【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
爆豪チームは遊園地の空間にて、メインモニュメントらしき城を容赦なく爆破して突入していた。趣味の悪い魔王の城じみた見た目の壁を爆破で破砕し、赤いカーペットの敷かれた屋敷に入った爆豪達はメインエントランスらしき場所に辿り着く。
「ふははは、ふははははは!!ようこそ!荒廃した世界でもがき苦しむ若きヒーロー達よ!!」
左右に分かれる宮殿階段、その広い踊り場にてあの偽オールマイトが嬉々として爆豪達を出迎えた。ヒーロースーツもまずオールマイトが着ないオリジナルな趣味の悪い羽のついたスーツを纏い、傍には何故か従者らしいピエロに扮した仲間がポツンと立つという解釈違いも度が過ぎる出立ちであった。
そんな物を見てしまった爆豪の怒りは収まらず、いの一番に偽物へ叫んだ!
「オールマイトのパチモン野郎かぁ!!」
「ダークマイトだよ!先程、先代からインスピレーションを賜り自分でつけたのさ!いい名前だろう?」
その怒声に対し、ダークマイトは自己紹介を兼ねてナルシズムを満たす様にポージングを次々変えながら、嬉しそうに笑って答えた。
「俺たちをこんな場所に連れてきて!何をする気だ!」
「オールマイトが何故世界中からリスペクトされるに至ったか、真剣に考えた事はあるかね?」
切島の質問にも答えず何故オールマイトが世界中から尊敬をあつめるに至ったかを逆に尋ねてくるダークマイト、そして答えを聞かず自ら語り始めた。
「人は強さに惹かれる!そう!力こそエンターテイメント!」
またこのダークマイトは的外れな聞いてもいないねじ曲がったオールマイト論を発した後に、爆豪達へと説明を始めた。
「この施設!シンドロームパラダイスは、平和のランドマーク!君たちがここを守るナイトに相応しいかテストをしてあげよう!クリアできたらその時俺たちは同志だ!!」
遂には勝手にこの城の試練への参加を強制させられるわ、クリアしたら配下にしてやろうと支離滅裂であった。最早何がしたいのか、何が言いたいのかわからんと、切島、芦戸、常闇、砂藤、口田は聴き疲れしてしまった。
「俺が象徴となる瞬間を共に祝おう!共に歴史を作ろう!!わかったら挙手したまえ……はい!!」
最早ポカーンとしている切島達だったが、一人手を挙げる者がいた。
「おい……似てんのはツラだけかぁ!?」
爆豪がうんざりしながらそう煽ると……ダークマイトがプルプル震えながら怒り言い返す。
「わかって……ないじゃないかぁああ!!It's s Show Time!!」
両手をダークマイトが広げた瞬間、爆豪達の足元が窪んで穴が空き、そして皆落下してしまった。着地した先には、何やら石作りの迷宮が広がっていた。
「なんだ、ここは……」
「ゲームのダンジョンみてぇ……エンタメってそういう事か?」
「あの人何かズレてるよ……」
切島があたりを見回しながら呟き、ダークマイトの言うエンタメとやらがこれかと首を傾げる砂藤に、芦戸がダークマイトの言う事はズレていて理解できないと苦言を吐いた。
「うわぁあ!?」
突如、口田の悲鳴が上がった。その方角に全員が注視すると、砂藤の口から出たゲームのダンジョンのモンスターが、あちらこちらの通路から出てきたのだった。
「……ダンジョン突破で全クリってかぁ!?」
出てきたモンスターを前に爆豪は掌の汗を誘爆して弾けさせやる気満々だと見せつけた。
「とりあえず、ここから出なくちゃ!」
「話になんねぇ!!」
「ぬぅううあ!!」
芦戸も両手から酸を分泌し、切島も続いて体を硬質化、砂藤も角砂糖を噛み砕いて肉体を強化して備えた。
「ダークシャドウ!!」
「行くぞお前らぁああ!!」
常闇と爆豪が先陣を切り、爆豪チームは地下ダンジョンでモンスターとの戦闘が始まった。
その頃……緑谷はというと。
「お!開いた!隠し通路ってドキドキするなぁ……」
