事をしてくる緑谷に爆豪は要らんと叫んだ。

 

 そんな悩む緑谷に、本来の保有者たるオールマイトがどうすべきか提案した。

 

「……それはキミが持っていなさい、緑谷少年」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。