※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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前章FINAL 最後の戦いに向けて

 AFOとの戦いが近づく中で、遂に見つかった内通者である青山優雅……しかしこの状況は、AFOを欺ける突破口になれると緑谷は考えたA組一同。

 

「待て、待て待てGuys!飛躍しすぎだ!」

 

 そこに待ったをかけたのがプレゼント・マイク先生だった。裏切り者を許し結束の流れは王道だが演劇やアニメじゃあないんだと彼は落ち着く様に諌めた。

 

「罪は罪……言いたかねぇさ、けどな……お前らが1番の被害者だ」

 

 その青山の行動で被害を受けたのがA組だ、その果てがここなんだと現状を改めて認識させ、そしてマイクは再度尋ねる。

 

「今更……信じられるのか?」

 

 その内通者で、被害を出した男を、信じる事がお前達には出来るのかと問われ……。

 

「それは……過去の話でしょ?」

 

 飯田が前に出ながら断じた。もうそれは、過去の話であると。

 

「彼の心のうちを掬い取れなかった、俺たちの責任でもあります……だからこそ、今泣いて絶望しているクラスメイトを、友として手を取りたい!手を取って貰いたい!それが……彼と俺たちが、再び対等になれる唯一の方法だからです!」

 

 普通なら、裏切り者と、ふざけるなと罵倒してもいいくらいな事。だが飯田も、そしてA組も、気付いてあげられなかったから、今度こそは手を取り助けたいという気持ちは同じだと飯田が言った。

 

「合宿でヒデェ目には遭ってっからなぁ……五発くらいハウザーぶち込んでトントンだなぁ!」

「ツッコミ辛すぎるからやめろ?」

 

 が、それはそれとして被害を被った当人の爆豪は、やはり禊のハウザーを叩き込んでやりたいらしい。瀬呂もそれはやめろと止めたが……。

 

「まぁ、それは確かにあるか……よし」

 

 泣き止んだ緑谷が、爆豪の言葉を聞いてスンと真顔になった。そして、スタスタと再び青山の元に歩き出した。A組一同、この瞬間『あっ……』と、緑谷が何をしようとするのか察してしまった。

 

「緑谷くん?」

「み、緑谷少年?」

 

 塚内とオールマイトが何をする気かと尋ねた。そして、先程は膝を曲げて青山と目線を合わせた緑谷だったが、今度は青山を見下ろし。

 

「殺されるのが怖いなら、いっぺん死んでみようか、青山くん」

 

 あ、やばい、ごめんママンパパン、そんな両親への謝罪すら言えず、緑谷は青山の頭をガシィィイ!と鷲掴みにし。

 

「祝、クラスメイト3人目のぶっこ抜き被害者だな……」

「爆豪と俺、そして青山か……」

「いえ、私もやってもらって4人目ですわ……」

 

 爆豪が久々に目撃する克服したトラウマに遠い目をして、轟が首を触りながら苦い顔を浮かべ、八百万がカウントを訂正した瞬間ーー。

 

「はいせーの!」

『ノォオオオーーーーーン!!』

 

 口が塞がれた筈なのに、そんな叫びが聞こえてきそうだった。青山の頭部が引きちぎれて、脊髄がぶっこ抜かれて血を吹き出した。

 

「「優雅ぁああああああああーーーー!?」」

 

 両親からしたら、たまったものでは無いだろう。まさか我が子がこんなスプラッタな死に様を迎えるなどと……だが。

 

「そして、パイ◯ダーオン!」

 

 即座に首の断面に脊髄を突き刺し直し、青山夫妻はその光景に度肝を抜いた。引きちぎれた断面の血管、筋繊維、神経が巻き戻る様に繋がり、皮膚すら綺麗に繋がって……青山優雅は目を開けた。

 

「話には聞いていたが……生で見ると凄まじいな……」

 

 塚内含めた警察関係者も唖然とするしか無い、明らかに死んだ、殺したはずの光景。しかし青山優雅は再び生き返り、涙も止まって目を開いて緑谷を、皆を、先生達を見ていた。

 

「一度死んだから怖く無いでしょ、AFOなんてさ」

 