「呑気な方ですね、ヒーローのガキ様は」
後部座席からギャングから交渉して快くいただいたデバイスを動かしたら、岩が動いて隠し通路が出てきたので、執事と共にその通路へ入った。
さながら高速道路のトンネルの様な、等間隔にガス灯じみた灯りもあるトンネルをバイクが走る。
「しかし……あのギャングいきなり撃ってきたが、何故だ?」
それはそれとして、あのギャングがいきなり撃ってきた事には違和感を緑谷は感じていた。こちらを光の中に閉じ込めて中へ引き入れたなら、殺すより利用する為に捕縛するのがパターンではないかと。
「撃ったのは貴方ではなく私だと思われます」
「なにっ」
お前が標的じゃ無い、奴らの標的は私だから撃ったんだと執事は語った。
「私がお嬢様を狙っている事を知り、邪魔だと感じたのかもしれません……」
狙っている……こいつやっぱり殺し屋かよと緑谷は心中で頭を抱えた。それにしては、雰囲気からして悪には思えない、緑谷の勘がどうも違うと悩ませてくる。
「……そのお嬢様を狙う理由はーー」
もう直接聞いたほうが早いな、答える気は無いだろうがと尋ねた瞬間。緑谷は懐から即座にヴィラン・ハントを引き抜いて、向かってきたロケット弾頭へ狙いを定め発砲し、見事に撃墜した!
爆風の中を突っ切った矢先、継いで今度は二発奥から飛んできた!
「ごめん!リロード間に合わない!!」
「単発式とは時代錯誤な、オートマかせめてリボルバーにするべきでは?」
「ロマンだよロマン!」
単発式故に迎撃間に合わんと叫ぶ緑谷に、執事は舌打ちしながらバイクのデバイスらしいタッチパネルを操作した。
フロントのフレームから放たれたミサイルが迫り来る弾頭を撃ち落とし、再び爆風を突っ切った。
それと同時にトンネルを抜けたらしい、目の前の景色は砂浜と岩礁、そして奥の壁には海が広がっている様に錯覚する絵が描かれていた。
その奥で、三人のギャングが待っており、一人の頭がロケットランチャーとなっていた。
「撃て!」
異形のギャングが、そう指示を出すとまたロケット弾がそのギャングから射出される。
先程の弾頭はあのギャングの個性か!そうして理解すると同時に迫り来る弾頭に対し、執事は何も言わずに緑谷へ一言も無く!バイクから飛び降りたのであった!
「あ!?おいバカ!!せめて何か言ってよ!!うわぁあああ!?」
緑谷は即座にリアシートから運転席に移動して、右足のフットブレーキを踏み、右手でブレーキレバーを絞る様に握った。が、砂の地面だったが為に緑谷はそのまま投げ出され、砂を転がって止まった。
「あんの執事……バイクは大切にーー」
立ち上がった緑谷だったが、目の前で先に執事がギャング三人相手に右腕を銃に変形させ交戦を始めたのを目撃し、もう一人のギャングが腕を振るうと薄い防御壁がその弾丸を防いだ。
いや、それよりーーと緑谷は、自分の個性はどうかと試しにOFAが使えるか意識を集中させた。が……やはり発動しなかった。
相手のギャング3名の内、2名が個性を使った、さっきのギャング2名はマシンガンだった。
つまりはーーと緑谷の頭に仮説が一つ浮かんだところで、異形のギャングが執事に言い放つ。
「そこの男!何故アンナの命を狙う?」
自分が聞きたかった事を異形のギャングが執事に聞いた、それに対して執事はこう答えた。
「お嬢様と約束をしましたので」
「お嬢様?」
執事は言った、約束だと……それに対してギャングが何やらその理由に納得したのか言った。
「……お前、シェルビーノの手の者か?」
苗字が出てきた事に、緑谷は……お家騒動とやらかと一応頭に入れたが話は続く。
「お嬢様にこれ以上個性を使わせないでください……貴方達は、お嬢様の個性がどういう物かまるでわかっていません」
「そうはいかない、アンナはボスの理想を実現する為に必要な装置だ」
