※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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329話 つながる、つながる

 オールマイトは言った、OFAはキミが持つべきだと。

 

「キミを引き止めるために、私は残り火の全てを使った……あの姿にはもうなれない、そして……今、OFAを宿して使える人物はキミだけだ、近いうちに決戦の日が来る……死柄木、AFOとの戦いにキミは重要な戦力となる」

「……責任を取れ、ですか……」

 

 真っ当な理由であった。死柄木、そしてAFOとの戦いでOFAは重要な戦力になる。そして今、それを使いこなせるのは緑谷出久だけ、オールマイトは既に肉体が受け入れられない、今から実験のように誰かへ差し込むなんて言語道断……奪った責任を取れという事かと、緑谷はOFAの因子血晶を眺めて頷いた。

 

 今起きている面々にだけでもと、オールマイトは改めて話を続けた。

 

「詳しい話は避けるが、情報を得ている……近いうちに答えがわかる……総力を持って当たる!私も……この身にできることは限られているが、それでも……!」

 

 そして、いよいよもって決戦が迫っていると、オールマイトは宣った。最早何も力が無い自分だが、やれる事全てをやると宣言するオールマイトに、緑谷は答える。

 

「オールマイト……弁当ありがとうございました、もっと早く戻るべきでした……自分でも言ってたのに、だから……一緒に!」

「守りましょう!」

 

 飯田もそれに続いて、オールマイトは笑った。

 

「ありがとう……」

 

 力無く見えて、それでも意思は見えるオールマイトの笑み。そして彼は心中で思っていた、まだやるべき事がある、この身が朽ち果てるまで、事を成すまで戦わねばならないと。

 

 

 時間は少し遡る……。

 

 緑谷出久を止めるために戦った、神野の広場にオールマイトは戻っていた。AFOを倒したこの場所に建てられた自らの像には『I AM NOT HERO』という看板が吊り下げられていた。

 

 オールマイトは、足元に転がっていた破片を拾う。最後の力で、打ち砕いた緑谷出久の仮面、その破片かと手に握りしめると、背後の気配に声をかける。

 

『出て来たらどうだ?私は逃げも隠れもしない……』

 

 その声に、一人の男が瓦礫からゆっくり出て来た。目元を布で覆い、目の部分だけを開け、背中に日本刀を携えた男……。

 

『ヒーロー殺し……ああそうか、キミも出てきてるよな……』

 

 『ヒーロー殺し』ステイン……『英雄回帰』思想の元、40人ものヒーローを殺して来た凶悪犯……現役時代には一度も会わなかったがここに来て現れたかと振り返って強く睨みつける。

 

『私に何の用だ……最早戦えない私の、この首をとりに来たか?』

 

 既に力は失い痩せたただの人間でしか無い、それでも首を取りに来たかと尋ねるオールマイトに、ステインは言葉を発した。

 

『……戦えないと言う割には、その目はまだ火を失っていない、それどころかより強くなっている……何があった?』

 

 力を失って無力だと宣う割には、まだその目に火は宿る様に、ステインは何故そうなったかと尋ね……オールマイトは答えた。

 

『何もないさ……ただ、力を奪われ、失っても……やはり私は身体が動いてしまうらしい……どこまで行っても私は、どうにかしなければと考えてしまう……それだけだ』

 

 昔からだった、何かせずにはいられない、理不尽に奪い奪われる世界が目の前にあって、なんとかしたいと思っていた。無個性の自分には力が無かった……だから受け継いで、ひたすらに動き続けた。

 

 そして引退して、また同じ景色が現れて……弟子が破滅に向かうのを最後の力で引き留めた。もう腰を下ろしてもいいと思った……だが、それを自分が許さないらしと自嘲気味に語る。

 

 ステインはそれを聞いてーー何かを地面に投げつけた。

 

『やはり貴様は唯一無二の英雄だ、オールマイト……引退して腑抜けたと思っていたが……変わらず居てくれて良かった』

 

 オールマイトは、ステインが地面に投げつけた物を見た。短刀だった、それが何かの紙を貫いて止めている。それを引き抜き、オールマイトは立ち去るその背中を見つめた。

 

『全ては正しき社会のために……タルタロスから得た情報だ、その情報を使え……そして必ず、このヒーロー四十名殺傷犯ステインを終わらせに来い』

 

 これを渡す為に、わざわざ姿を現したのかと、オールマイトは紙片を短刀から抜き去り、ふと気づく。

 

『雨が止んだな……』

 

 先程までの雨が止んでいて、少し日の光が曇天から漏れ始めていた。

 

 

 

ーーアメリカ、ワシントンD.Cーー

 

 アンドルーズ空軍基地、緑谷久は現地空軍のパイロットと共に、戦闘機へ向かいながら会話していた。

 

「それで、あんたを乗せて横須賀まで送ればいいのか?俺は?」

「ああ、国防長官から話は通ってるはずだが?」

「聞いてるさ……しかし日本は余程荒れてるらしい……オールマイトが世界に救難要請出したってくらいだからな」

 

 パイロットから、オールマイトがそこまで追い詰められている日本の状況を知り、渡航制限の理由も理解した久は、パイロットに尋ねた。

 

「ヒーローの国際派遣は……相当面倒らしいな?」

「ああ、何より日本が混乱してから、世界各地でヴィランが活発化してる……示し合わせたかのように、日本へ行かせないとばかりにな……AFOの黒いパイプってやつだ」

 

 操縦席へと登り、搭乗するパイロット、次いで自分は後部の複座へと登る。

 

「では……向かえないのか?アメリカのヒーローも?」

 

 こちらで手一杯なら、誰も日本には応じれないのかと、久はパイロットに聞いた。それを聞いたパイロットは、様々なスイッチや計器を確認しつつも、久に言う。

 

「いや、勝手に出たらしい……ウチのナンバー1とナンバー6がな?ナンバー1はオールマイトを師(マスター)と呼ぶくらいに敬愛してる……しかしナンバー6まで何故か追従したのは……兎も角、あんたは寝てていい、空中で数度給油して、横須賀の米軍基地にあんたを下ろす、そこからは知らん」

「感謝する」

 

 旅客機なら12時間弱を、戦闘機ならば数時間で行ける……アメリカに今は渡れない今、息子の元へ行くにはこれしかない。久はヘルムと酸素マスクをしっかり確認して、座席に身を委ねた。

 

「そんじゃあVIP、快適とは程遠い空の旅へご案内!!」

 

 パイロットの軽口と共に、久を乗せた戦闘機が飛び立った。




次回予告

オールマイトが、世界各国のヒーローに派遣を要請。対応を渋る各国の首脳をよそに、二人のヒーローが敢然と立ち上がった。

米国No.1ヒーロー『スター・アンド・ストライプ』

そして、No.6ヒーロー『ビリー・H』


次回、僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア第七期

『欧米ぎりぎり!?ガッチムチのナウいヤツ♂』

更に向こうへ!プルス・ウルトラアッー♂
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