※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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338話 決して無駄では無い回り道

 吹き飛ばされた荼毘が受け身を取り着地しながら分析する。自身の蒼炎すら耐える肉体、一気に冷ます冷気!エンデヴァーが相手なら消化試合で勝てる映像こそ浮かぶが、焦凍を目の前にしてそれは見えない……。

 

 ヒーロー側からすれば自身にぶつけられるのは明白だなと悟る、他に相手となる適任のヒーローなんて、今の残ったヒーロー達の中には居ないと。

 

「そして選択の可否を口にする!!やっぱなぁ!同じ血を分けた兄弟ですら、こうも型が違う!!」

 

 もはや爪すら失った指で地面を鷲掴む様に立てた荼毘!その蒼炎が地面のコンクリートすら融解させ青いマグマが広まりだした!同時にーー!

 

「!?切れたーー!!」

 

 『赫灼熱拳・燐』による、十字の蒼紅の炎が消え去った!

 

「歪んだレールが正常に交わる事は無い!超人社会の限界!!俺達がぁ!!そうなんだよぉ!!!」

 

 もう一度、燐を組み直すには時間が要る!しかし熱上昇は荼毘が早い!組み直す時間が無いと、迷いそうになった瞬間ーー焦凍の目の前に、荼毘の攻撃から時間を稼ごうと、オニマーが、キドウが、バーニンが飛び出したのを見た。

 

 駄目だ、この火力を3人が、個性を持ってしても耐え切る事はできない……自分のタイムラグで、3人が死ぬかもしれない。

 

「焼けて死ねやぁ!!ヴィラン連合(俺たち)のためにぃい!!!」

 

 組み直しを選択する刹那……焦凍は思い出した。

 

 何のために、教えを乞うた?

 

 何のために、父に反発した?

 

 そしてここに行き着いた?

 

 その選択をした時、轟の胸板から十字架の氷が生成され、サイドキッカー達3人へ向かった荼毘の蒼炎すらも、凍結させた。

 

「あ?」

 

 その光景に、荼毘は呆けた声を上げた。自身の蒼炎すら氷となって、地面に落下し、さながら境界線が出来上がった様にすら見えたから。

 

「ほ、炎が……」

「凍りついた!?」

 

 父に反発した分、母から継いだ氷の扱い方の方が一長日はある。今でこそ父から継いだ炎を自在に操り『燐』という境地に至った轟焦凍。

 

 赫灼熱拳・燐は……心臓を中心とし、右側の冷たい血と左側の熱い血を循環させて相互に発露させ、安定させさらに強力な炎と冷気を出力させる奥技。

 

 轟焦凍が選択したのは……『一極集中』

 

 一時的に冷気を全身に凝縮するという、荼毘が体質を超え自殺行為の速さで熱を上げるのに対し、焦凍も冷気でもってそれを選択した。

 

 ノウハウはすでに教えられていた。

 

『『溜めて、放つ』』

 

 父と、尊敬する人から!

 

 反発も、反抗も、決して無駄では無い!!回り道も全て糧にして!!

 

「従藍冷拳(じゅうらんれいけん)……!!」

 

 今!轟焦凍は、父を超えてさらに向こうへ踏み出した!!

 

「峻抜氷壁(しゅんばつひょうへき)!!」

 

 死の炎すら凍結させる、氷点下下回る絶対の冷気が!荼毘の炎からサイドキック達を守り切ったのだった!

 

 焦凍のヒーロースーツの上から、身体中に生える氷柱!それと共に現れる、背骨のラインに沿って生えた背鰭の様な結晶が、一気に砕け散る!

 

「屈んでください!!」

 

 焦凍の一声に、バーニンらサイドキック達はその場に屈んだ。

 

 荼毘は、自身の炎が凍りついた氷壁の一部が光り輝いたのを見て、目を見開き。

 

「何だよそのわーーー」

 

 台詞を言い切る前に、放たれた奔流に身体を晒されて肉体が一気に凍りつき、氷の塊の中へ封じられた。

 

 それだけではない、奔流は荼毘の背後を貫通し、広範囲の街並みをまるで氷河期の如く凍結させていく。

 

 荼毘の蒼炎により巻き上がり、空を夜の様に染めた黒煙も消え去り、晴天が一面に広がった。

 

「交わるよ、無理にでも……だから止まってくれ……」

 

 冷気の奔流を吐き終えた焦凍は、氷の結晶に封印された兄を見ながら身体中の氷柱を熱で溶かしてそう願って凍りついた兄に願った。

 

『壊蹂熱線、王ノ咆哮、零下(ゴジラバースト・ゼロ)』

 

 師(久)より教わり、父(エンデヴァー)の極意に辿り着き、母(冷)の力で反転させし必殺技で、轟焦凍は荼毘に勝利した。




・従藍冷拳(じゅうらんれいけん)
セキアカ時空の轟焦凍が編み出した『氷の極地』

赫灼熱拳・燐が左右の熱い血と冷たい血を循環させる『バランス』による奥技ならば、こちらは即座に全身に冷たい血を回す『一極集中』の奥技。父へ反発し、炎を使わなかった時代ゆえに、冷気の扱いは炎よりも勝手を知っていた轟焦凍、それは決して無駄ではなかった。

燐よりも即座に冷気へ傾いて、氷結系統の技の出力をあげる。その姿は『氷版の荼毘』にも見える、ただし!荼毘同様自身の体質を限界突破しての体温低下のため長時間使用はできない!!

・峻抜氷壁(しゅんばつひょうへき)
穿天氷壁の強化版、炎すらも凍りつかせる速度と冷気で周囲を氷結させる。炎すら、その領域に入ったら凍りつく。オニマー達がカチコチにならなかったのは、荼毘の蒼炎で熱せられてたからだったりする。普通の気温の場所でぶっ放したら凍結睡眠しちまうぞ!!
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