 殺されるのが怖いなら、一度死んでみろ。何という荒療治だろうか……しかし、死を無理矢理突きつけられ、そして生き返った青山は呆けてはいるが涙は止まった。そんな青山に緑谷は言った。

 

「もしこの戦いでキミが死んだら、僕も責任取って死んでやるからさ……一緒に戦おう、青山くん?」

「違うぞ緑谷!」

 

 もしも死んだら一緒に死んでやると、そこまで緑谷が責任を取ると言う口ぶりに、切島が割って入った。

 

「誰も死なない、殺されない!俺たちも青山も全員で生きて勝つんだ!!んな責任の取り方させねぇかんな!!」

「また忘れてるぞ緑谷、1人じゃねぇんだから、逐一背負おうとすんなよなぁ」

 

 またそうして全て責任を取ろうとするなと、切島に峰田が緑谷の言葉にストップをかけて……緑谷はああそうだったと思い出して笑った。

 

「待て、ちょっと待って!盛り上がってるとこ悪いが……まずは、青山一家に捜査協力を頼むとして……」

 

 もう流れで青山優雅も共に戦う少年漫画じみた若く青い流れとなっているが、そこは待ってくれて塚内が若人のエキサイトを落ち着かせた。

 

「AFOには嘘は通じない、嘘をつけば処分されると先程聞いてる、君たちの気持ちも分かるが、ここは冷静にーー」

 

 塚内の宥めるための話が始まる最中、黒板型スクリーンが突如作動し、電話が繋がった。

 

『緑谷、AFOを誘導すると言っていたな?』

 

 それは、現在セントラル病院にて療養中の担任、相澤先生の声だった。そのままテレビ電話に切り替わり、右目は眼帯をしている相澤先生が映し出される。

 

『何か具体策はあるのか?』

 

 青山に協力して貰うとして、何か策はあるのかと相澤に問われた緑谷、それに対して彼は胸を張ってこう答えた。

 

「ございません!今から考えます!」

 

 その一言で、A組一同、オールマイト、プレゼント・マイク、根津校長、さらにテレビ電話の向こうの相澤先生、そして塚内以下警察関係者全員がずっこけた。

 

「オイコラ出久てめぇ!?何か考えあるんじゃあねぇのかよ!!」

「普通そこは、僕に考えがあるとかじゃねぇのか緑谷!?」

 

 そこは考えあって言ってたんじゃあねえのかよと、爆豪と切島2人に緑谷は詰められた。しかし緑谷、真顔で切り返す。

 

「それを今から考えるんだよ、僕だってそんなポンと思いつく訳でもなし……」

「いい性格してんなぁ、緑谷って……」

「まぁ、あんな憔悴よりはいいでしょ、元気になってるって事で」

 

 そんな数十秒前に見えた道筋で作戦を組み立てられる訳がない、だから今から考えるんだと、全うながら解せない返しに瀬呂は苦笑し、砂藤はそれだけ精神も安定してきているからいい経過だろうと呟いた。

 

『正直でよろしい……ったく……塚内さん、この責任は見抜けなかった担任の俺にあります……ただ、気持ちはこいつらと同じです』

「相澤……」

 

 青山が内通者と見抜けなかったのは自分の責任そして、共に戦うと言う気持ちは自身の教え子達と変わらないと言う相澤に、同じ教師であり同期の桜であるマイクは名前を呟く。

 

『青山……俺はまだ…………お前を除籍するつもりは無い』

 

 それは許しか、はたまた責任を取れと言う意味か、内通者である青山の除籍をしないと宣言した相澤に、青山は目を見開いて再び涙を流し始めた。

 

『A組担任として俺に考えがある……塚内さん、一応青山とご両親には聞こえない様に、配慮を願います』

 

 それでも、AFOがまだ何かを彼らに仕掛けていると考えて、相澤は青山一家に作戦が聞こえない様に頼んだ。

 

 警察により耳栓をされ、そして相澤は語り始めた。

 

『俺が考えた作戦はーー』

 

 

 

 相澤先生が立案した作戦を聞いて……A組は解散となった。青山優雅と両親は警察に連れて行かれ、セントラル病院でAFOが何かをしかけてないか検査し、それを終えて捜査協力を受ければこの作戦は一週間後に行われる。

