【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「神野班から報告です!!ショートが、蒼炎の荼毘を確保!!」
「「「「うぉおおおお!!」」」」
「次いで奥渡島より!イズクがトガヒミコを確保!!ヴィランの半数を殲滅したと報告!!重症のヴィラン多数との事で救急隊の応援を要請!!」
「「「「おお……うん……」」」」
仮設本部に届いた報せ、神野より轟焦凍が、兄の荼毘を打ち破り確保した報告に歓喜をあげた。
さらに続報で、アクシデントにより奥渡島に行ってしまった緑谷出久が、トガヒミコを確保したことでさらに声を上げようとしたのも束の間、中継映像が余りにも残酷な様子に皆、すん……と落ち着いた。流れはいいがまだ予断は許さない、死柄木もAFOもまだ倒してない、緑谷が作り上げた景色に本部は図らずも気持ちが引き締まった。
「轟少年……!」
オールマイトは、画面に映る凍りついた荼毘と、息を切らす轟の中継を見て一粒涙を溢す。ヴィランとはいえ実の兄、戦う事は苦しかっただろうと、彼の活躍と、この配置に応えてくれた事に感謝した。その背中を、塚内が軽く叩きながら言う。
「緑谷くんが……想定外のポイントに転送されてしまった件もあるが、とりあえずは幸先のいい印象だ、キミが伝えろオールマイト」
映像で映される轟の姿、息を切らし身体から氷柱を生やしそれを溶かす様を見て、オールマイトは通信する。
「よくやってくれた、轟少年」
通信は届いたらしい、ピクリと反応した轟は息を切らしながら頷くのだった。
そして、神野区、奥渡島の報告は各地の戦場へ伝わった!!
ーー蛇腔病院跡、ギガントマキア拘束施設前ーー
「アシッドショットォオ!!」
「「うわぁああ!!」」
手のひらから放つ強酸が防御スーツを引き剥がし、サポートアイテムを溶かす芦戸が、着地しながら司令部からの通信に笑みを浮かべ、他のチームメイトへ言い放つ!
「聞いた!?轟頑張ったって!緑谷も!」
「よしよしよしよし!!
もぎもぎで拘束したヴィラン達の上で、二つのエリアがヴィランを拘束完了した事に、峰田は歓喜して声を上げた。
「……聞き間違えじゃなければ奥渡島が鮮血に染まったって……めちゃめちゃうらめしいんだけど……」
「ん……緑谷くんだから、今に始まった話じゃない」
B組からこのチームに割り振られた柳レイ子は、奥渡島が緑谷一人でヴィランが壊滅と聞き間違えてなければ惨劇の風景が広がっていると聞いて震え、同じく小大は緑谷の事なので今更だと落ち着いているのだった。
「流石、雄英推薦組とA組の総大将……なら俺も、推薦組らしく頑張らないとねぇ!!」
「「「「うわぁあああ!」」」」
群訝で前線に抜擢された骨抜も、この報せに鼓舞されて、同じ推薦組として入学した力を示さねばと、一気に迫り来るヴィランを地面に触れて柔化させて一網打尽にした!
「あの子!ぽやんぽやんしてるから心配だったけど杞憂だったね!好きだわ!」
インタビュー訓練から目をかけていたMt.レディは轟の天然振りから心配したが、杞憂だったとその巨体でヴィラン達を薙ぎ払う!
