※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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scene16 砕け!象徴の象徴!!

 ジュリオが吐き終わり、緑谷は自らとジュリオを引き上げ、ダークマイトが向かった天井へと向かう。エレベーターが通った空間を突き抜けて、着地した先にあったのは……何もないドーム型の空間であった。薄暗い、辺りには何やら残骸もあるのは見えた。

 

「ここは……」

 

 確認するように緑谷が呟いた瞬間ーー天井から明るくドームが照らされて満天の青空が広がり、地面には草原があったと分かり平原が広がった様にさえ錯覚させられた。壁は確かにあるはずが、更にその先まで行けそうなトリックアートのせいで本来のこの空間の広さが掴めなくなる。

 

「景色まで作って、エネルギー波まで飛ばす……ダークマイトの個性は何なんだ?まるでAFOや僕みたいに幾つも個性を持っているのか?」

 

 いよいよダークマイトの個性が分からない、複数持ちなのかと疑問を呟く緑谷に、ジュリオは答えた。

 

「錬金です」

「錬金って……え!?まさかあいつ国家錬金術師なの!?」

「違います、奴の個性が錬金なんです……触媒を使って、思い通りの物質を作れる個性……今は顔を変えて、ダークマイトなどと名乗っていますが、その正体はヨーロッパ最大のマフィア、ゴリーニファミリーのボス……バルド・ゴリーニ」

 

 ジュリオの口から、ダークマイトの正体と、その個性が語られた。さながら八百万と同じ個性、彼女は自身の『脂質』を使うが、ダークマイトは外付けの触媒さえあれば幾らでも使える。有限だが、どんな物でも創りだせるのが八百万の『創造』に対し、ダークマイトことバルドの『錬金』は触媒さえあれば幾らでも作り出せる……。

 

 だが、錬金という単語から緑谷が思いつくのは『等価交換』の法則である。ダークマイトが今まで個性を使用した瞬間を見てきた緑谷だが、コインや指輪という明らかに等価交換の域を超えた物を作っていた……それを可能にしているのが、アンナの個性かと繋がった。

 

「何故……顔を変えてまでオールマイトに?」

 

 そんなマフィアのボスが、オールマイトに成り切ってまでこんな事をしに来たのかと、緑谷は核心をジュリオに尋ねた。そこが全く分からない、まさか最初のスピーチが本気で理由なのかと、流石にそれはないよねと確認も込めた質問だった。

 

「象徴だよ……」

 

 それに答えたのは……ジュリオではなかった。緑谷も、ジュリオも、その声の相手に向けば奴はそこに立っていた。

 

 ダークマイト……白いスーツで邪悪な笑みを浮かべて立ち、緑谷とジュリオを見ていた。目の前の椅子に、恐らくまた洗脳されたアンナが虚な目で座っている。

 

「オールマイトに代わり、俺が象徴となるためだ」

 

 ダークマイトは言う、俺がオールマイトに代わり象徴となると。まさかの本気で、スピーチ通りにこの男は、オールマイトに成り代わろうとしていると緑谷は分かった。

 

「そうだ俺だ……次は……!」

 

 ダークマイトが白いスーツに手をかけ、それを引っ張った。現れたその姿もまた、オールマイトと同じヒーロースーツ!しかもシルバーエイジのスーツに身を包んでいたのだ!

 

「そうだろ?アンナ……」

「お嬢様!!」

 

 そして、ダークマイトは、ジュリオに見せつけるようにアンナを背後から腕を回して抱き寄せる。アンナの髪の毛が、より黒く染まっていくのに比例して、足元の草原に花が次々咲き乱れていく!

 

「や、やめろ!やめろぉおーーー!」

 

 それ以上はアンナがと、焦るジュリオが走り出し、それを迎え撃つとゆっくりアンナの背後から前に立ちながらダークマイトは語り出す。

 

「この力で俺はオールマイトを超える!」

 

 ダークマイトは腰を下ろして右手を握りしめて、嵌めた指輪を光輝かせながら叫んだ!

 

「世界を!俺色に染める!!」

 

 振り翳された右の拳と共に放たれた巨大なエネルギー弾の拳!ジュリオを簡単に飲み込まねない拳の弾丸を前に、緑谷は即座にジュリオを左へ引き寄せた!

 

「あう!?」

 

 唐突に引っ張られたから痛かったろうがそれは勘弁してくれと、緑谷はそのエネルギー弾を跳躍して飛び越え、ダークマイトに向かう!!

 

「超えるだと、象徴になるだと!笑わせるな!!」

「おうっ!?」

 

 踏み込んで来た緑谷に、ダークマイトは二撃目のエネルギー弾を放つが、それに対して緑谷は右腕を振りかぶって思い切り振り下ろして対抗!エネルギー弾が空気の斬撃にて両断されて、ダークマイトの目の前に緑谷は辿り着く!!

 

「来るか!ならばもう一度、拳でねじ伏せてやろう!!」

 

 先程打ち倒して膝をつかせた様に分からせてやる!拳を振りかぶったダークマイトの目の前まで来ていた緑谷だったがーー刹那、視界から消えた。

 

「何っ!?後ろ(ゴチュウ!!)かーー」

 

 そして、ダークマイトは……えもしれぬ痛みと血の気が引いていく感覚を覚えながら、目を下に向けて理解する。

 

 ジュリオも、引き寄せて攻撃から回避して起き上がった先で、その光景に目を見開くしかなかった。

 

「僕の必殺技、禁じ手!!」

 

 鐘が鳴っていた……。

 

 擬音で表すなら『チーン』と表せよう。

 

 前後に開脚した緑谷がダークマイトの懐に潜り込み、放たれた右の正拳が、ダークマイトの股間にめり込んでいた!!それは、イーヴル・ヒーローイズクの数ある必殺技の一つであり、代名詞!!

 

「ナッツパンチ・クラシック!!」

「AAAAHHHAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーー!!!」

 

 ダークマイトの悲痛な叫びが上がり、内股になって彼は股間を押さえてピョンピョン飛び跳ねるのだった。




*ナッツパンチ・クラシック

緑谷出久の禁じ手、ナッツパンチの打ち方の一つ。アッパーカットで下から玉をかちあげるのが通常のナッツパンチに対し、クラシックは正拳突きで真正面から撃ち抜く。

元ネタである、モータルコンバットのジョニー・ケイジのナッツパンチも、モータルコンバット9になるまでは正拳突きで、9以降はアッパーカットに変わっているのだ!!
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