 

 寮に戻ったA組の面持ちは皆暗い、しかしそれは青山への諦観や呆れからでは無い。

 

「とりあえず準備だな……」

「ああ……」

「まずはコスチュームだな……バラバラになってしまったからな……」

「父さんに相談しよう、飯田くん」

「圧縮訓練を継続してギリギリまで伸ばさないと……」

「だね……」

 

 各々が、これからすべき事、やっておかねばならない事を呟いている。そんな皆に……葉隠が声を上げた。

 

「皆、絶対勝とうね……」

 

 

「「「「「「「ああ!」」」」」」」」

 

 暗くも、その表情には怒りが宿っていた。よくもクラスメイトを泣かせてくれたな、よくも青山に酷いことをさせたな、決して許さないぞAFOよと、A組全員漏れなく凶相を浮かべていた。

 

 

 騒動を終え、一週間後の決戦を迎えるまでの準備に、緑谷と飯田は雄英高校校内に立ち入っていた。目的は飯田のヒーロースーツの修理、その為に向かった先はーー。

 

「ここか……と言うか父さん、スペース貰ったんだ……」

 

 ヒーローコスチューム、そしてサポートアイテムの開発や修理はサポート科の『開発研究室』へ行くのが普通だ。

 

 しかし、それとは別に……サポート科の一教室を借りて看板が紙で貼り出されていた。

 

『アトリエ・ヒサシ、雄英高校店……ヒーロースーツ修復承り〼』

 

 改めて父の仕事を見るのは、久しぶりだったようなと出久は雄英高校に出張した父の仕事場に立ち入る為に、扉を開けた。

 

「父さん、居るーーうわ!?」

「こ、これは!」

 

 2人して驚くその内観、いくつかのトルソーが立っているだけでなく、布の束といういかにもな道具から、何やら化学実験の様にパソコンや機材、さらには溶接バーナーまで様々な機材が用意されており、それに対して簡素な……四つ足の椅子に座っていた出久の父、久は2人を見て立ち上がった。

 

「出久、そして飯田くん、ようこそアトリエ・ヒサシへ、キミ達がこの工房最初のお客様だ」

 

 改めて……本当に父親がヒーロースーツを作っているんだなと仕事現場を見る事になった出久は新鮮な気持ちだった……が。ふと思いつく。

 

「父さん、飯田くんとかのアーマー系ヒーロースーツまで直せるの?」

 

 そうだ、そもそもこの人はデザイナーで、昔小さな時の家で使っていた部屋はそれこそキャンバスとパソコンしかなかった、あくまでこの人はデザインだけしかしてなかったようなと尋ねた。

 

「直すさ、出久……大人になっても人は成長する、材料と仕様書かデータがあれば、アーマーだろうとスーツだろうと直すし“創り直す“よ、俺は……あ!電子系統組み込みはできないからシンは直せれんからな?さて……飯田くんのスーツのデータはこっちで貰ってるから、ここで直していこうか」

 

 お前、俺が何年離れて仕事しているのか知っているだろうと、デザイナーとして自ら作り上げる術まで体得していたらしい。それは布生地のコスチュームだけでなく、アーマー系コスチュームを自作できるまでになっていた。『シン』のような電子制御やシステムを組んだハイテクはできないが、と付け加える。

 

「できるんですか!?」

 

 普通なら一週間かかる覚悟をしていた飯田だが、ここで直すと聞いて驚いて叫んでしまった。

 

「任せなさい、スターのスーツを縫い上げたその技術をしかと見てもらおう」

 

 髪の毛をタオルでバンダナの様に括り、久の目は正しく職人の様に輝いた。

 

 そこからは……凄まじいの一言だった。

 

 どこから手に入れたのか、飯田天哉のスーツデータより出力された型が、プリンターにて出力され、そこに材料の合金が流されていく。出来上がったパーツを片っ端からバリ取り、研磨していき、その目と手触りだけで確認して妥協なく磨いていく。

 

 スプレーガンによる塗装も早い、今は速乾性の塗料もあり、客を待たせないとばかりに……あっという間に蛇腔で破損した飯田のヒーロースーツは蘇ったのだった。

 

