【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「アンナお嬢様?」
執事の台詞に緑谷は首を傾げた。待てと、先程の一幕を緑谷は思い出してみる、アンナお嬢様とはつまり……あのドレスに金髪のギンジに連れられた人だろう、偽オールマイトも言ってた。
この殺し屋執事は……ターゲットにお嬢様と呼称するカッコつけ系の殺し屋……ではなくて、何か事情があってあんな事をしたのだろうかと、ギャング達にリボルバーを突きつける執事を見る。
「し、知らねぇなぁ……」
「たとえ知ってても喋るわけがねぇだろ!」
しかしまぁギャングというか、マフィアとは気合いが入ってるらしい。大人しく吐く様子は無いようだと、執事の瞼が細まった。
「左様でございますか……ならば用はございません……」
「待った待った、ちょっと待って」
そうして、引き金を引いて終わらせようとした執事に、緑谷が待ったをかけた。
「何ですか?ヒーローがマフィアの肩を持つつもりで?」
「違うって、そう即座に切り替えるのも大切だけどさ、もっと追い込んでみないと……」
「は?」
緑谷は止めにかかったが、可哀想だとか、非情だからやめろという事で止めたのではなかった。もうちょっと踏み込めば吐くかもしれないよと、緑谷の台詞に執事は目を丸くした。
「お、おい、何をする気ーー」
「せいっ!!」
ギャングの一人が、ヒーローの子どもが何やら不穏な事を言い出して何する気かと尋ねた瞬間ーー鈍い音が響き渡った。するとどうだ、緑谷の右足がギャングの右膝を踏み潰し、膝が反対に折れて右足底が空を向いていた!
「あぎゃああああぉぁあああ!!」
絶叫を上げるギャングに、もう一人が唖然として、執事も驚愕するしか無かった。
「お、お前!?なにやってーー」
「はいこっちもドーン!!」
「おんぎゃあああああーーー!?」
もう片方の右膝も踏み潰して同じように折った緑谷。ギャング二人は絶叫しながら膝を押さえて泣き叫ぶ。
「いでぇええ!ひいい!?あがぁああ!!」
「足がァ!俺の足がァア!!」
「次はもう片方の膝を潰して、一生歩けなくする」
「「!?」」
そんな泣き叫ぶ二人に緑谷は冷たい眼差しで見下ろしながら宣告した。次はもう片方の膝も砕いて一生歩けなくしてやるぞと。
「足の次は片腕を破壊して、その次はもう片方を、二度と自分でご飯食べれないようにする、さらに次は玉を順番に潰して子を成せなくして……最後は首をへし折り殺す……」
それは段階を踏んだ拷問であった、中国マフィアのやり口だった。話すか死ぬか、それまでにどれだけ失うか?残したいかを緑谷はギャング二人に説明した。
「何段目に口を割るかな?さぁ……洗いざらい話してもらおうか?」
「ひ……ひぃい!?」
「や、やめ」
「はい歩行不能決定!!」
「「いぎゃああああああーーー!!」」
やめろなんて聞いてない、洗いざらい話すまでそれ以外聞きやしないと緑谷は、二人の無事な膝を正確に踏み潰し、二人の足は両方とも鳥類のように逆にされてしまったのだった。
「で?アンナお嬢様とやらは?」
ギャング二人は戦慄に痛みを忘れたーーこのヒーロー本気だ!本気で吐くまで痛めつけ、吐かなければ殺す気だと、その眼差しが物語っている……如何にギャングだろうが、命は惜しいと二人して声を上げた。
「た、助けてくれ!降参だぁ!!」
「む、胸ポケットにゲートを開くデバイスがある!それを使えば移動できる!」
それを聞いた緑谷は、一人のギャングのスーツの胸ポケットに手を入れ言った通りにあったデバイスを手に入れた。
「ありがとう、協力感謝するよ」
移動手段は手に入れた、これがお嬢様とやらにつながるゲートを開けるデバイスらしい。緑谷はギャング達から離れれば、二人のギャングは終わったとホッとする。
が、緑谷は執事に目線を向けて、執事も目線があったのでにっこり笑うと、執事は容赦無くショック弾を込めたリボルバーの引き金を引いて、二人は電気ショックに晒され意識を手放した。
「容赦ないなぁ……」
「それは貴方様でしょう、というか……貴方様は本当にヒーローなのですか?」
容赦無く止めを刺した執事を弄る緑谷、対してお前の方が酷いだろとドン引きの表情で緑谷へ、本当にヒーローなのかと執事は尋ねた。毎回同じ質問されるなと、緑谷はいつも通りの答えを返してやった。
「失礼な、ちゃんと仮免試験合格した、仮免ヒーローだよ」
「左様でございますか……」
呆れた様子で、執事は倒れた赤いフレームの改造バイクに向かった。そして屈んでハンドルとタンデムシートを掴んで持ち上げていく。力を込めて背中の布が破れてしまい、ガクリと崩れて起こせなかった。
「あーあー、そんな力任せじゃダメだって、ほら貸して」
「む……」
海外の教習所は起こし方を習わないのかと、バイクを起こせない執事に貸してみろと緑谷はバイクのそばに立つ。
「まずエンジン切ったか見て、キーをオフにしてから、右側に倒れちゃってるからサイドスタンドを立てる……で、それからブレーキレバーを握って体を密着させて……重っ!?」
車体が右側に倒れているならばと、緑谷は差し込まれたキーをオフにしてからサイドスタンドを立てて、右手でフロントブレーキレバーをしっかり握りしめ両ハンドルを握ると、屈んで左足と左腰を給油タンクに押し付けて立ち上がる要領でバイクを押し上げて立たせた。
「ほらね……というか、めちゃくちゃ重いねこのバイク……排気量いくつ?」
