※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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333話 完全体

「イズクが居ないだと!?どうなってる!!」

 

 対死柄木選抜チーム、待機していたベストジーニストは緑谷出久が来ないというアクシデントに冷や汗を垂らし現状を尋ねた。

 

「してやられた!別のゲートに引き寄せられた!!」

 

 最後の最後の詰めに足を掬われたと、爆豪はこの時ばかりは自省した。だれが緑谷を引き寄せたか、その瞬間を見て出来る敵陣営の人物がいる事も頭の中に叩き込んだのにだ。

 

「もう、まずいんじゃあないか!?彼が居ないと前提が崩れる!!」

「皆に知らせなきゃ!」

 

 緑谷が居なければ死柄木を誰が倒す!?天喰のメンタルにヒビが入り即座にどこに緑谷へ居るのか確認しなければと波動が言った。

 

 だが……このヒーローだけは違った。

 

「いいからやろうぜ!もう始まってんだ!!」

 

 義手となった左腕を打ち鳴らし、笑う彼女はラビットヒーロー『ミルコ』!!もう作戦は始まってやり直しは効かない、ならこの場の人間で対処するだけだと彼女は1人欠けたがどうしたと声を上げる。

 

「有史以来の、最強のヴィランとの戦いがよぉ!!」

 

 構わねえ、さっさとおっ始めようぜとやる気満々なミルコを他所に、死柄木は移動させられた周囲の状況を確認した。

 

 地平が眼下にある、つまり空にこの雄英は浮いている。周りにダツゴクや脳無、戦線の残党は居ない……自分1人だけこの空に浮遊する雄英に連れてこられたらしい。

 

 まぁそれがどうしたと、死柄木は着地するや右手を地面に触れさせた。さっさと崩壊させればそれだけで終わるのだから、今度は邪魔してくれるなよ"僕"と、あの駐車場で阻まれたのを自らに言い聞かせ地面に触れた!

 

 その右手から、地面が崩壊を始めた!だが!!

 

「!!」

 

 崩壊が伝播する直前!目の前の地面が浮き上がった!それどころか、死柄木の足元の地面までも浮き上がる!!

 

「ああ?」

 

 その勢いは凄まじく、浮遊してしまいながら障壁に死柄木はぶつかるとーー。

 

「ぐがぁああああ!?」

 

 高圧電流が死柄木の体を襲った!!電磁バリアにより身体が硬直して動きが一瞬鈍る!!しかしこれが何だと反撃を死柄木が始めようと拳をにぎるがーー!

 

「おっと!!」

 

 ベストジーニストの操る炭素ファイバーが、死柄木の四肢を拘束して地面に叩き落とし!さらに思い切り引き摺り回した!!

 

「脳と筋肉で動いている以上、体に強力な電流が流れれば硬直する……どんな超人でも、一瞬はな!!」

 

 引きずられつつも、ファイバーを崩壊させながら拘束から抜けた死柄木が、穴が空いた地面を目にして何があったかを理解する。

 

 崩壊させた瞬間地面が浮き上がったのは、伝播するのを防ぐため……成る程確かにそれなら防げると着地しながら死柄木は叫ぶ!

 

「だが、これは破滅的だぜジーニスト!空に浮いているんだ!地面をそう安売りしていたら!大切なステージがすぐになくなるぞ!」

 

 追尾する炭素ファイバーケーブルを飛び跳ね、避けて、手で掴み崩壊させながら、やがて地面が無くなりステージは無くなる。破滅的な作戦で無意味と死柄木は勝ち誇る。

 

「ご心配なく!資材なら豊富にある!!」

 

 そんな心配は無用と親指で先程浮き上がり、穴が空いた地面を見ろと指し示すジーニスト。そして目撃する!穴に正方形ブロックが次々下から自動的に補充され、塞がれていく様を!

 

「察しが悪いな死柄木!脳がショートしたか?ここは、お前を倒すためにだけに作られたーー」

 

 これこそ!!対死柄木弔討伐の舞台!!崩壊を防ぐ取り外し可能な地面!!囲まれた電磁バリア!!雄英高校校舎を利用して作られたその要塞の名前は……。

 

「天空の棺!!」

 

 貴様をここで撃ち倒し埋葬する舞台だと、ベストジーニストは死柄木へ宣告した。

 

 

「いっひっひっひ!!F-10の35、T-10の45、プレート破損!!」

「OK!すぐに補填します、皆行くよ!!」

「はい!パーツをお願いします!!」

 

 天空の棺内部では、雄英高校教師であるヒーローの、パワーローダーとセメントスが、サポート科と共に死柄木が崩壊させたプレートを即時埋め合わせの作業へかかっていた。

 

 セメントスの個性『セメント』の生成で床を作り上げ、サポート科が即時埋め合わせ、無限の地面を作り上げているのだ。

 

 しかしそれらの電子部品やパーツまで、なぜ無限なのか?それは……彼女が担当しているからだ!