「そら、着心地は後で報告して欲しい、些細な事でもそれで命が失われるからな」

 

 出来上がった飯田の、インゲニウムのアーマーは、正しく寸分違い無く再現された元の形に蘇ったのであった。

 

「凄い……こんな早く」

「よしてくれ、雄英のサポート科の開発機械がいいんだ、だからできるんだ、本当なら……三ヶ月かけて新スーツを一から作ってあげたいがね」

 

 あくまで自分は研ぎあげたり塗装しただけ、そもそもここまでいい機械があるからこそできる事だと説明する。それでも、直って戻って来たヒーロースーツのアーマーを纏い、違和感無くしっくり来たらしい着心地に飯田は言った。

 

「……いずれプロになったら!新しいのを頼んでもいいでしょうか!」

「いいよ、その為に……AFOを倒さないとね」

「はい!必ず!」

 

 スーツが直ってよかったと、これでこの後の任務に彼も参加できると緑谷が胸を撫で下ろす中、久は出久に声をかけた。

 

「出久、お前には……新しい装備を作っておいた」

「え?」

「シンのグラップルシューター、どうやら使いづらかったみたいだな」

 

 久がそう言いながら、奥から取り出して来た物がテーブルに置かれて緑谷は驚いた。今までのサポートアイテム、ガジェットとして使っていたグラップルガンは、発目が作った物だった。

 

 シンの装備品として送られて来たグラップルシューターは、その勢いや個性訓練から使わなくなってしまっており、そこから改良したらしい……。

 

 が、その様相はまるっきり変わっていた。今までこそヒーローガジェットの未来チックなグラップルガンは……さながら美術品の様な中折れ式銃に姿を変えていたのだ。

 

「ヴィラン・ハント……中折れ式単発の銃型ガジェットだ、強化ゴムの暴徒鎮圧弾頭、催涙弾、テーザーと様々な弾丸を撃てる……で、下の方にはグラップルアンカーも取り付けた、うまく使いなさい」

 

 投げ渡されたその美術品じみた新しいグラップルガンであり、装備を眺め……出久は久に頭を下げた。

 

「ありがとう……大事に使うよ」

「……一応言っとくが……」

「うん?」

「至近距離で撃つなよ?」

「約束する」

 

 約束はした、だが破るかもしれないと、緑谷はホルスターを取り付け、新たな装備をそこにしまった。

 

「それじゃあ2人とも、気をつけて行って来なさい」

「「はい!!」」

 

 こうして久は、2人を送り出した。出て行った2人を見送って、1人になった借り工房で、久はふと設計を記す作業机を見た。黒い機械質なアタッシュケースが鎮座している……それをしばらくみた久は、ため息を吐いて呟いた。

 

「いざとなったら……それが来なきゃいいが……」

 

 全てが上手くいくとは限らない……しかし、息子の戦う敵は強大だ……そのいざという時が来ると覚悟を決めねばならないなと、久は願うのだった。

 

 

 

 動き出す、ヒーローも、ヴィランも。

 

 この国を守る為に、混沌にする為に……。

 

 踏みとどまった緑谷出久は、共に鍛え分かち合った友人、鍛えてくれた師、諦めないヒーロー達と共に、最後の戦いへ向けて準備を始める。

 

 残り時間は一週間と短いーー。

 

 そんな崩壊した日本に……最後の戦いを前にして。

 

『奴』は……やって来たのだった。




ヴィラン・ハント

イーヴルヒーローイズクのサポートアイテム、グラップルガンの完成系。
中折れ単発式の拳銃型ガジェットで、非殺傷ゴム弾、催涙弾、テーザーなど、様々な弾丸を打ち出せる他、銃口の下にはグラップルアンカーが搭載され、今まで通りグラップルガンとしても使用可能。

今までの見た目が未来志向なガジェットの外観から、さながら美術品のマスケットの様な外観に変わった。グラップルガンありきの移動から、個性によっての移動にシフトしたのもあり、武器としてのサポートアイテムに舵を切った転換期の一丁。製作者はデイヴィット・シールド、デザインコンセプトは緑谷久。

ていうかもろ、獣狩りの短銃である。
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