得意げに、立たせてやったから感謝しろと胸を張る緑谷だったが、実際はなかなかの重さに教習所で習った起こし方でも起こす事が無理だったかもしれず、危うく恥をかきそうだった。執事は黙ったまま、感謝もせずバイクに跨り出した。
感謝も無しかと緑谷はそっぽを向き、執事は構わずキーを回しスタータースイッチを押しエンジンをかけた。
「何をしてるんです、お乗りください」
「はい?」
「この広い空間を足だけで行くのは億劫でしょう」
「…………」
さっきまで喧嘩してた二人だが……とりあえずお互い偽オールマイト陣営から敵意を向けられている以上協力したい……という事を言葉では言わず、ただ広い空間を歩くのは辛いから後ろに乗れとだけ執事は促す。
それならと緑谷はお言葉に甘えてタンデムシートに乗り、舗装されてない山道をバイクが走り出した。
「これは……!?」
街道から街へ入った轟達は、建物の影から見たある様子に驚いていた。ヨーロッパの噴水公園を思わせるような場所に、何十人と人が倒れていたのだ、その近くには花弁が散乱していた。
「ここに取り込まれた避難民達か!?」
「一体……何をされたんですの?」
あの時に巻き込まれた人たちだろう、飯田と八百万が何があったのかと辺りを見回す中、上鳴が声を上げた。
「おい!あそこ!!」
上鳴の指差した先には、さながら災害時の食事配給の様に、きっちり並ぶ避難民と、黒いドレスを纏った女性と、ピンクのドレスの少女の二人が立っていた。
「誰だ……避難民には見えないな……」
明らかに避難民ではないと轟が呟く、そしてなにやら意思なくふらつく足取りで最前列の男が、ピンクのドレスの女性に手を出して握手をするとーー。
「うぼぁあ!?」
花が散るとともに、叫びを上げて男は倒れたのだった。
「あの女性何をした!?」
「助けるぞ!!」
飯田と轟が只事ではないと声を上げ、その二人に続いて他の所属メンバーも駆け出した。それに気づいた黒いドレスの女性は振り返り、妖しく笑う。
「あら、勇敢じゃない……けどね…0」
黒いドレスの女性の瞳が赤く光った瞬間ーー轟達の景色が明滅した。
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『んあ!?なんだ、ここは……』
『南国の砂浜?一体何故?』
景色は南国、上鳴と峰田が辺りを見回す。そして二人の前には、それはもう様々なタイプの水着の美女が笑顔で駆け寄ってきたのだ。
『『『きゃあああーー!グレープジュース!チャージィ!!』』』
二人は一瞬、硬直したが瞳をハートに変えて叫んだ!
『『はい来たこれーーー!!』』
二人は様々な水着の美女に囲まれ、たわわな果実を押し付けられ、自ら触れ、口移しで飲み物を飲ませてもらい……そしてそのヒーロースーツを脱がされていった。
ーーー
『ここは……』
轟焦凍は、景色が低くなっている事に気づいた、見知った自宅の庭で立ち尽くした自らが、まだ幼少の頃の姿だと気付く。
『焦凍!』
声に振り向く、そこに居たのは……荼毘ではない、轟燈矢……兄さんだった。
『サッカーやろうぜ!』
『焦凍!燈矢にい!』
『こっちこっちー!』
夏雄兄さんも、冬美姉さんも幼くなって、庭で一緒に遊ぼうと誘っている。そして縁側には……厳しい父であるエンデヴァーが、穏やかに甚平姿で、浴衣姿な母の冷と仲睦まじく座って見ていた。
決してあり得ない、無いはずの景色……わかっていても轟は、兄からパスされたボールを受け取り、夏雄の方に笑いながらパスをした。
ーーー
『ロンネフェルトの茶葉、ああ……いい香り』
八百万は優雅なひと時を過ごす、ドイツの歴史あるメーカーの茶葉の香りを楽しみながらお菓子を食べるひと時は、何と格別な贅沢だと八百万は香りに浸った。
ーーー
『いくぞ天哉!泣いている人々の元へ誰よりも早く!』
『ああ!ダブルインゲニウムだね!兄さん!』
これ程嬉しい事は無い!飯田天哉は奇跡の復活を遂げた兄、先代インゲニウムと駆け抜けて、泣いて待つ人々を助けるために共に走り抜けた。
ーーー
「「「「「ケロケロケロ〜ケロケロ〜」」」」」
蛙吹梅雨は雨の降る中、家族と共に歌う。橋の下の河川でもカエル達が、その鳴き声に呼応して合唱を始めた、家族と共に過ごすこのひと時こそ、代え難い幸せなのかもしれない。
ーーー
障子目蔵は、傍に共に歩む少女と道を歩いていた。かつての過去、助けた女の子との散歩……それだけで、このただの平穏だけで報われていると、障子は田舎道を歩いた。
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黒いドレスの女性は、こちらに向かってきた若きヒーロー達が皆、夢の中に堕ちているのを眺めていた。
紅茶を飲む所作をする者、ケロケロカエルを真似る者、足踏みする者、昼の食事をそばにとリクエストする者、若干2名映せない腰の動きをしている者と様々だ。
「しばらく夢の中で楽しんでなさい……あとでゆっくり調べてあげるから」
彼女の名前はデボラ・ゴリーニ……その個性で持って轟達を夢の中に堕とし全滅させてしまったのであった。
「うわぁあああ!」
その後ろで、アンナに触れた男が叫びを上げて花ビラを散らしまた倒れたのを見て、デボラはため息を吐いた。
「にしても……なかなか見つからないわね適合者……ま、仕方ないか……構成員二万のファミリーで、たったの八人しか居なかったもの……」