※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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scene18 悪から生まれたヒーロー

 緑谷がダークマイトと戦っている間に、ジュリオがアンナを奪還する。しかしそんな浅はかな事をさせるわけないだろうと、ダークマイトはデボラを控えさせていた。

 

「ジュ……ジュリオさん……」

 

壁に叩きつけられた緑谷が身を起こす最中、ダークマイトはニヤけながら金貨を投げ込めば、衝撃と共に鉄塊に体をがんじがらめにされた。

 

「アンナ?その男を殺しなさい?」

「はい、お姉様」

 

 その目の前で、デボラが操ったアンナへ向けて短剣を手渡した。鞘から抜き放ち、倒れ伏すジュリオの元に屈むアンナを見て緑谷は叫ぶ。

 

「ジュリオさん目を覚ませ!ああ、くそっ、がぁあ!」

「おおっと!流石に力が強いな!!そのまま固まってこの最高のショーを見て起きたまえ!!」

 

 鉄の拘束をOFAで引き千切るが、それを見てダークマイトが即座に追加の拘束を緑谷へ課した。いかに超パワーでも身動きを完全に封じられ、緑谷は叫ぶしかできなくなってしまう。

 

 守っていた存在に貫かれて死ぬ、そんな許されない事が今起ころうとしている。虚目なアンナが短剣を振りかぶったのを見て緑谷は叫んだ。

 

「アンナさん、ダメだ!!やめろぉおおおーーー!!」

 

 その言葉が通じたのか、はたまたタイミングが良かったのかは知らない。

 

 要塞が一際大きく揺れた、それによってアンナも短剣を落とした。先程も少し揺れたりしたが、その揺れにダークマイトはニヤリと笑う。

 

「ヒーローどもか、だが所詮俺には……」

 

 その少しの揺れが、緑谷の身体を鉄の拘束から隙間を作り手を自由に動かせるようにした。緑谷はそれを見るや叫びを上げる。

 

「伸びろ!切り刻め黒爪ぇ!!」

 

 指が弾け飛び現れる黒く鋭い5本の刃が、緑谷の拘束する鉄の拘束を切り刻む!

 

 そのまま地面に落下して着地した緑谷は、まだ寝ているジュリオに対して大きく叫んだ。

 

「寝てる暇あるのかよ!!助けるんだろうがアンナさんを!!さっさと起きろジュリオォオオオーーーー!!」

 

 その叫びに、喧しいと、ガキ様が叫ぶなと言うかのように……デボラは見た。左目の義眼が駆動音を上げて動き始めたのを。

 

「え、え?ま、まさか!?」

 

 恐らく声が聞こえたから悪夢から抜け出せた、ではなかろう。しかし!先程一度デボラは同じ事が起こって失敗した!義眼は、機械は!個性の効果を受けないことに!そしてジュリオの右手の義手が変形して、デボラに向けられーー。

 

 かしゅ、かしゅ

 

「は?え……た、弾切れ?」

 

 なんとも気抜けた弾切れの音を鳴らして、デボラは安心して笑った。

 

「あっはっはははは!!なんだそれ!?脅かしやがって!!」

 

 悪女らしい文句を吐き散らしたのも束の間、ジュリオの左義足の脹脛が、バン!と音を立てて展開した。さらに……足底から青い炎が噴き出てジュリオは地面をスライドして、そのまま、恐らく意識をデボラの個性に囚われてなお浮上した。

 

「えぇ……そんな機能あるの……」

 

 一体誰がこんなびっくり機能をジュリオの身体に搭載したのか問いただしたくなる。アンナを、主人を助ける為の執念がここまでさせるのかと、飛翔したジュリオは……。

 

「ひ、ひぃいいーー!?」

 

 必死に逃げ惑うデボラに、ジュリオは自ら捨て身の体当たりを叩き込み、喧しい衝突音と土煙を巻き上げたのだった。

 

「は……え、私……何を、ジュリオ!?」

 

 そしてデボラが倒れたことにより、アンナはようやく目覚め、倒れ伏すジュリオに駆け寄ろうとして、無理矢理肩を鷲掴みにされ引き戻された。

 

「どこにいくんだい?おじさん悲しいなぁ……誰も君を救えない……君に必要なのはあの男じゃ無い……この俺だよ!!」

「うぅあぁあああーーー!!」

 

 片手で、肉どころか骨すら軋みそうな力でアンナの肩を掴み釣り上げるように待つダークマイトが嬉々として笑いながら叫ぶ。

 

「む?」

 

 その頭上から、熱を感じて見上げれば炎が接近してきて即座に防壁にて防ぎ、緑谷もまさかと振り返った瞬間、地面から氷が飛び出てそこから彼は現れた。

 

「大丈夫か緑谷!!」

「轟くん!!」

 

 先に行く為、他のゴリーニファミリーと対峙していた轟が到着したのだ!と言うことはと、右側から降り立つ気配に緑谷は振り向く。

 