 

「えっと、名前なんでしたっけ!」

 

 サポート科の発目が電動ネジを回してパーツを組み上げる中、部品を次々と『創り出す』彼女に、名を知らなかったから尋ねた。

 

「クリエティ、友人からはヤオモモと!お好きに呼んでくださいまし!!」

 

 雄英高校1年A組副委員長!八百万百!個性『創造』が、脂質ある限りあらゆるパーツを創りあげ、決して無くならない無限の地面の生成を可能とした!背後では、雄英高校食堂の料理人、ランチラッシュが次々と食事を運び、既にいくつもの皿が平らげられていた!

 

 それだけではない、そもそもこれら全てを動かして、なおかつ電磁バリアを張るという莫大な『電力』が必要な筈、それを可能にするのは……。

 

 

「ぬぉあああああーー!?漫我くんヤバくないこれぇ!?キツくないこれぇ!?」

「グワーってかんじぃ!!」

 

 天空の棺から、巨大なケーブルが伸びた先にあるまた違う建造物、それが天空の棺を動かす別館。エネルギー補填部門として抜擢された上鳴電気と吹出漫我が、先輩達と共に自身の個性で電力を供給していた。

 

「一年!集中!!」

「俺ら実質2年だもんねぇ漫我くん!」

 

 先輩から今は集中しろと指摘された2人、しかし上鳴は軽口でテンションを高めようと言葉を返した。

 

「僕らも要だ!死柄木を閉じ込めるために!頑張ろーー!!」

「はいよぉ!!頑張れチャージだチャージズマぁあああ!!」

 

 上鳴が自身を焚き付けるように自らを鼓舞し、さらに放電を続けた。

 

 

「これまでに積み上げられた全てが、この棺を動かしている!名誉でも、栄光でもない!ただ来る明日を守らんとする者達が動かしている!!貴様の破壊を拒む者達がだ!!」

 

 ベストジーニストが追撃し、死柄木が避ける、その刹那の隙に爆豪の爆破が叩き込まれた!

 

 しかし、既にオールマイト級の肉体の強さを持つ死柄木が腕を振るうだけで、爆炎の軌道が真下に変えられた!

 

「ふぅんぬぁ!」

 

 その軌道をさらに、波動ねじれの波動が跳ね返して死柄木に送り返すが死柄木がこれを回避!

 

「うぅうあああ!!」

 

 詰めの攻撃と、空中をケーブルで浮かせた足場をミルコが跳ねていき、死柄木の顔面に蹴りを叩き込んだ!!

 

「おもちゃ自慢はそこまでだ、衝撃波で……」

 

 死柄木は空中で体勢を整え、ベストジーニストに手を向ける。衝撃波と電磁波で全てダウンさせようとしたがーー。

 

「無駄だよ!!蛇腔でのクソゲーを忘れたかぁ!?」

 

 対策してないわけがないだろうと、爆豪が笑みを浮かべながら言い放つ。その手からEMP攻撃は、発動しなかった。

 

「個性が……」

 

 そう、個性が使えない。という事はだ……あいつがいるのかとこの天空の棺と共に浮く別の建物に目が行き、その上に死柄木は見つけた。

 

「ふぃ、ふぃ!フィヒヒヒヒヒ!!抹消が、嫌いなんだってねぇ?ラスボスさぁん!?」

「動かないで!ずれる!!」

 

 そこに居た。黒霧のワープでこちらを、ヴィラン連合を分断した物間寧人が、側に抹消ヒーロー、イレイザー・ヘッドこと、A組担任相澤と共に!

 

 物間寧人の個性『コピー』は、対象に触れてから『5分間』だけ触れた相手の個性が使用可能となる。だが!"触れ続ける"ならば使用可能時間は、実質無限となる!!

 

 そして、ずっと目を開いていなければならないため、対策として蛇腔でも相澤のドライアイをカバーした水を操るヒーロー、マニュアルが物間の目を潤わせ続けていた!

 

 ここまで人員のチームアップの組み合わせ、移送先を考えたここまでした相澤だが、緑谷がアクシデントで来てないという事態に汗が滲む。

 

 何より……蛇腔の死柄木の肉体は、あくまで未完成だった。今は完全体としてこの場にいる……未完成時点でオールマイト級の膂力を有し、抹消しながらも緑谷の『脊髄ぶっこ抜き』を耐えていた。

 

 嫌な予感はーーその眼前で現実となった。

 

 

「するぅぇえああ!!」

 

 足場に着地したミルコが、義足の右足と自身の左足で飛び跳ねてバックスピンキックを死柄木に放つ!しかし、それをのけぞって回避した死柄木もまた、体を捻った。

 

 その最中、ミルコは目に映ったその光景に驚愕した。

 

 捻って一瞬、体で隠れた死柄木の左腕が……伸びている事に!!

 

「ダイナマ!!ありゃ何だ!?情報を!!」

「わかんねぇ!?初見ーー」

 

 初見の行動だと爆豪がミルコに言い伝える前に、ミルコがその『指の束』に叩きつけられた。

 

「お前はかっこいいやつだと思ってた……ガッカリだぜ……イレイザー・ヘッド」

 

 その異様なる姿に、一同は絶句する。

 

 死柄木弔の左腕が……変異している。

 

 様々な大きさの指から、またさらに指が生え、それが束となって巨大な触腕となりミルコを叩きのめしたのだった。

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