そして、この会話で何となくではあるが緑谷は、どちらが正しいかは理解した。殺す気があるらしいが、あの執事の方が正しい様だと緑谷は岩陰に隠れながら機を伺う。
「そうですか、ならば……実力を行使させていただきます」
執事の言葉と発砲と共に銃撃戦が始まった、やはり個性を使える様で防御壁を作るギャングが執事の腕の銃の弾丸を弾く。
さらに、頭をロケットランチャーに変形させていたギャングは、今度は腰からガトリングを取り出して執事の隠れる岩礁に撃ち込み続けた。
緑谷は、ここで先程浮かんだ仮説が確信へと変わった。
まず、個性を使えなくしているのは、異形のギャングである。
対してあまり移動せず、その異形のギャングを守る様に立っている銃器へ変化するギャングと防壁を張るギャングは使えている。
つまり、あの異形のギャングの個性は『個性を使えないフィールドを自身の周囲に作る』と見た。近場の者は使えるあたり、都合がいいなと苦笑しつつ緑谷は執事の隠れる岩礁へ身を隠しながら合流した。
「隙を作れますか?」
緑谷の問いかけに銃を撃ちながら執事は尋ねる。
「作ったら?」
そうしたらどうなると聞いてきて、緑谷は答えた。
「殺します」
「!!?」
執事は一度『え?ヒーローなのに?マジで言ってる?』と驚いた目を向けた。
「な、なら虎の子を出しましょう」
あくまでこの時彼は、比喩表現だろうと思った。使えるものは使ってやると銃を腕に変形させ、タッチパネルらしいデバイスを操作すると、緑谷が投げ出されたバイクからアームが出てきて自立したのだった。
それを見て、執事が頷いたのを見て緑谷も頷き、岩礁を頼りにガトリングの弾丸を防ぎ掻い潜り、ギャングに近づいていく!
緑谷の動きに気を取られて注視していたギャング達は、死角から自動操縦で動いて向かってくるバイクに気づくのが遅れた。
「何っ!?」
異形のギャングの声に、ガトリングて防壁のギャングも反応し、緑谷ではなく其方に守りを敷いて迎撃!だが!
バイクは岩礁に乗り上げ宙を舞い、赤いフレームをパージするや一気に爆発した!!
「くそ!?」
爆風により視界を遮られたギャング達ーーその煙の中、赤い光が揺らぎーー。
ボンッ!!
「な!?」
聞こえたのは……何かが破裂した様な音。
異形のギャング、パウロ・ゴリーニは絶句した、煙が晴れていくと……防壁を張る部下の頭部が、引きちぎれて断面から血を吹き出して膝から崩れ落ち、近くに居た黒い装束の少年が、その頭部を鷲掴みにしていた事に!!
「使えるーー!」
緑谷の確信は答えとなった、やはりこの異形の周囲は個性が使える!ぶっこ抜いた脊髄付き生首、その脊髄部分へと掴み変えて、近場にいたガトリングのギャングが、こちらに銃口を向ける前に!その頭へ思い切り振り抜いた!!
「がげぇああ!!」
メシャアアア!!と鳴り響く音と共に、ガトリングのギャングも、脊髄生首となった防壁ギャングの両者の頭部が変形する!頭蓋骨粉砕骨折確定!!脳障害待ったなし!!
「ひ、ヒィイ!?」
パウロは背を向けて即座に離れた!範囲から出せば!個性は使えない筈と仕切り直そうとしたもののーー。
「Come Here!!(逃げるんじゃあ無い!!)」
「あぐぅああ!」
胸元に容赦なく突き刺さる苦無と、繋がっているのは鎖!!それを思い切り引っ張ってこちらに来いと引き寄せて前のめりに体勢を崩したパウロが最後に見たのはーー高々と天まで右足を振り上げる緑谷出久の姿だった。
「ワン・フォー・オール100%……!!イーヴル!ヒール!!クラァアアアアアッシュ!!」
バガァアアン!!
その音はまず人間から鳴るような音では無い、鉄工所で熱した鉄を整形する超質量ハンマーが打ち下ろされたような音を立てて、パウロはバウンドして宙を舞い、目や耳や鼻、そして口からも鮮血を吹き出して、どさりと砂浜に落下した。
『パウロ・ゴリーニ』
個性:アン・イデオロギー
頭蓋骨粉砕骨折、脳挫傷、上下全歯粉砕、脊髄損傷により……再起不能!!