「あんなパチモンに遅れとってんじゃあねぇ!出久!!」

「かっちゃん!!」

 

 同じく、爆豪もまた轟と共に合流し、3人がダークマイトと対峙する事になったのであった。

 

「驚いたなぁ……ここまで辿り着く者が三人も居るとは……流石オールマイトの教え子たちと言ったところか?」

 

 まさかのまさか、さらに二人自分の元へ、配下を倒してたどり着いたヒーローが、オールマイトの教え子が辿り着いたと見るや、ダークマイトはむしろこれでこそとばかりに歓喜が台詞から伺えた。

 

「るせぇ!!テメェがオールマイトを語ってんじゃあねぇ!!」

 

 出会って一番にそれを言ってやりたかったと爆豪がダークマイトに言い放てば、それを聞き流してダークマイトは自らの世界を押し付けるかのように言い放つ!

 

「よかろう!言葉より力だ……この私自らお前たちに格の違いを教えてやる!!」

「うぁあ!あぁああーーー!」

 

 ダークマイトの瞳が赤く輝き、持ち上げられたアンナの金髪が、もはや毛先数センチまでしか残らない程に黒く染まり、花畑がさらに広まった。

 

「アンナさん!?」

「行くぞぉ!!」

 

 呼びかける暇すら無しと、爆豪が声を上げて突貫!!それに轟と爆豪が追従!!

 

「でぇえああああ!!」

 

 APショットの爆撃を即座に叩き込む爆豪に、ダークマイトの防壁……いや、最早包み込むような金色のドームがそれを阻み、石柱が行手を阻む!

 

「はぁあ!!」

 

 ならばと諸共氷塊に閉じ込めようと腕を振るい、氷の波にダークマイトが包まれるが、それすら突き抜けて石柱が轟を襲いかかる!

 

「Come here!!(こっちに来い!!)」

「くぉああ!?すまねぇ緑谷、もう少し弱めに頼む!」

「ごめん!」

 

 押しつぶされそうになる最中、轟の背骨が引き寄せられる感覚と共に石柱の範囲から外れて緑谷の元に着地する!仲間を引き寄せ窮地から救う、緑谷の人殺しの個性が助ける個性として、今確かに仲間を窮地から救ったのだ!

 

 やがて……氷塊から金色の光が漏れ出すや衝撃波が広がり、そこから現れたダークマイトの姿に3人は目を見開いた。

 

 オールマイトを超えた象徴となる、言葉そのままに肥大したアンバランスな筋肉。それを包み込むゴールデンエイジのスーツでポージングを決めたダークマイトが3人に言い放つ。

 

「ふははは!いいぞいいぞ若人達よ!さぁ、もっと楽しませてくれ!」

 

 アンナの過剰変容で、さらに個性が強化されたのだろう。その歪であまりにも解釈違いな姿を見て……緑谷はいよいよ怒りの琴線がブチギレた。

 

「そんな馬鹿みたいな変身で強くなった気になるな!!本当の変身は……こうやるんだ!!」

 

 そう叫び、緑谷は両腰に手を当てた。腰元より浮き出た機械仕掛けのベルトが、キュイィインと吸気と駆動音を鳴らして光を放ち、緑谷は右手を斜め前に出してゆっくり一文字を描く!!

 

「変身!!」

 

 緑谷の身体に、触手が這い回りやがて硬化していく……現れたその姿は緑谷出久の変身形態!!

 

 象徴の鎧!!

 

 だが……その額の触覚や足首、胸板が金色に輝き、節々にも亀裂が入った姿にダークマイトは失笑した。

 

「はははは!!キミの姿こそ醜悪な化け物じゃあないか!!これじゃあキミは本当にヴィランそのものだな!!」

「ああそうだ!!」

 

 言われたが、それがどうしたと、緑谷は爆豪、轟と共に同時に飛び出す!!

 

「僕は!お前みたいなヴィランを地獄に叩き落とすため!!」

 

 振りかぶったダークマイトの拳が迫る!それを弾きいなしてその腕を駆け上がるように踏み、跳躍しながら緑谷は言い放つ!!

 

「AFO(悪)から生まれた!!ヒーローだ!!」

「ごぉうぁああ!?」

 

 かつて、言い淀んだ、捻じ曲げた言葉をまっすぐ吐きながら緑谷は、左足でダークマイトを蹴り抜き最終決戦のゴングを鳴らした。




象徴の鎧 漆黒金色

緑谷出久のダークマイトドライバーによって変身した『到達点』の鎧。OFAに耐えうる肉体、そしてAFO'の覚醒により制限時間は無くなった。

本来の黒色一色の鎧から、額部分や胸板、手首や足首が金色に輝いており、黒の部分にはひび割れが見える。

戦闘力に関しては今までの象徴の鎧『漆黒』と変わらないマイナーチェンジである。
イメージは道外流牙の『漆黒牙狼』
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