「アクシデントはあったみたいだけど、しっかりやってるみたいね緑谷くん、終わったら労い◯◯◯してあげないと!!」
「「「「「「!!?」」」」」」
そして……ミッドナイトもその眠り香を散らしてヴィラン達を眠らせていく中で、テンションが高まったのか、今凄まじい発言をしなかったかと雄英生徒達とMt.レディがギョッとした。
「冗談よ、それだけあの子頑張ってるなって事、さぁ!守り通すわよ!!」
「あぁ!ウチの轟と緑谷が漢見せたんだ!!ぜってぇ守り切るぞ!!」
切島も通信を聞いて鼓舞されて、ここは守り通すぞと体を硬質化させ、襲い来るヴィラン達の前に立ちはだかった。
ーー国立多古場競技場ーー
かつての仮免試験の会場もまた、戦場となりヒーロー達がヴィランと対峙、雄英からは瀬呂、尾白、砂藤がここに配置されていた。
「轟、やったな!」
「この戦いが終わったら労わねぇとなぁ!」
背中合わせになりながら尾白と砂藤が襲い来るヴィラン達を次々制圧する最中、尾白は入学時の事を思い出していた。
「入学したての訓練で、レベルが違いすぎたって言われたの思い出すわ!」
「大将も変わってねぇ!あいっ変わらず容赦ないから逆に安心だわ!」
最初の訓練で轟に完封された事、そしてあのUSJから情け無用の様は変わってないと二人の活躍に瀬呂も加わって語りながら、ヴィラン達を制圧していった。
そして……
「な、なんだこりゃあ!?分身が、追いつかねぇだと!?」
この場所へ転送されたヴィラン連合メンバー、トゥワイスは、個性『二倍』で分身した自らが、まさか追いつかないレベルで次々と吸い込まれていく様に絶句した。
「ほいほい俺たち二人の前に出てきて、物量で勝とうなんて詰めが甘いんじゃないのかい?トゥワイス!!」
「戦闘苦手だけど、今回ばかりはそんな事言ってられないからね!!」
青いツナギのヒーロー、タカカズ!そして、雄英教師である13号!『ブラックホール』と『吸引』二つの無限に、限界なく物質を吸収する個性が容赦なくトゥワイスの分身を飲み込んで物量を封じていた!!
「ち、畜生!荼毘もトガちゃんもやられたなんて……」
しかしーー本体のトゥワイスはというと、抜け目なくダブル吸引のエリアから脱出していた。かつての仮免試験の市街地災害を模したセットの中で、トゥワイスはアタッシュケースを抱えて隠れていたのだ。
「ああ、こんな事ならAFOから個性何か貰っときゃあよかった!代わりに渡されたこれ、困ったら使いなさいって言ってたなぁ……」
まさか自身の物量を真正面から打ち破るヒーローが、まだ居たなんてと誤算に頭を抱えたトゥワイス。はっきり言って、トラウマを克服して群訝でも皆を助けられたから、自信を持てていた、この個性があれば誰にも負けないと。
ならせめてこれをと、アタッシュケースを渡されたのだが。一体これが何なのかまで、中身を確認してはいない。
「これがあれば何とかなんのかぁ、とりあえず開けて……」
「居たぞ!トゥワイスだ!!」
「!?」
トゥワイスがアタッシュケースを開こうとした瞬間、ヒーローがセットの瓦礫の中に入ってきたのだった。
「やべ!?ともかく開けて……」
「やらせるかぁ!!」
「おわぁ!?」
光線系の個性を持ったヒーローらしい、トゥワイスはアタッシュケースで思わず防ぎ、その勢いでアタッシュケースが割れた窓から、外に飛び出してしまった。
落下したアタッシュケースは地面に落下して壊れて、中に入っていた大型のガラスの容器が飛び出して、割れて中身が飛び出した。
「あ……ぉああ………」
中に入っていたのは『肉塊』だった。
誰も見向きもしない、肌色の肉塊。しかし、所々に目が、口があるのが分かる……。
「あぁ?んだこりゃ、誰かなんか個性使ったかーー」
通りかかったヴィランが、気味が悪いとそれを見た瞬間ーー肉塊から触腕が伸びて、ヴィランは一瞬で破裂したように分解されてしまった。
この数十分後……多古場競技場の通信が突如ロストし、ヴィランヒーロー双方を巻き込んだアクシデントが起ころうとしていた。